第四棺

唯麗しきあの人の埋没the Vale of monochrome

Middle Phase 8
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   ■シーンプレイヤー:荒垣尚◆

GM ◆四季奏是色について、その三。
 
 ――人間は好きか?
 どのような文脈だったか。
 四季奏一切は、娘の是色にそう問いかけたことがある。
 ――うん、好きだよ。
 彼女は微笑んで、理由も述べずに、そう返答したそうだ。
 無邪気とも、爛漫とも、皮肉とも、冷笑とも、違う、表情で。
 ――そうか。
 
 その時のやり取りは、何故か深く記憶している。
 
 時間は経過し、ついにあの事が判明する。
 即ち、人類滅亡の未来、レネゲイドウィルスの正体。
 変貌の日はおそらく近く、早急な対応が必要で。
 最悪の場合には――是色の、
 娘の力を借りるしかないという結論に至った。
 
 力を借りる――?
 是色に任せる――
 背負わせてしまう――それが、正しい。
 
 私は、我々は、一人の少女に、命運をかける。
 
 ――頼めるのか?
 詳しいことはまだわからない。
 それがいつになるかはどうしても特定できない。
 しかし、是色の働きにかかっていることはわかる。
 
 ――大丈夫だよ。
 何でもないことのように、是色は応えた。
 
 ――誰も助けてくれないかもしれない。
 ――うん。
 ――誰にも理解されないかもしれない。
 ――うん。
 ――孤独な戦いになるかもしれない。
 ――うん。
 ――お前に全てを賭けることに……。
 ――うん、大丈夫。
 
 もう一度、是色は微笑んで――あの笑顔で応える。
 
 ――僕は人間だよ。
   みんなのことが大好きだよ。
 
 ――少し、普通とは違う存在なのも知ってるよ。
   僕のことは、なかなか理解してもらえないのも。
   僕が、みんなを完全に理解しきれないのも。
 
 ――寂しいこともあるし、苦しいこともあるよ。
   悲しいことも多いよ。
 
 ――けれど、だから、大丈夫。
   僕は役目を果たすから。
 
 ――任せて。
 
 “彩める空(monotone sky)
 四季奏是色は、そう呼ばれていた。




GM では、尚君のシーンです。
登場浸食どうぞー。
汚染は3です。
ダイス 9R+5 = [10,3,6,6,6,9,3,5,7][2]<クリティカル>+5 = 17
1D10+65 = [10]+65 = 75
増えた(笑)
GM あららー。(笑)
まあ望むところ。
GM さて、ではそんな話し合いをしてたところです。
支部長にクリスタルを渡して、お部屋を出たところかな。
しばし手持ち無沙汰ですが、どうなさいますか?
しばらくすることも無いだろうから、支部が現状どうなってるか見てまわりたいかな。
GM ふむふむ。
そうですね。
取り立てて、かつての支部と大きな違いはないようです。
使わないところの電力などは大幅にカットされているのと、
いる人間が激減していることを除けば。
一緒に来たメンツは、リビング……待合室に居るようです。
まずいコーヒーがただで飲める待合室です。
ただで飲めるんだから文句言うな、ってことか(苦笑)
GM はい。(笑)
まぁ、美味しいのが飲みたい場合は、
青藍さんに秋土青藍ブレンドを頼めばいい。
今作ってくれるかは謎ですが。
ダバダー ダーバ ダバダー ダバダー♪
ゴールドブレンドならぬブルーマウンテン。
GM ネスカフェCM。(笑)
良くわかったな私……!
すげぇ(笑)
記憶力良すぎる(笑)
じゃ、まあ、待合室に行くぞー(キコキコ)
GM 基本的にここの支部は、そこまで大きいものではないです。
ただ、
ある意味親族経営の支部なので、
四季駅周辺の施設に地下回廊で繋がっているというのが特殊且つ強みですかね。
今はその内の多くが潰れて(あるいは故意に潰されて)いるでしょうけれど。
なるほど。
まあ、ともあれ待合室に遊びに行こう。
「〜♪」優しく見守る私のこの手で眠りなさい、と“キミの記憶”のメロディーを口笛で吹きつつ。
「おーっす。元気にしてっかー?」と、場違いな明るさで部屋に入ろう。
何も知らない人が見たらどう思うだろうか。
つい数日前まで、平和で幸福な生活を送っていたであろう、普通の人々が、揃ってこんなに憂鬱な顔をしていて。
その真逆にいたはずの自分が、ただ一人、ニヤニヤ笑っている、というのは。
GM 待合室にはちょっとおしゃれなソファーが並べてありまして。
カガヤキ倶楽部や、元夜歌生徒の人達がそこで休んだりしてますね。
可愛子は色んな人と会話して回ったりしてます。
歯車君ははじっこで黙って座ってますね。
歯車「……」
ちらりと見ただけ。
可愛子「あ、新垣さん。やっほー(^o^;;」
「オッス、お疲れー。ったく、どいつもこいつもシケた顔してんなぁ」
愛車の古さをネタにするような口調で。
GM 可愛子「まぁまぁヽ(’’;」
可愛子「こんな状況だし、仕方ないよ(^-^;」
可愛子はそんな風に言います。
「まあね」と、肩をすくめて。
「だが、そうやって、いつまでも甘やかしてるわけにもいかないんだよなぁ…」
GM 可愛子「えーと、あそこのスペースならがらがらだよ」
休みに来たのかなーと、空いてるスペースを教えてくれます。
「ああ、いや。そういうんじゃないんだ」
GM 可愛子「ん?(・ω・ 」

ところでUGNの他のメンバーとかは知ってるのか? 世界滅んでるって。
GM 他の、と言いますと。
支部長改と俺以外。
GM 青藍はさっき聞かされた感じ。果実は知ってる。
麗香は知らない。
他雑多はほとんど知らないでしょうね。
それ以外の一般職員は?
GM あー
いや、支部に居た人間なら、多分教えてあるはず。
この場でしゃべっちゃいたいなァー全部!
自殺者続出する気がするけど。
GM まぁ、可愛子はそんな感じです。
積極的に話しかけて来てくれるのは、このスペースですと彼女くらい。
剛さんがいるのなら剛さんも来るかもですが。
まぁ、積極的に絡んで来る人間はほとんどいません。
じゃあとりあえず歯車だけにこっそり話そう。
というか、奴なら読むはずだ
まあ、そういうわけで歯車の方に行こう。
GM はい。
どんな風に話しますか?
そうだなー。

とりあえずニヤニヤ笑いながら「よう」と話しかける。
「元気そうだな、天才。俺が何を考えてるか、当ててみろよ」
GM はい。
歯車は軽く顔をそっちへ向けて。
歯車「なんですか、先輩。言いたいことが在るのなら、言ってもらわないと解りませんよ」
「今更何を。白々しいなぁ」
GM 歯車「コーヒー、まだ出るんですよ。驚きですね」
そんなことを言って、紙カップを啜ります。
歯車「まずいですが」
「そりゃ機械だからな。原料と燃料があれば、壊れるまで動くさ」
「たとえ人類が滅びてもな」
「ああ、もう滅んでたっけ?」あはは、と短く笑う。
GM 歯車「……」
ずず。
歯車「はぁ……、成功率は低そうですね」
それだけ言います。
歯車「厳密には、ここに数十名だか、あるいは街に数百名だかのこってますけれどね」
歯車「まぁ、世界規模で言えば数千か……あるいは、万くらい残ってるんじゃないですか」
「まあね」
「ただ、その程度の人数では農業、畜産を初めとする第一次産業はもちろん、工業、建築、医療サービス、教育などのレベル維持は難しい」
GM 歯車「でしょうね」
「加えて、エネルギー源がない以上、コンピュータ媒体は大方鉄くずだし、本もそう長持ちはしない。これまでの文化や技術のほとんどは、遠からず失われるだろう」
「まあ、良くて原始時代に逆戻り、悪くて絶滅ってとこだな」さらっと言って。
「遺書でも書くかい?」
GM 歯車「遺書? はっ。僕をからかっても面白くないですよ」
歯車「安心でも得たいんですか?」
歯車は聞いてきます。
歯車「僕にそれを言うことのメリットはそうないでしょう」
「安心? …ま、自己満足ではあるかな」
GM 歯車「自己満足ね」
空になった紙コップを弄びます。
「だが、お前、ちょっと考えてみろよ」
「延々、このことを隠し続けろってのか? 全員死ぬまで」
「患者にガン告知をしないことを選んだ家族の気分がわかるよ、まったく」
「どっちもどっちだ」冗談めかしてそう言い、苦笑いを浮かべたまま肩をすくめる。
GM 歯車「その様子だと、『上司』は別に口止めしてないんでしょう」
歯車「貴方が自主的に話してないわけだ」
「まあね」
「いや、さすがに集団自殺されたくはないからな」
GM 歯車「つまり、二次的に起きる『面倒くさいこと』を思うと話せない。けれどその罪悪感と、話さないことによる後々の絶望も見える」
歯車「狭間で不安定な貴方は、僕を話相手に選んだ。それだけなら何の問題もないですよ、先輩」
「当たらずとも遠からず、だな」
「罪悪感は感じてない」きっぱりと言い切る。
「お前こそ、いつまでヘソ曲げてるつもりだ」
GM 歯車「はい?」
「不安定なのはそっちじゃないか? 効率は神様、感情は非合理的。自分の力だけで生き残ってみせるんじゃなかったのか」
GM 肩をすくめます。
歯車「自分の力だけ? みんなの協力があったから、僕はここまで生き残れただけですよ」
「うわ、嘘くせぇ」
「そういう“綺麗なもの”を見せ物にする時って、大体タテマエなんだよな」
「第一、そういうことを自分で言う辺りがもうねー」
「ものすごくうさんくさい」
GM でしょう、と言って、空のカップを丁寧に折り畳みます。
歯車「でも、結構これがついて来るんですよ」
「まあ、一種の信仰だからな」
「誰だって綺麗な物は好きさ」
GM 歯車「人間、他人を信じたがりますからね。信じると気持ちいいんですよ。いい人になったみたいで。気持ちいいことは率先してやります。人間ですから」
歯車「ボランティアに賃金が要らない理由です」
歯車「彼らはただ、『ボランティア』『人助け』という勲章が欲しいんですよ」
「ま、誰だって、人助けをして喜ばれるのは嬉しいからな」
「個人的満足が金銭的な報酬の代わりになってるんだ」
まあ、どこへ行ってもいるけどな。自分が救われるために他人を救おうとする奴は。
それ自体が悪い訳じゃないんだが、そういう論理でいくと、失望させられた相手に“せっかく助けてやったのに!”って言い出したりするのがちょっとアレなんだよな。
GM まぁね。(笑)
「自分が何かしたら、金なり感謝なり、いい結果が出てほしいと思う。まあ当然だな」
「誰でもそうだ」
GM 歯車「……」
小さく折り畳んだ紙コップを、ゴミ箱へ放ります。
「逆に、何をやってももう駄目、となったらやる気をなくす」
「今のお前みたいにな」
「とてもとても普通のことだ」
「普通すぎてつまらない」
GM 歯車「別に僕はエンターテイナーじゃないですよ」
「エンターテイナーにはなれない、に訂正したらどうだ?」
「お前なぁ、いつまでも自分ばっか見るなよ」
「自分はアレが欲しい、自分の願いを叶えたい、自分は救われたい、死にたくない」
「そうやって、いつも最初に“自分は自分は”って言うから、こういう“どうしようもない”状況になった時に、どこにも行けなくなるんだ」
まあ、だからといって、“自分の命より大事な物を持てば全部オッケー人生ハッピー!”っていうような単純な話でもないけど。
GM 歯車「自分ね」
今度は説教ですか、って言う顔をします。
「まあ聞かなくていいけど」どうせ俺が喋りたいだけだし。
歯車が考え方を変えるならそれはそれでいいが、聞く耳持たないっていうなら、それは歯車自身の選択で、俺が口を挟んでもしょうがない、って思うし。
GM 歯車「まぁ、最初はわくわくしたんですよ。本当のことを言うとね」
歯車「途中からうすうす気づいてましたが」
歯車「そうすると今度は、引き下がれないことに気づく。いや、引き下がってもいいんですけれど」
歯車「俗に言う、過去にしがみつくって奴ですか」
歯車「その段階を超えて、さらにどうしようもなくなって来ると、折り合いがつかなくなって、怖くなるんですよ」
歯車「一般的に言われる『悪いこと』なんて意識はそもそも無かったし、今も無いんですけれど」
歯車「所業のしっぺ返しが来そうな気がして、ただ怖い」
歯車「その段階すら超えると、まぁ……もう、どうでも良いですね」
「あー、わかるわかる」
「否定、怒り、取引、鬱、受容」
「“死の受容のプロセス”みたいなもんか?」
GM 歯車「過去のお偉いさんがそれをどう定義づけたかは知らないし、どうでもいいですけどね」
歯車「遠くはないんじゃないですか」
「そうだな」
「まあ、別にお前をどうにかしたかったわけじゃないんだ」
「最後に自分を救えるのは、結局のところ、自分だけだからな」
「“ピンチの時に誰も助けてくれない”? いいや。“誰も助けられないのが本当のピンチ”なんだ」他人があれこれ言えばどうにかできるわけじゃない。
GM 歯車「はい」
「まあなんだ。俺の暇つぶしにつきあわせて悪かった」
GM 歯車「全くです。と言いたいところですが。ま、いっすよ」
「口の減らない野郎だなぁ」
「まあいいさ。壁にむかって喋るよりはだいぶいい」
GM 歯車「口先だけでここまで生きてきてますから」
歯車「貴方と同じです」
「褒められてるわけじゃなさそうだな」片眉を吊り上げて笑みを浮かべ。
「ま、貶されてたとしても、知ったこっちゃ無いがな…」
と、言いつつ可愛子の方に向き直って。
「おーい」と、可愛子に話しかけよう。

GM 可愛子は、ちらちらとこっちを気にしてたらしく
びくっとした後、
ちこちこと近寄ってきます。
可愛子「なっ、何かなっ!(^−^;;」
可愛子「なんか難しそうなお話してたよね……(・ω・`」
「ああ、いいんだよそんなのは。ただの趣味だから」
「そういや、さっき思いついたんだけど」
少し考え込んで…
「畑つくらないか?」
GM 可愛子「畑っ!?」
返答に困ったように、歯車君の方を見る可愛子。
「そうそう、畑」
「持久戦するなら食い物つくらねーと」
保存食だって無制限じゃないし、早めに作らないと無くなるからな。
GM 歯車「……」
可愛子「え、え? えっと、いつ? 外に出たら?」
「今すぐ」
GM 可愛子「……(OoO」
「一応、聞くけど。お前、畑の作り方、知ってる?」
GM 可愛子「し、失敬な」
可愛子「土に、種を植える!」
「この辺り一帯、コンクリートやアスファルトで覆われてるんだけど、それはどうする?」
都市だから、露出した地面はあまりないよな。
GM 可愛子「……(−へー」
可愛子「力持ちの人にアスファルトをはがしてもらう。(−x−;」
「(にやりと笑って)悪い、これ、引っかけ問題なんだ」
GM 可愛子「(・□・;」
「普通のアスファルトを長期間敷くと、土壌の生態系バランスが狂って、地中の微生物と栄養素が激減する」
「植物の生育には適さない土になるんだ」それでも雑草が生えてくるのはまさに驚異。
GM 可愛子「へー(・v・」
「だが、普通はそんなこと知らないよな」
「他に、米の炊き方は知っていても、どれくらいまで稲が育てばとっていいのか、どうやってとればいいのか、どうやれば食えるようになるかも知らない」
GM 可愛子「うん」
「コンビニやスーパーに行けば食い物はある。道路に出れば車が走ってる。ビルもマンションも勝手に建つ」
「だが、誰も、それが何から、どうやって作られたかまでは知らない。自分で作ることができない」
文明が発展して、分業が進んだ弊害とでも言えばいいのだろうか。
「だが、ちょっと考えてみてくれよ」
「自分で食う物すら、自分で用意できない――」
「それって、“やっとのことで他人に生かされてる”ってことじゃないか?」
仕事をして金を稼ぐ等、何かをしていなければ、親鳥にエサを恵んでもらうヒナ鳥と変わらないのではないか。
GM 可愛子「そーですねー(^▽^」
へぇボタンを押す真似をします。
「そういうのはさ、止めようや」
「もうそんな余裕はないんだし」
「自分くらい、自分で生かそうぜ」
GM 可愛子「むむ(・ω・´」
「で、そのために、まずは自分たちの食い物を自分たちで作ってみよう、ってわけだ」
「…まあ、放っておくと確実に食料難になる、って方が切実ではあるが…」
GM 可愛子「成程?(・〜・;」
ピンとこない顔をしてます。
「そこは“土から離れては生きられないのよ”って言って欲しかった」
GM 可愛子「ごめん、元ネタが不明だわー。タハー(/▽\」
「ラピュタも見てねーのか平成世代。ってお前、俺の一つ下か」信じられねーけど(笑)
「まあそれは冗談だ」
「だけどな」
「とりあえず、畑を作るってのは本気」
「“自分の力で、何がどこまでできるのか”。それがわかるのは、大事なことだと思うね」
生まれた時からなんでもあって、そこにあるのが当たり前。
だから俺たちは、いつの間にか、“生き方”を忘れてしまったんじゃないか。
かつて、自分の手足がある有難さに、まったく気がついていなかった、自分のように。
自分の足で立ち上がり、自分の手で道を開く。自分の力で生きていく、その、やり方を。
…だが、今ならまだ間に合う。
そう思いたかった。
GM 可愛子「うーん」
可愛子「可愛子よくわかんないけど、なんでそんな話するの? 気まぐれ?(・ω・」
「半分は暇だから」
「もう半分は、“前はやろうとも思わなかった事”だからかな」
GM 可愛子「……(@@」
「“どうせ死ぬなら最後に派手なことをしたい”って言えばわかってくれっか?」
「もう、大抵の事はどうでもいいわけ」だからもうすぐ世界が滅ぶと知っていても馬鹿みたいに明るくしていられる。
GM 可愛子「わかんないっ(^▽^」
「あ、そう」がっくりと肩をおとす。
GM 可愛子「キャハ、マジウケルンデスケドー(^▽^」
「壊れるな」(汗)
「まあ…なんだ」
「ただ単に、俺はさ。この状況を作った神様でも、容赦ない現実でもなんでもいいんだが――」
「死ぬ前に、そいつを、一発ブン殴ってやらないと気が済まなくなった。それだけだ」
「他の事ぉ? 知るか!」
GM 可愛子「ふーん」
ぱちくり。
可愛子「新垣さんの話は何だかピント合わないけど、可愛子、わかったことがあるんだ」
ソファーに、足を揃えて座って、言います。
可愛子「可愛子、ひとりじゃ生きていけない!」
可愛子「あはー(^▽^」
「そっか」
GM 可愛子「も、マジで、マジでー、泰平君を始め、カガヤキ倶楽部の人達含め、迷惑掛けまくりっす」
可愛子「ぶっちゃけ、可愛子のミスで死んでった人達とかいっぱいいるだろうし、マジ顔向けできねっす」
「そっか…」
GM 可愛子「自分惨めで死んだらどんなに楽かって、10秒おきにマジ思うっす」
「そうか」
GM 可愛子「けどさー(・ω・」
可愛子「さらにはっちゃけ、それ普通じゃね?(-_-;」
「まあよくある話っちゃそうかも」
いや、前の環境であれば、個人のミスでそんなにバンバン死者は出ないと思うが。まあ言いたい事はわかる。
GM 可愛子「まー、こんな状況になってやっとそういうこと言えるってのも、可愛子相当バカだけど」
可愛子「ホントほんと、可愛子、助けられまくって生きてるし」
可愛子「でもでも、その助けてくれてる人達がさ、『可愛子ちゃんのお陰だよ!』って言ってくれるんですよ。マジで」
可愛子「いや、可愛子なんもしてねーっつー」
「そうかい」
言いつつ、頭に、歯車との会話がうかぶ。
GM 可愛子「けど、もしかしたら他の人も、『なんもしてねー』つもりで、可愛子のこと助けてくれてるんじゃないかなって」
可愛子「こうなる前もそうだったんじゃないかなって」
自分にとって大したことじゃなくても、他人にとってはとても大切なこと、か。それはあるかもな。
GM 可愛子「だから、落ち込んでる場合じゃないし。可愛子マジ馬鹿に見えるかも知んないけど、ほら」
可愛子「可愛子が馬鹿やってたら、みんな少しはテンションあがるっしょ(^▽^ 」
可愛子「可愛子、みんなの笑顔ないと超マジ死ぬから」
可愛子「アレ。みんな別に死にたいわけじゃないでしょ。生きたいでしょ。生きたいけれど苦しいから死にたいって思うわけで、じゃ、生きてんじゃん、みたいな、よくわからん(@@」
可愛子「まー」
可愛子「疲れてんなら、可愛子が『みんなの歌』歌ってあげるから、ぐっすり眠ると良いよ(^▽^ 」
そう思う。
って言って、中途半端に可愛子が締めくくります。
「ああ…、俺は“月のワルツ”で頼むわ」これまでずっと顔にはりつけていた満面の笑みを、少しだけゆるめて。
GM 可愛子「おお(@@」
名作知ってるなーって言ってます。
まぁ、そんな感じで。
ふと、尚君の視界が、
待合室の外をふわりと通り過ぎていく是色を捉えます。
「ん?」
GM ちらり、と。
彼女は扉の窓からこちらを見て、ゆるりと微笑むと、
そのまま去っていきそうに見えます。
ひい、窓に、窓に!
馬鹿な、ここは10階だぞ!
GM 室内の、扉の窓ですから。
ちっ
GM (笑)
地下ですから。(笑)
デスヨネー(笑)
まあ、待合室はもう良いだろ。可愛子に別れを言って、是色を追いかけるか。
GM はい。
「そんじゃなー。畑の話、マジで考えておいてくれよ」と言い残して部屋を出よう。
GM 可愛子「はーい」
では、何だか是色に引っ張られるように、
尚君が部屋を出たところで。
シーンカット。




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