GM |
では、次に行きましょう。 次は尚君です。 よろしいですか? |
尚 | 了解。 |
GM |
では、ハンドアウト。 PC2 新垣尚(あらがき たかし) ――いったい新垣尚君は、何故UGNに居るんだい? そうさ。ここに居る『必要』など無い。 私達は優秀な君に、是非力を貸してもらいたいとは思っているがね。 ふむ――ものは相談だ。君――部隊を率いてみないか―― 回想。記憶。つまらない、感傷。支部長の言葉。 ――おはよう、初めまして。 僕は四季奏是色だよ、君のクラスメイトだよ。 君ってなんだか、歪んでるけれど真っすぐだと思う。 きっと、君の重力は斜めなんだね―― 出会い。別れ。そうして、目を開ければ、病院が見えた。 シナリオロイス:下記の二つから選択 ・冬水真冬(ふゆみず まふゆ) 推奨感情P/N:誠意/憤懣 ・四季奏是色(しきそう ぜしき) 推奨感情P/N:感服/無関心 |
GM |
汚染レベルは3です。 対汚染どうぞ。 |
ダイス | 8R+5 = [7,5,4,1,2,3,7,10][7]<クリティカル>+5 = 22 |
尚 |
問題なし。 浸食率 |
ダイス | 1D10+30 = [7]+30 = 37 |
GM |
お見事。 では、この間のOP直後からで良いですよ。 |
尚 |
わかった。 えーと、こちらから始めた方がいいのか? |
GM |
適当なころ合いで、 結花さんをほっぽって、ちょっと疲れた様子で青藍さんが近寄ってきます。 |
尚 | わかった。 |
結花 | ほっぽとかれた結花さん |
尚 |
いや、出てもいいけど、浸食率上げたいか?(笑) まあ、とにかく… |
GM |
はい。 |
尚 |
尚は、やっとのことで列車の壁を這い上がり、床にどたっと転がった。 グェっ、と、カエルが潰れたような声でうめく。 その右肘から先はなかった。 両足も、というか下腹部から下もなかった。 後は右耳、右半身の皮膚、 そして何より、今の俺は、目が見えなかった。 利き腕でない方の腕だけで、よく壁を乗り越えて戻ってこられたものだと思う。 …まあ、別に、死んでもよかったのだが。 「痛ってぇ………」 全身のレネゲイドウィルスが活性化し、傷が、少しずつふさがっていく。 「辛い分、ワリにあわねぇ」自虐的な笑みを浮かべる。 怪我をするのはいつものことだった。そしてすぐに治るのも。 尚にとって、生死は、その程度の軽さしかなかった。 しかし… ふと、気がついた。 傷はふさがっていくが、今は、ふさがる“だけ”――つまり、視覚、右耳、右腕、下半身が失われたままだということに。 「………」気づいた瞬間、愕然とした。 この街の状況によるものか、それとも回復量の限界を超えたのか…、それはわからなかったが。 少なくとも、今の自分に残された選択肢は、ただ、真っ暗闇の中、地面をはいずることだけだった。 |
GM |
では、そこに秋土青藍さんが近寄ります。 青藍「……何をなさってらっしゃるのですか、“Light”」 冷静な声。 手に、ひんやりとした感覚を感じます。 どうやら、彼の手が触れたようです。 |
尚 |
「うぅ……」 ずるずる。 オルクスの能力と、聴覚はまだ残っているので、おぼろげながら、そこに青藍がいて、どうしているかくらいはわかった。 「死にてぇ…」 |
GM | 青藍「とは言え、良く生き残ったと言わせて頂きたいところで御座います。『なりかけ』とは言え、“Powder”相手に」 |
尚 | 「……。…作戦を立てる時間は、腐るほどあった」 |
GM | 青藍「左様で」 |
尚 | 「あいつと会ってから…、俺は、ずっと、あいつを殺す手段を考えてきた。あいつがジャーム化した時のために」 |
GM | 青藍「……さすがは、新垣小隊の隊長でらっしゃいます」 |
尚 |
だが、それは、言い訳だった。 単に、他人から拒絶されるのが恐ろしくて、“ならこっちから避けてやる”とばかりに距離を置くための、言い訳。 「そして、その計算通りに俺は灯りと殺し合い、勝って生き残った、ってわけだ。笑える話だ」 まさに、“願いは実現する”といったところか。最悪な皮肉だ。 |
GM |
ぐっと、持ちあげられる感覚。 青藍さんが、中の方へ連れて行ってくれてるようです。 青藍「……」 閉ざされた視界。 |
尚 | 「青藍さん、俺はわかった気がする」 |
GM | 青藍「……何が、で御座いましょうか?」 |
尚 | 「辛い目にあいたくないからって、自分の中に閉じこもったり、自己中心的になればばるほど――人間は、“底なし沼”にはまっていく」 |
GM | 青藍「……」 |
尚 |
「人はいつか死ぬから。自分一人では、どうあがいても、最後には、負ける」 自分が不利な状況で、いつまでも守るだけでは負けてあたりまえだ。しかし、一度守りに入ると、なかなか攻めることはできないものだ。 |
GM | 負ける。 |
尚 | 「だから、本当は、思い切って、どこかで立ち止まらなきゃ…、どこかで、立ち向かわなきゃいけなかったんだ」 |
GM | 青藍さんは、静かに聞いてます。 |
尚 |
「間違っていたのは俺の方だった」 “この世は腐ってる”。前は、似たような言葉をよく呟いていた気がする。 確かにそうかもしれない。この世界には、胸くそが悪くなる話が、数えきれないほどある。 しかし、“なら俺が世界を変えてやる”と言わず、世捨て人を気取って、目の前の壁から逃げ出したのは、俺の選択であり、業だ。 「被害者ヅラして、悪いのは俺を責めた奴だ、と開き直って…やっていたことと言えば、そいつらと同じ。無理やり我を通すことだけだった」 その“我”ですらも、その場のちょっとした気分や経験で、簡単に変わるものにすぎないのに。 まるで神様を信じるかのように、自分を絶対的なものだと崇め。 自分にしがみついて。 ――みっともない。 |
GM |
――君は何がしたい。 いつか支部長に訊かれた。 |
尚 |
「…なあ、青藍さん。やり直そう」 血を失いすぎたせいで、呼吸は、ひどく浅かった。頭に酸素がいっていない。 目がチカチカして、感覚があいまいだ。左腕がまだあるのかもわからない。 …しかし、口から流れ出る言葉はなぜか、平静な時のそれだった。 「なくしたものを、取り戻すことはできないが…、やり直すことは、いつでもできるだろ?」 生きている限りは。 |
GM | 青藍「……やりなおす?」 |
尚 | 「ああ。最初から」 |
GM |
青藍「最初……」 青藍「私の最初は、……冬水真冬……彼とから始まり、それ以外には、考えられません……」 ――いったい新垣君は、何故UGNにいるんだい? そう訊いた、童顔でおどけた様子の――一風変わった支部長。 |
尚 |
「なら、まずはこの街から出よう」 「行きたいところに行って、やりたいことをやろう。そのために街から出よう」 |
GM |
青藍「……」 青藍「……図らずも、この列車は外へ向かっております」 |
尚 | ふと思った。自分はこれまで、生きてもいなかったから、死ぬこともできなかったのだと。 |
GM |
――きっと、君の重力は斜めなんだね―― 落ちるところに落ちない。 着地地点を見誤って、見誤って―― 初対面の四季奏是色――異様なクラスメイトは、初対面で、君を、どう言ったのだっけ。 ――歪んでる ――歪んでる…… 違う…… ――けれど ――歪んでるけれど、真っすぐだと思う―― と、そう言っていた。 どう言う意図だったのか、今や知ることはできない。 |
尚 |
これまで手に入れたものは、何もかも無くした。 だからもう一度、始めよう。 「やり直そう、人生を。始めよう、生きて死ぬために」 |
GM |
青藍「……」 青藍さんが黙っています……が、 青藍「ええ……。それができるのなら、それも良いかも知れません……」 ――びくっ。 と、となりの青藍さんの体が突然強張ります。 青藍「なっ……」 青藍「――四季奏……」 青藍「四季奏、是色が……」 青藍「“彩める空(monotone sky)”が――消えた……?」 |
尚 | 「まさか…」 |
GM |
―― がくん! 急に、周囲全体が揺れます。 そして―― 一瞬の間が空いて―― ゴガガガアアアガガアアアアアッ 音としても意味を成さないような轟音。 意識が途絶えて―― |
GM |
――頬を打つ冷たい感覚。 意識を、が浮上してきます。 どうやら、雨……の、ようです。 青藍「……生きて……いますか、“Light”……?」 声をかけられます。 |
尚 | じゃあ、頭を下にして、垂直に地面に埋まっている。スケキヨー |
GM | 窒息するわな。 |
尚 |
大丈夫、オーヴァードだから! …っていうか、冗談だよ。(笑) 「とりあえずは」 じたばた。 |
GM |
ぐ、ずりり、と。 起こされます。 青藍「どうやら……」 青藍「列車が、脱線して……投げ飛ばされたようです」 青藍「先ほど……“彩める空”らしき人物が去っていくのを見ました……追いかけねば……」 |
尚 | 「やれやれ。ここからは歩きか…。車椅子か何か、あればいいんだが…」 |
GM |
青藍「貨物輸送用の台車を使いましょう……こちら、持っていて下さいますか」 と、何かを手渡されます。 |
尚 |
残った左手で受け取ろう。 しかし、利き手ではないので、かなり動作がたどたどしい。 持ち替えようとして、何度か取り落としたりする。 |
GM |
何か、鼓動というか、波動というか、物体なのに生きた感じをします。 “仮初(Area of Fake)”のようです。 |
尚 | 「これは…」 |
GM | 青藍「運良く、破損したドライブを発見できましたので、回収いたしました」 |
尚 | 今はどんな形? |
GM |
長方形の、箱型。 直方体、か。 そんなに大きくはなく、片手で十分持ち歩けます。 |
尚 |
「持つの? …俺が?」 左手と、先の無い右肘を振って。今の俺じゃ荷が重すぎる、とアピール。 しかしひどいザマだな。火の鳥のロビタかと。 |
GM | 青藍「私に持たせて置くよりは安心でしょう」 |
尚 | 「そうかぁ?」 |
GM | 適当に新垣君を固定して、青藍さんは台車を転がし始めます。 |
尚 |
ううっ、荷物扱い… まあお荷物という点は否定できないが。 |
GM |
青藍「“Light”……貴方にも役に立って頂きます」 青藍「“彩める空”を追いつつ、支部を目指しましょう」 |
尚 | 「了解」 |
GM |
ガラガラガラ。 |
GM |
というあたりで、シーンカットでしょうか。 シナリオロイスどうぞ。 |
尚 | 四季奏是色(しきそう ぜしき)に●好奇心/無関心かな。 |
GM | はい。 |