第五棺

未だ終らぬ我々の埋没the Color of monochrome

Middle Phase 2
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   ■シーンプレイヤー:繰鐘麗香◆

GM で、次は麗香さん。
麗香 まずは登場侵食ですね
GM はい。
ダイス 33+1D10 = 33+[3] = 36
GM さて。
一応こちらにも儚恵さんが現れて、尚君と同様の説明を受けました。
イメージするのはどなたですか?
麗香 んー。半ばエフェクト目的で塵内くんで。
GM ほう。
麗香 本当は灯ちゃんと話したかったのですが、そこは尚くんに譲ります
GM では、学校内ですかねぇ。
麗香 プレイヤー的には
第一話の追憶的なシーンがいいかもです
一緒に、校内を逃げている場面
GM ではそう言うことで。
そうすると充さんと尚君もいそうですが。
麗香 なぜか二人はいません。
と、都合の良い仮初を期待してみます
GM いいですよ。
いたとしてもモブだろうしな。
麗香の記憶の中の二人なわけだし。



GM では、夜歌学園高等学校の中です。照明の大半が破壊され、外は薄暗い。
麗香 「ここは……?」
辺りを見回します
GM 改悟「は、はぁ。二階っすけど」
戸惑ったように、塵内改悟が応えます。
校舎内。
麗香 「塵内先輩……!?」
驚いてから、冷静に
「ああ……、そういうことでしたのね」
GM 改悟「は、はぁ?」
つっても先輩相手に君付けってのも意外ですが。
麗香 あ、先輩か。じゃあ、先輩で。
GM 一応儚恵さんから説明は受けてますからね。
改悟「早くしないと、新垣サンとかに遅れるんで」
と、促します。
麗香 塵内先輩と一緒に走りながら、彼に問いかけます
「ええ。わかってますわ」
「陣内先輩、早乙女……早乙女結花さんってご存知ですか?」
GM 改悟「は? ああ、確か空手部の……」
改悟「新人戦で優勝したとかって……今何か関係あるんで?」
麗香 「あのコと同じクラスなのですけれど……。あのコ、本当にバカなんですわ」
GM 改悟「今する話じゃねっす」
と、話を切られます。
麗香 「正義感と腕っ節だけは強くて、自分が正しいと思ったことに精一杯で……
改悟に言われたことに気づかずに、うつむいて泣き始めます
GM 改悟「は、はぁ? 何泣いてるんで? さっき過ぎたことに囚われると足元すくわれるとか言ってたのはそっちじゃないっすか」
麗香 「入学し立てのころに、いじめっ子の上級生を喧嘩していじめっ子を腕力で屈服させたのを改心させたと勘違いしていたり……」
「本当に、バカなコでしたわ」
GM 改悟「……」

周囲の情景が変わります。

想念の影響を受けて。

一年E組の教室。
麗香 「でも…、あんなのでも一応私の親友なんですわ」
「もし、彼女が誰かを信じたとして、その誰かが彼女を裏切ったとしたら私は許すことはできないと思いますわ」
GM えーと、結花さんが出てきてしまいますが。(苦笑)
麗香 はい
出てきてしまいますか
GM その考え方だと、そっちに意識が言ってしまいますからね。
麗香 出すの、というか場所の転換をもう少しだけ待っていただけませんか?
GM 待つのはいいのですが、この場面で改悟君にそれを話す理由が良くわからない。
麗香 「塵内先輩、あなたにはそういった方がいらっしゃいますか?」
と言ったところで、お願いします。
…ぶっちゃけ、結花以外の学生誰かに言いたかったんです
GM 改悟「はぁ……しらねっす」
困ったように、彼は言います。
麗香 「……そう、ですの」
残念そうに言います。
GM 改悟「でも、勝手な言い草だと思うんで」
麗香 「ええ、勝手ですわ。どうせ、こんな世界になってしまったのですもの」
GM 改悟「こんな世界……笑窪ちゃん、無事かな……」
麗香 「最後くらい、勝手にやらせていただきたいと思いません? ……とは、いまのあなたに言ってもわからないでしょうけれど」
GM 改悟「知ってるっす。この世界は気持ちが悪い」

ぼっと、

改悟の体から火が噴きます。
炎が、彼を覆い、翼が、形を成す。
改悟「――ふざけた空間だ」
麗香 「……ごく簡単に言わせていただくと、わたくし、この世界をこうした原因と戦いに行くことになりましたの」
GM 改悟「原因――原因は、お前だろう」
改悟「浄化……浄化しないと」
麗香 「原因……。たしかに、私も原因だと言えるのかもしれませんね」
「もしよろしければ、もしものときのために塵内先輩の力を貸していただけませんこと?」

GM 改悟「嫌だ。なんでお前なんかに」

麗香 そこまで言われたところで、ポツリと呟きます
「……まるで、あのときみたいですわね」
「その力が、いまのわたくしにはどうしても必要ですわ」
「あのときの再現みたいに戦うことになったとしても、その力いただかせていただきますわ」
「……覚悟はよろしいこと? 塵内先輩」
GM 改悟「覚悟?」
改悟「そんなものは―― 今も昔も存在しない 
と、彼の体から炎が噴き出し、白熱が視界を覆います。
ぐわぁっ。
麗香 その熱さと眩しさに、思わず手をかざします。


GM 改悟「ねぇ、繰鐘サンだったっすか?」
麗香 「……ええ」
GM 気付けば、何事もない学食。
周囲が遠く、ざわざわとしている。
改悟「俺達は、普通の学生っす」
改悟は両手を広げて、周囲の雑踏を見回す。
麗香 黙って話に耳を傾けます
GM 改悟「詰まらないことが大切で、どうでもいいことに激昂して」

改悟「口先だけの哲学で、言葉ばかり積み重ねて正しい物を探す」

改悟「こんな俺達が、突然戦場みたいなところに投げ出されて、まともで居ろって方が無理な話っす」

改悟「そうは思わないんで?」
麗香 「ええ。その通りだと思いますわ」
「だって、塵内先輩は普通の学生でしたものね」
GM 改悟「覚悟なんてしないまま生きてきた。最後に願った思いは達成されなかった」
改悟「好きな女の子は守れなかった。大切だったものはみんな壊れちまった」

改悟「ただ静かに、もう眠っていたいのに」

改悟「呼び起して、力を貸せって。ふざけてるんで?」
麗香 「……わたくしも、ですわ」
「好きだった方たちは守れなかった。大切だった居場所はみんな壊れてしまった」
「塵内先輩、先ほど『つまらないことが大切で、どうでもいいことに激昂して』と仰りましたよね?」
GM 改悟「言ったすが?」
麗香 「わたくしも、『つまらないことが大切で、どうでもいいことに激昂』したからこそ、塵内先輩のもとを訪れましたの」
「わたくしの、最後の願いを達成するために」
「これが、わたくしの勝手であることは十分理解していますわ。でも、どうしても塵内先輩の力が必要ですの」
GM 改悟「他人の言葉ジリを真似て、相手の発言の上げ足を取るような奴は嫌いなんで」
麗香 「最後の願いを叶えられない悔しさを知っている先輩だからこそ、最後の願いを叶えるための力をわたくしに分けてくださりません?」
GM 改悟「なんで自分が達成できなかったことを、他人が達成する手助けをしなきゃいけないんで?」
麗香 「……塵内先輩の仰る通りですわ」
「でも、だからこそ先輩は知ってらっしゃいますよね? 最後の願いを叶えたいという想いが、どれだけ強いのかを」
GM 改悟「はっ」
改悟「は、は、あははは」
笑いだします。
改悟「お互い甘ちゃんっすね。どうも……ははは」
おかしそうに。
麗香 では、こちらはどのような顔をしたらいいのかわからず、とりあえず決意の表情のままでいます
GM 改悟「繰鐘サン、あれでしょう。その、レネゲイドって奴の力でしか、無茶したことないんでしょ」
と、指を向けてきます。
レネゲイドの力。ソラリスの力。
手を汚さずに、相手の脳髄を侵食する力。
麗香 「……その通りかもしれませんわ。この力は、生まれたときからわたくしと一緒でしたから」
GM 改悟「そんな上からで、覚悟云々言われてもひびかねっすよ」
するっと、彼はネクタイを外します。
改悟「素手で、とまでは言わないんで」
ネクタイを、麗香さんの前に置く。

改悟「そんなに必要で、そんなに欲しているのなら、奪って行くといいっす」

ぞっとするくらい、醒めた目。
苦しんで、悩んで、諦めて、絶望して、挑んで、それすら駄目で、失意のままに、全てを失った目。
麗香 「……こんな方法しかできなくって、申し訳ありません」
そっとネクタイを握ります
GM ネクタイを手にすると、するっと、扱いやすそうなワイヤーにそれが変わります。
麗香 「いつか、この罰を受けるときがあるとしたら、そのときは甘んじて罰を受け入れさせていただきますわ」
「あなたという存在を自分の都合で起こしてしまった罪。もうすぐ終わってしまうわたくしですが、決して忘れませんわ」
そして、泣きながら最後にぽつりと呟きます
「……これも、綺麗言ですわね」
GM 最後にって、何言ってるんですか。
麗香 ワイヤーで絞めて、それで終わりじゃないのですか?
GM 改悟「何一人で納得してるんで?」
麗香 「だって、わたくしには自分で納得することしかできませんもの」
GM 改悟「言葉はいい」
改悟「口答えもいい」
改悟は席を立ちます。
麗香 おお
じゃあ、首を絞めよう。ワイヤーの用途的に
ゴキっと折れるまで
GM 首にまわそうとすると、その手を握られます。
軽く押し返される。
改悟「あー、無力っすね」
麗香 「……?」
GM 改悟「そんなよわよわしい力じゃどうせ無理っすよ」
意地悪く笑われます。
改悟「覚悟を決めても、その程度じゃ」
改悟「後悔しても、自分で納得してもね」
嘲笑うように言います。
麗香 「では…、どうすればよいと?」
塵内くんに言われた、いつもの力『ソラリスの力』を使う用意をしてみよう
GM 改悟「無理ってことっすよ」
改悟「無駄ってことっす」
改悟「あんたも俺と同じように、どうせ目的は達成できない」
改悟「その、生まれつき持ってる『ずるい力』を使わなきゃ、なんにもできない甘ちゃんっすから」
と、力を使おうとしたのを察したように言います。
麗香 「無理で、無駄なんてことわかってるつもりですわ」
「でも、だからって足掻いてはいけないということはないでしょう?」
「足掻くのを諦めたいとは、思いもしなかったでしょう?」
GM 改悟「そうやって言葉で納得しようとしてるところが、もう駄目駄目なんで」
へらっと笑って。
改悟は麗香さんをグイッと引っ張り、
放ります。
麗香 「つまり、こういうことですの?」
と、改悟の顔をグーで殴ろうとするところをほうられます
GM がしゃーん。
学食の壁に叩きつけられます。
麗香 「やってくれますわね……」
GM 改悟「これ以上話しても無意味なんで。俺は帰るっすよ」
すたすた、と、その場を去ろうとします。
麗香 「待ちなさい!」
「わたくしは、わたくしのためにあなたの力が必要なんです!」
必死の形相で叫びます。
GM 聞きません。
彼が離れていくほどに、周囲の景色が蜃気楼のように揺らいでいきます。
麗香 「わたくしは…、わたくしは……!」
何も言えなくなって、うつむいて
《抗いがたき言葉》を発動させようとします
ついでに《錯覚の香り》と《蝕む声》つきで
意味はないけど
力しかない、と言われた麗香さんにお似合いの行動かな? と
GM 《抗いがたき言葉》ですか。まぁ、判定なされば?
侵食率は上昇させておいて下さいね。
ダイス 11R+2@8 = [7,3,9,8,1,8,1,8,8,4,5][10,8,4,7,5][3,6]<クリティカル>+2 = 28
10R = [6,7,4,5,4,4,8,10,3,3][10][8]<クリティカル> = 28
GM あ、抵抗。
ぴた、と歩みを止めます。
麗香 では、泣きながら改悟くんを見送る……?
「うっ…、うっ……」
信じていた自分の力を打ち砕かれて、惨めになって泣こう
GM 改悟「――だから、甘いんで」
改悟「あんた、何処かで負けることでも望んでるんっすか?」
改悟「そんなにすぐに諦めて……」
改悟「だったら本望っすね」
そんな麗香の様子を見て、肩をすくめます。
麗香 「……わたくしの望みは、勝つことですわ」
GM 改悟「……ホント、気持ち悪い」
改悟は、去っていきます。

――何故? 何故、力を使った。己の手を汚すという覚悟は嘘だったのか?

違う――何故。何故……、力を使うと決めたのなら、

最初から殺すつもりでいかなかった?

必要なのだから、奪い取ってでも――その覚悟こそが嘘だったのでは。

どの覚悟も達成できない。
中途半端。
中途半端な――。

私は、本当は何もかも、どうでもいいんじゃないか――?



GM なんもしないなら、そのままシーンカットです。
麗香 ん、なにもできないのでシーンエンドで。
GM はい。。




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