第四棺

唯麗しきあの人の埋没the Vale of monochrome

Middle Phase 7
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   ■シーンプレイヤー:早乙女結花◆

GM ◆UGN日告市支部支部長:冬水真冬
 
 冬水真冬は一度死んでいる。
 比喩ではなく、実際に落命している。
 その後リザレクトで生き返ったわけでもない。
 オーヴァードの限界として、死んだのだ。
 
 それはUGNの任務の最中の出来事だった。
 当時エージェントだった彼は、己の死にそれなりに納得していた。
 ああ、力が足りなかったと。
 幼馴染の、自分を信頼してくれた青藍には悪いことをした、と。
 その程度の認識と、落胆だった。
 
 しかし、彼は生き返った。
 彼の複製体(デュプリケイト)――つまりクローンである、
 冬水真水の身体に、全てを移し替えられたのだ。
 記憶も、人格も。
 違うのは、身体的な年齢だけだった。
 
 もともと、そういう実験の段取りだったらしい。
 そう、実験だ。成功の保証はない。
 同意書にも間違いなくサインした。
 けれども、実際にそれが行われ、しかも成功するとは。
 真冬自身、驚きであった。
 
 UGNは発展途上なのだな、と、
 自分を弄ばれて、真冬は強く感じた。
 そして、だから。
 彼は支部長に就任して、
 新垣尚に小隊の設立を持ちかけたのだ。
 
 発展途上のUGNは囲いを作ってはいけない。
 囲いの内の園――平穏で安穏な箱庭を作りたいわけではない。
 我々は、社会に迎合し、そして新たな社会を作る。
 ならば――常に既存の枠に疑問を投げかける存在が不可欠だ。
 それがなければ、UGNは腐る。
 思惑はそんなところだった。
 
「――などと、過去を懐かしく思うのは、
 疲れている証拠だがね」
 呟く。
 崩壊した世界。人類という幻想。
 だのに、冬水真冬の仕事はまだ終わらない。
 
 良いのだ。
 何事も発展途上だ。
 途中から始まり、途中で終わる。
 つまり、常にあがき続けなくてはならない。
 そうして彼は生きていた。
 
「新垣君はやはり、
 UGNにとって――人類にとっての逸材だった、と、
 そう言わざるを得ないだろう」
 彼は、皮肉そうに――あるいは心底楽しそうに、
 また呟いて、笑ったのだった。
 
「無力だな、我々は」




GM 次のシーンは結花さんの予定です。
汚染は3レベルで。
ダイス 8R+5 = [8,1,10,4,4,2,4,10][1,1]<クリティカル>+5 = 16
1D10+64 = [8]+64 = 72
GM 問題ないですね。他のキャラは登場しますか?
これはどんなシーン?
GM 基本的に交流シーンです。
結花 麗香さんは出したい…な。
対汚染判定します
ダイス 10R+4 = [5,5,6,2,9,6,5,10,10,5][7,3]<クリティカル>+4 = 21
1D10+91 = [8]+91 = 99
結花 これでもうリザレクトはできない…と。
GM 麗香さんなんでもうそんなに。(笑)
結花 …ほら、あの戦闘で。
仁也さんのサポートをしておりましたので
麗香さん、コストパフォーマンス悪いんですよ。


GM さて。
では、尚君が支部長室に入った後です。
結花 結花はさっきの歯車くんと可愛子ちゃんとのことが気まずいので、少し離れたところで壁に背を預けて体育座りしてます。
結花ェ…(笑)
GM 声をかければいいのでしょうか。
結花 はい。それでお願いします。
GM って言うか、さっき隣に居たような。
麗香さんがため息をついて。
麗香「……何と申しますか、早乙女さんってこう……ああ、ま、いいですわ。何してらっしゃるの」
何かイライラをぶつけようとしたけれど面倒くさくなったのか、麗香さんがそんな調子で話しかけてきます。
結花 「えっと……。なんていうか、可愛子ちゃんたちのところにいづらくって……」
もちろん、視線の先は歯車くんと可愛子ちゃんです。
GM 麗香「はぁ」
まぁ、可愛子たちはとりあえず休んでます。
支部の待合室というような空間。
独自の発電装置が在るのか、地下ですけれど電気は通っています。
結花 「わたしたち……、これからどうなっちゃうのかな?」
GM 麗香「さぁ。存じませんわ」
結花 「存じませんわ…って、麗香ちゃんは不安じゃないの?」
GM 麗香「不安かどうかで言えば不安ですわ。けれどどうなっちゃうかなと問われても存じませんわ」
結花 「いままでだって、いろいろと危険なことばっかりだったし。あの悪魔みたいなヤツがいっぱいいるかもしれないんだよ…」
「麗香ちゃんも見たんだよね。あの悪魔を」
GM 麗香「ええ。とは言え、交戦はしておりませんけれど」
結花 「……本当に、逃げ切れたのかな」
GM 麗香「逃げ切れた、とは?」
腰に手を当てて。
結花 「病院の秘密のエレベータでここまで来たけど、それであの悪魔から逃げれたのかな?」
「……わたし、怖いよ」
GM 麗香「……」
結花 「あんなの相手に、みんなを守りきる自信……ない」
戸惑っている麗香ちゃんに追い討ちをかける!
GM 追い討ち?
麗香「ええと……」
結花 「歯車くんに出会って、わたしわかったんだ」
GM 麗香「はぁ、何がおわかりに?」
結花 「いままで、死んでいった人たちの代わりにみんなを守るって言ってきてたけど……」
「本当は歯車くんのやり方を認めたくなくって、だからみんなを守ろうとしてたんだ、って……」
GM 麗香「まぁ……三枝君のやり方はショックだったかもしれませんわね」
結花 「でも、歯車くんはみんなのために泣いてて……。それで、どうしたらいいのかわからなくなっちゃった」
GM 麗香「彼が……?」
麗香「想像できませんわね」
結花 「…そう、だよね」
「でも…、見ちゃったから」
GM 麗香「そうですか」
結花 「みんなのことは大切だし、守りたいって思ってる。でも、それじゃなにか違うって気がしてきたんだ」
GM 麗香「成程」
麗香は隣に座って一応話を聞いてくれてます。
結花 「なにが違うのかはまだわからないけど。だけど――」
「それを知るためには、やっぱりみんなを守らないといけないって思うんだ」
「だから、麗香ちゃん。教えて」
GM 麗香「……は、はぁ。何をですか?」
結花 「この力のこと、この力の使い方、あの悪魔に再び出会ったときに少しでも役に立ちそうなことを―――」
結花は真剣に身を乗り出して麗香の腕を握っていよう。
GM 麗香「……」
神妙な顔をします。
是色「何してるの?」
麗香「――きゃ」
麗香さんの反対側の、結花さんの隣に、突然是色です。
是色「早乙女さんが繰鐘さんに迫ってるの?」
麗香「四季奏先輩……いや、そういうことではなく」
結花 「あ、四季先輩」
「えっと、あの、その。これは……」
慌てて手を離して
麗香から離れます
GM 結花さんの首に、是色は緩やかに腕を回します。
是色「早乙女さんは僕のだよ」
結花 「えっと…え? 四季先輩!?」
GM 麗香「はぁ……って、え?」
是色「激しかったあの夜の君のことを僕は忘れない……」
結花 「えっとえっとえっと……! え!?」
GM と言って、結花さんのほっぺをちろりと舐めます。
麗香「ちょ、ちょっとちょっと、そういう脈絡でしたか!?」
是色「冗談」
ぱ、と、是色は結花さんをはなします。
結花 では、離されたことにちょっとほっとしながら
「四季先輩、大丈夫そうで良かった……」
GM 是色「レネゲイドウィルスについて訊くなら、専門家に聞いた方が良いんじゃないかな」
麗香「専門家……って、もしかして、夏火さんのことですか」
是色「うん。今、瀧さんのメンテナンスをしてるはずだから」
麗香「……まぁ、あまりお勧めはしませんが」
結花 「れねげいとうぃるす……って?」
「えっと……」
GM 是色「こっち」
と言って、是色が手を引きます。
結花 いきなり知らない単語と名前が出てきたので、戸惑いながらも四季先輩に手を引かれるまま歩き出します
部屋から出るときに、可愛子ちゃんと歯車くんのほうを少しだけ振り向いて
それから、部屋の窓から外を見るという演出をしてから。
GM 地下なので、残念ながら窓はありません。
結花 おや。じゃあ、天井を見ていたということで。


GM さて、とある部屋に引っ張ってこられます。
研究室っぽい部屋です。
足首までもあろうかという長いストレートヘアの女性がそこに居ますね。
背を向けて、とある機械をいじってます。機械は割と大きめ。
まぁ、大きなガラス管が中心に添えられてる感じだと思って下さい。
結花 「こんにち……は?」
作業中みたいなので、声をかけていいのかどうか迷いつつ。
GM 気付いて、振りむきます。
白衣、猫背ぎみ、そして馬鹿にしたような学者帽。
右目が何故かねじ止めされていています。
結花 「ひっ……!」
ねじ止めされた右目に悲鳴をあげておこう。
GM 果実「……やあ」
是色「夏火果実さん。レネゲイドウィルスの研究者さん。こっちは早乙女結花さん。僕の後輩」
果実「ああ――夜歌学園の子ねん」
果実「よろしく」
結花 「え、えっと、えっと……よろしくお願いします!」
盛大にお辞儀をしておきます。
GM それだけ言って、
お辞儀をほぼ無視して、機械をまたいじり始めます。
かちゃかちゃ。
結花 四季先輩の顔を見ます
「えっと、その……」
GM 是色「夏火さん、この子先日まで一般人だったので、教えてあげて下さい」
果実「ふぅん……アレで目覚めたクチねん。何を教えるのよ。女同士の愛の形?」
BLだけじゃなかったのかよ(苦笑)
結花 「え、えっと、その……」
GM 果実「結花ちゃん」
果実「めしべとめしべじゃ子供は生まれないんだよ」
果実「おしべとおしべなら生まれるけれどね」
麗香「生まれませんから!」
結花 「……めしべ?」
「……おしべ?」
首を右に左にひねっておきます。
GM 果実「麗香ちゃん、やおい穴ってのを知らないのん?」
麗香「知りませんわ」
果実「男の子も妊娠するんだよ」
麗香「しませんわよ!」
結花 頭に満天のハテナマークを浮かべます。
GM 是色「面白い人でしょ」
と、結花さんに。
結花 しかし、そこにはハテナハテナな結花さんの姿が!
GM かちゃかちゃ。
かち。 ぶーん。
と、装置を動かして。
果実は今度は全身で振りむきます。
果実「よいわよ。わ・た・し・が、BLについてご教授してあげるわん」
結花 「BL?」
GM 果実「禁断の甘い果実を、貴方も食べたいというのね」
カツカツ、と近づいてきます。
結花 「???」
GM 是色「いや、レネゲイドウィルスについてですから」
果実「なんだ」
麗香「……この人疲れますわ」
と、結花さんの後ろに隠れている麗香さん。
かつん、と結花さんの前に立ち止まって、果実は研究室の椅子を指します。
果実「とりあえず座ったら? 教えてあげるわよ」
結花 「座れってことですよね…?」
座ります。
GM 果実「まぁ、普通に説明しても詰まらないから」
と言って、部屋の隅の段ボールをあさってきます。
果実「あったあった。昔、わ・た・し・がぁ、描いた論文なんだけどね」
と言って、同人誌を渡してきます。
結花 渡されたなら、受け取ります
文より絵が多い論文…だと?(笑)
GM 何か論文と言われましたが、なんか同人誌に見えます。なんか。
『二人ならやれるぜ♪』みたいなタイトルです。
マテこら(笑)
結花 しかし、結花は同人誌を知らなかった!
ぱらぱらっとめくって見ます。
GM 果実「いい? そこに登場人物が書いてあるわよね。12人」
果実「わかりやすいようシンドロームを擬人化したものなんだけど」
果実「彼らがカップリングを作って、オーヴァードになるのよん」
果実「ピュアブリードは自家発電ね。それもそれで強力で……、ひとりのやり方って二人の時よりマニアックだったりするわん」
みたいに、解説をしてくれます。
結花 どんなのが描写には書いてあるんだろう…
GM そこ詳しく突っ込むの!?(笑)
結花 いや。描写次第では結花さん気絶しますし。
GM え、ハードなの駄目?(笑)
まぁ、ベッドイン描写は少ないですよ。
あ、勿論シンドローム君達はみんなイケメンです。
結花 じゃあ、顔を真っ赤にさせながら読んでいよう。
「これもみんなを守るため……みんなを守るため………」
GM 麗香「ちょっ、これはなんですの……、ふぉおぉおお、は、破廉恥ですわっ! いやぁあ、そんなことまで、って言うかこれはレネゲイドウィルス学会への冒涜ですわ、ぉぉおおおお」
麗香「さ、早乙女さん早乙女さん、次、次のページを早く、あ、いえ、ほら、わたくしも正しい知識をつけ直す良い機会だと、……え、そこでそう転ぶんですの? いや、エンジェルハィロゥさんマジエンジェルですわ! いや、押し倒しなさいキュマイラ、そこは行っちゃっていいんですのよ!」
隣で五月蝿い麗香さん。
わけわかんねー(笑)
結花 そんなことを気にする余裕もない早乙女結花。
そして、麗香は思い出す。
昔、教室で男子がエロ本を読んでいたときに、結花が顔を赤らめてそれを取り上げて先生に報告したことを
GM (笑)
というわけで。



* * * * * * *



GM レネゲイドウィルスのことが良くわかりました。
結花 読み終えてぐったり。
椅子に腰掛けたまま、緊張が解けたかのように気絶します
「………がくっ」
GM 果実「これ、学会には見向きもされなかったんだけど」
麗香「理解がありませんわね……」
果実「全くだわん」
麗香よ、属性増えてんぞ(笑)
GM BLが嫌いな女子などいませんわ。
…なん、だと?(笑)
結花 はいはい。
GMの妄言はそこまででいいから
GM 是色「早乙女さん?」
結花 悪夢にうなされておこう
GM 結花さんから反応がないので、
是色「ちょっと、僕はお散歩」
是色はそう言って退出。
麗香さんは結花さんを起こします。ソラリス簡易エフェクト。
麗香「ここで眠るとさすがに迷惑ですわ」
結花 「えっと…なにかとんでもない悪夢を見てたみたいな……」
GM 果実「夢心地ってやつねん」
結花 首を振っておきます。
まだ寝ぼけてるので。
GM 果実「――で、レネゲイドウィルスについてはわかったと思うけど?」
話を戻します。
結花 「えっと……」
手元の本に目を移して、なにかを思い出して眩暈を覚えながら
「えっと、たぶん」
自信なさげに応えます。
GM 果実「知りたいことは全部? 結花のお嬢ちゃん」
結花 そういわれても答えられないなぁ…。ただ、漠然と知りたいと思っていただけなので。
GM 一応、オーヴァード・ジャーム・シンドローム各種・レネゲイドウィルス・浸食率・UGNなど
そのあたりは一通り知ったことにして良いです。
結花 了解です。でも、結花自身はまったく知らない分野なので自信なさげ。

「…それで、めしべとおしべって?」

と、結花さんの疑問がむなしく響きましたとさ。
早乙女結花、生物34点
保健体育じゃねーの?(苦笑)
結花 植物じゃねーの?
GM 例えが通じなくて詰まんない。(笑)
シーンカットです。




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