第四棺

唯麗しきあの人の埋没the Vale of monochrome

Opening 1
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   ■シーンプレイヤー:多田野仁也◆

GM OPはオジサンからです。
ハンドアウト流しますねー。


 
PC5 多田野 仁也(ただの ひとなり)
 
「こんな街の状況でさぁ、仁也の旦那様はなんで生きてるのかしらん」
 涼やかに微笑して、彼女は呟いた。
「生きてても仕方ないじゃないのよん。
 まさかセルリーダーの旦那への義理立てってわけでもないでしょうしね」
 セルリーダー――彼は言った。レネゲイドウィルスの開花こそが幸福だと。
 啓示であり、救いであるのだと。
 ――単純な『ソレ』こそが真理なのだ。
 一度全てを失った男はそう言って、悪魔となった。
「ま――腐った人間同士、仲良くしようじゃないの」
 隣の彼女は、気だるげに涼やかに、相変わらず微笑む。
 
シナリオロイス:下記の二つから選択。
・八重崎怨嗟(やえざき えんさ) 推奨感情P/N:同情/嫌悪
・夏火果実(なつひ かじつ)  推奨感情P/N:連帯感/食傷



GM 汚染レベルは3です。つまり目標値は14ですねー。一番高い能力値+対汚染技能で振って下さい。
ダイス 8R+5 = [2,1,7,10,5,7,9,4][3]<クリティカル>+5 = 18
29+1D10 = 29+[8] = 37
仁也 上がるなぁ(笑)
GM はーい。では問題なく登場です。
さて……。
オジサンは寝床はどの辺りですか?
仁也 さて、駅前にはいるんだね?
GM まぁ、駅周辺のどっかですかね。
仁也 まぁ、屋根ある所なら俺ぁ結構何処でもいいがね(笑) 適当な喫茶店としておこうか。
GM 喫茶店ね。
では、色んな物の散乱した喫茶店。
割れかけの窓には、適当にかっぱらってきたガムテでの補強がしてあります。
前と同じ顔ぶれは、ショーウィンドウの、メニューの模造品だけ。
GM 外は相変わらずの曇天、灰色で、
しかもしとしとと、
湿っぽく雨が降ってます。
駅前の喫茶店にしては、ソファーの座り心地が割と良く
FHセルを追い出された――と言うか、瓦礫に潰れたセルを出てきた多田野仁也さんは、
ここで寝泊まりしていると言うわけです。
仁也 「やぁれやれ…どっかに煙草落ちてねぇかな…」ごそごそ探してる。
「あと二箱しか残ってねぇでやんの…銘柄もどっちも違うしなぁ…あぁ、おっちゃんはマルボロ吸いたいってぇのに」咥えてるのはエコー。持ってるのはマイルドセブン。
GM  ――カラン  

と、入口が開きます。
入って来たのは、一人の女性。
黒くぴっちりめの服に、白衣。そして何故か、似合いもしない学者帽。
足首までの黒いストレートロングヘアが、綺麗と言うよりも鬱陶しい雰囲気を醸しています。
コードネーム、“腐敗済み(Rotten Fruit)”、
夏火果実(なつひ かじつ)です。
仁也 「まぁ残り少ねぇんだから大切に吸わなきゃなぁ。なぁ、そう思わないかい」
じじじ、とまたフィルターまで火が近づく。
「よぅ嬢ちゃん。くたびれた男の城にどんな御用で?」
GM 果実「ううん、大した理由はないのよ」
仁也 「ふぅん。あぁ、茶は出せねぇぞ? 豆も茶もねぇでやんの。ミネラルウォーターならあるけどそれでいいかい」
GM ふふっと、眉根を寄せて、卑屈なような、涼やかなような、気だるげにも見える、微妙な笑みを浮かべます。
果実「とあるものを待ってるんだけれどねん」
果実「それはそれは待ってるんだけれど、待ちぼうけなのよ」
ぺたぺた、と、ヒールのほとんど入ってない靴で店内に入ってきます。
髪は雨で濡れてますね。
果実「あまりに来ないものだから、散歩に出かけてみたら、雨が降ってくるじゃない」
仁也 「そりゃあ災難だったな。ほれお絞り」 ミネラルウォーター出してお絞り出して。
GM 果実「相変わらずのしとしと雨よ。困ったわん、と思って、確か仁也の旦那様がここに居た、とも思って、お邪魔したわけなのよ」
受け取ります。
果実「ありがと。煙草、欲しいのん?」
仁也 「お、あんの? あんならくれると嬉しいねぇ」
GM 見えないだろう方の右目――何故か、金属の螺子で潰されるように閉ざされている右目で、みやるようにします。
果実「萌え煙草ならあるわん」
仁也 「なんだいそりゃ。ケースにキャラの絵でも描いてあんのかい」
GM ポケットから、俺様系と子犬系イケメンが上半身裸で絡み合う絵の描かれた箱を取り出します。
果実「うん。ほら」
果実「こっち、弱音攻め。こっち、強気受け」
果実「でも、同人よん」
仁也 「それは萌えって言うのかね…? まぁ中身が煙草なら構わんや。解して煙管にでも入れて吸うさね」
GM 開くと、水色とピンクのシガレットが交互に綺麗に入ってます。
果実「売れるかと思ったけれど売れなかった過去があるのよ」
箱ごと渡して来ます。
仁也 「作ったの嬢ちゃんかい、これ」
GM 果実「うん。\2000」
仁也 「相変わらずおっちゃんにゃ解らん趣味な事で…ま、ありがたく頂いとくさ」
GM 果実「『あいつのキスの味』って銘打ったんだけど、売れなかったわん」
仁也 「そりゃあ趣味を前面に押し出したこういうのじゃネタか同類しか買わんだろうさ」
GM 果実「まぁ、売るために同人はしてないのよ」
席に座ります。
で、外を半目で眺めてますね。
果実「雨降って――」
果実「雨、降って、地、固まる――か……」
果実「この場合は雨の方が攻めだわん」
にへら、と笑いながら言います。
仁也 「さて、それはどうなんだかね?」
GM 果実「んー? 仁也の旦那様は違うご意見をお持ちで?」
仁也 「まぁ受けだの攻めだの×だのの意味はわかんねぇが、固まる程度の雨じゃあ地面もただ硬くなるだけってことだろ? 逆襲されてんじゃあねぇのかい?」
GM 果実「……『ふふっ、地面君。きみ、ゆるゆるじゃないですか。俺が固めてやりますよ。ははは、ほら。何ですか? ぬらされるしかないんですか、少し抵抗して下さいよ』」
果実「『てめっ、雨、このやろ! やめろ、そこは///』『あは、ますますゆるゆるだ。まったく、正直ですよね』」
果実「『う、るっせ……仕方ねぇだろ! 勝手にこうなっちまうんだから』……おっと……」
と、顔を抑える果実。
仁也 「おっちゃんにゃあ嬢ちゃんが異次元の言葉話してるようにしか思えねぇや」
ティッシュ渡すよ(笑)
GM 果実「いや、いい。まだ決壊してないのよ」
ひらひらと手を振って、しかし、と続けます。
果実「……しかし、でもさぁ」
仁也 「あん? なんだい?」
GM 果実「雨後のタケノコって言うけれど、この場合はどっちが攻めなのかしらん?」
果実「一見タケノコだけど、因果的には雨なような気もするのよ……」
仁也 「だからおっちゃんにゃわからねぇって」
GM 果実「昔の偉人はこう言ってるわん――」
顔をオジサンの方へ向けて。
果実「『萌えを解せぬ奴は死ね』」
仁也 「理解したくねぇもんだろうよ、普通の男にとってそっちの方向は」
GM 果実「でも言ったのはデカルトなのよ」
仁也 「デカルトに萌えの概念があったなんてぇのは初耳だぁな」
GM 果実「コギト・エルゴ・スムを和訳するとそうなるんだわん」
仁也 「初めて知ったよそんなこたぁ」
GM 果実「ま、ここまでは冗談として」
仁也 「おや、冗談だったのかい? 嬢ちゃんの事だから本気だろ?」
GM 果実「わ・た・し・はぁ、冗談で生きてるもの」
また、例の微笑みを浮かべます。
世を皮肉るような。
仁也 「パソコンのHDとダンボールの中身は?」
GM 果実「見たらコロス」
果実「まぁ、妄想なしに人は生きていけないのよ」
果実「人に必要なのは、パンよりも妄想だわん」
仁也 「俺ぁ程ほどにパンがあった方がいいがねぇ。で、どんなお話をしに来たんだい。時間潰しなら幾らでも付き合ってやろうじゃないの」
GM 果実「別に、仁也の旦那様に会いに来たわけじゃないのよ」
仁也 「だから、ただの暇つぶしだろ? 別のを待ってる最中の」
GM 果実「そうねん……」
果実「こんな街の状況でさぁ、仁也の旦那様はなんで生きてるのかしらん」
果実「生きてても仕方ないじゃないのよ」
仁也 「さぁてねぇ。おっちゃんは普通に平凡に、平穏に生きたいだけさ」
「まぁしっちゃかめっちゃかになってても人間順応性ってぇのがある。1ヶ月もすりゃ慣れるさね」
GM 果実「FHの人間は、何かしらの強い目的があって――その目的のためだけに、つるんでいるって、聞いたこと、あるけど?」
仁也 「うん、だからおっちゃんはそれが目的よ?」
GM 果実「はぁ」
仁也 「平凡に平穏に普通に生きたいから、『邪魔ならどかす』。まぁそういう事さなぁ」
GM 果実「そんなで、こんな地獄みたいな状況を生き抜いちゃったりできるわけなのん?」
仁也 「ま、煙草が不自由っつぅ不便はあるがね。生き抜いちゃったりするわけよ」
GM 果実「もはや、平凡も平穏も普通も吹き飛んで消えちゃいそうな街で、どんなモチベーションなのよ」
また卑屈な笑みをして。
仁也 「おっちゃんの半径10m…いや7mでいいかなぁ? その範囲内でそれなら別にいーの」
GM 果実「腐ってるわねん……」
果実「くくっ、くくくくくく」
おかしそうに笑ってます。
果実「セルリーダーの旦那様は、相変わらず『雨』を降らしてるけれど」
仁也 「あぁ、鬱陶しい長雨はそれが理由かい。困ったもんだ」
GM 果実「あの人は、ご自分のセルまで犠牲にしちゃって、何をしようとしてるのん」
仁也 「さてはて…あの人はまぁある意味俺と水がとことん合わないからねぇ。レネゲイドが何だの言ってた覚えはあるが、さぁてな」
GM 果実「ふぅん。UGNからすると、どちらも脅威――だった――のに」
果実「今は昔、か」
仁也 「ま、そういうこった」
GM 果実「くくっくくくく――みんな死ねばいいのよねん」
果実「わ・た・し・はぁ、そう思ってたのよ」
仁也 「穏やかじゃあないな、そりゃ」
GM 果実「そう? みんなそう思ってるわ――思うようになる、かしらん」
仁也 「ふぅん。根拠は?」
GM 果実「根拠――ねぇ」
果実「根も葉もなく、腐ってしまうとそんなものよ」
果実「心が死ぬ――とは良く言うけれど、死んだら腐る――腐ったリンゴは、周囲を腐らせる――」
果実「腐敗臭だわん。特に、こんな灰色の棺――湿っぽい街の中じゃね」
くすり、と、仁也の方を向いて笑いかけます。
仁也 「ふぅん。さてはて、棺の中ねぇ」
GM 果実「仁也の旦那様、もぉ、とっくに腐ってるのよ――?」
果実「普通を望むなんて、腐敗以外の何でもないわん」
果実「ま――腐った人間同士、仲良くしようじゃないの」
仁也 「腐り方が違うと思うんだけどねぇ、俺ぁ」
GM 果実「過程は違えど結果は――」

――

  ィィィイイィィイイイイイイイイ
      ――――――   ズガラァアアアアアア

    ンンン ……。

唐突に、酷く大きな音が外でして、
びりびりと店内が震えます。
駅の方です。
仁也 「何だ何だ、爆弾でも落ちたかい」
GM 果実「……待ち人が来たかもしれないわん」
そう言って、果実は席を立ちます。
果実「それじゃ、わ・た・し・はぁ……帰るのよ」
果実「音に引き寄せられて、ジャームとか、来るかもしれないわん。仁也の旦那様は、どうかお気をつけて」
仁也 「やれやれ、折角掃除も済んだってぇのに…まぁたかい」
GM 果実「ご愁傷さま」
そう言って、
彼女は喫茶店を出ていきます。
仁也 「どーも。そんじゃ、そっちも何やるかぁ知らんが適当に頑張りな」
GM  ――カラン



GM というあたりで、特に何もなければシーンカットです。
仁也 うむ。カットで。
しっかし時間かかったなぁ(笑)
GM シナリオロイスどうぞー。
仁也 おう、セルリーダーの旦那と果実の嬢ちゃんに。
怨嗟の旦那には■同情/嫌悪感、果実の嬢ちゃんに連帯感/■食傷で。
GM はい。




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