GM | さて、結花さんはどうなさいますか? |
結花 | えーと、せっかくGMが麗香さんを引き離してくれたのでご好意に甘えまして |
GM |
引き離して、というか。 まぁ、1階まで連れて行ったあと、尚君の様子を見に上に戻ったであろうことは確かですね。 |
結花 |
麗香さんが尚くんのところに往復しようとして、尚くんと合流して病院の入り口に戻ってきたら結花さんの姿がない …という入りでよろしいでしょうか? |
GM | 良いですけれども、その場合の演出はどちらがやるのでしょうか。 |
結花 |
いないことに気づくシーンまでは、尚くんとGMにできればやっていただきたいのです… いないことに気づいたあと、少し離れた場所の結花さんにカメラを移してもよろしいでしょうか? |
尚 | わかった。 |
GM | ほふ。 |
尚 | 病院の入り口に戻ってきたら〜、というところをやればいいのかな。 |
結花 |
はい、頼んじゃってすいません ありがとうございます |
GM |
で、ええと。 ま、そうですね。 |
GM |
人気のない、病院の受付フロア……。 照明も消えてしまい、外からの光のみでは非常に薄暗い。 そこに、声が聞こえてきます。 麗香「本当に大丈夫ですの?」 麗香「新垣さん、ご無理はなさらない方が身のためですわよ」 |
尚 |
「その分、あの世でゆっくり休むさ」 「ま、今はやらなきゃならない仕事が色々あるんで、そっちを片付けてからになるがな」 |
GM |
麗香「そう仰っるのなら……」 と、二人の人影がフロアに入ってきます。 麗香「……あら?」 |
尚 | 「ん? どうした?」 |
GM |
最初に気付いたのは繰鐘麗香。彼女の形の良い眉が寄ります。 麗香「たしか……そこのソファに。ええ。間違いありませんわ……意識を戻して何処かに行ったんですの……?」 きょろきょろと周囲を伺います。 麗香「……寝かせておいたはずの早乙女さんが……その、見当たりませんわ」 |
尚 |
「おいおい、またかよ。どうせまた剛さんと一緒だろ…」 「…っと」剛さんがもう死んだことを思い出し、口を閉じる。 |
GM | 麗香「剛って……永原さん? 縁起でもありませんわ」 |
尚 | 「悪い。ともかく、探すか」 |
GM | 麗香達がちょっとうろうろと周囲を調べ始めます。 |
結花 |
一方、そのころ――― 病院の入り口からは見えない外で、塀に背をもたらせて結花は座っていた 頭に響く、自分のものではない声。 ―――殺したい ――――殺したい そして、それに抗う自分の声 ―――殺したくない ――――殺したくない 衝動と理性のしのぎ合いに疲れた結花には、もはや立ち上がるだけの体力も残っていなかった 自分が変わっていく感触がわかる。なにかおぞましいものに変わっていくことがわかる。 もはや自由に持ち上げることすらできない手を地面にたらし、結花は屋上を見上げ呟く 「こんなの、イヤだよ……剛先輩」 応える声は、ない。 それでも、結花は屋上を見上げ続ける。 「ごめん、『その先の道』……見れそうになくなっちゃった……」 剛先輩への謝罪の言葉。 そして、結花が『自分』を諦めた決定的な言葉。 声が結花を蝕んでいく。理性を消し飛ばそうと、囁きを増していく 殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい 狂気にそまりゆく瞳をたたえながら、結花は呟く 「…そんなに、殺したいんだ」 「だったら、ちょうどいい相手がここにいるよ……」 うつろな声。 「剛先輩の願いも叶えられずに…、みんなを守ることさえできなかった……口先だけの自分が」 そう言って、結花は《破壊の爪》を使用する。 この変わってしまった町で、いままで自分を守り続けていた力。 殺戮の衝動という、狂気の雄叫びで自分を変えてしまおうとする力。 そして、いまから自分を殺す力――― 結花は、心臓に自らの爪を突き立てる。 段々と、その身体から力が抜けていく。 その視界が、薄れていく。 「四季先輩……」 結花の唇が力なく動く。四季奏の名前を呼んだあとの言葉は、あまりにも弱々しくて誰にも届かない。 ―――どうして、わたしはこんなに弱いのかな? ゆっくりと、結花の目が閉じる。 身体から、力が失われていく。 結花という人間の一生が、いま幕を閉じた。 |
結花 | 以上で! …やりたい放題やりました |
GM | お疲れ様です。 |
仁也 | お疲れさん。 |