Double Cross the Reverse... 「逆巻き琴線――喪失ひ旋律」 Opening.
PC2 推奨ワークス/カバー:殺人鬼/高校生 綺麗な顔のあの男の子が、気になる瞳で私を射抜く。 ゾクゾクと俗々しく、冷徹な冷酷な視線に晒されて。 ふしだらに悶える、退屈な学校の日々は悪夢のよう。 死体は揃って病的に、顔を残して切り開け。 数える事は他人任せ、不揃い順に突立てろ。 だって私、殺人鬼だもん→☆ そしてたった今、from 生 to 死、還元された肉塊の所持品に、 私は触れる――気が触れる。 シナリオロイス:殺める気分。 推奨感情:執着/偏愛 GM 正常な高校生。 学校の模範。 生徒会長。 ――清智姫巳。 ちらりと――あの美しすぎる生徒の横顔が、思い浮かんだ。 彼は、クラスメイト…… ……? 似ているからだろうか。 殺人現場にて そんな事を、思い起こす。 姫巳 「さて、どうなのかしら・・・ああ、ごめんなさいね。」 思考を一瞬他のことに費やしてしまったことを、誰にとも無く詫びる。 「こんなときに、他の人のことを考えるなんて・・・貴方は私に憧れていて、嫉妬していて、憎んでいてくれた。」 「それは・・・とてもとても、心躍る感覚だったんだよ?」 (判定中……)→侵食率10%低下。 GM ちらり。 ――秘御伽 水香(ひおとぎ みずか)です。 彼女の名前を、思い出す―― 姫巳 その屍に口付けを、その傷口に口付けを。 十分に美しいのに、いつも焦燥に歪んでいた・・・今は泣き顔のままに死んだその顔を 唇を奪い、目蓋に口付けし、その瞳を閉じさせる。 「だから、僕もこうして、君に思いを抱いてしまった。君に執着してしまった。」 「君の思いに答えたい君の思いを満たしたい君に私を認めて欲しい君の中を私で満たしたい君に私を好いて欲しい」 「もっと思う存分呪って欲しい何処までも恐怖して欲しい、それら全部私は私の感情に受けてみたい・・・」 吐息ごと、流れるは呪愛の言霊。 おぞましき力に狂い・・・他者への感情を抑制する術を失った殺人鬼の動機。 「完璧な生徒会長」の装いから着替えた、密着も露出も強調も酷くいやらしい装束すら、 もう、肩布が外れ紐が解け、僅かに腰周りにわだかまっているだけの。 ・・・その代わりに、おぞましい、奇怪な血色の皮膜に目と牙を生やした生物が、拘束衣のように肌を満たし そして、路地裏一面にぶちまけられた血と肉と骨を、ずるりずるりと舐めとり、跡形も無くしてゆく。 「さようなら・・・ありがとう。大好きだったよ。大嫌いだったよ・・・ありがとう、さようなら。」 最後にもう一度口付けをして、彼女の首も・・・消す。 その直前 姫巳 「っ・・・」 記憶の中の、「彼」の目線が、身体を刺し貫いたような気がして、所作がぎこちなく止まった。 GM 隙間を縫うように。 記憶が想起――される。 GM 水香「それで満足なんですか?」 焦燥に歪んだ顔――? くすっと微笑んで、後輩である彼女は言った。 学校で、隣を、仲良さ気に、歩きながら。 姫巳 「何が、かな。」 弓道部主将兼生徒会長という仮装の装束と 品行方正な生徒という仮面を被った、物静かな表情で応対する。 GM 水香「先輩は満足ですか、って聞きました」 にこにこと笑う……美しい後輩。 姫巳 「満足、か・・・何についてだい?」 少し、怪訝がその仮面に加わる。 GM 水香「生徒会長というポジションとか……、 弓道部主将だとか、ショートカットのクールビューティだとか、品行方正な立ち振る舞いだとか、 清智姫巳という人間、そのもの――に対しての話です」 姫巳 「はは。」笑う。 GM 水香「先輩は私の先輩たる、貴方があなた自身であるということに、満足してますか?」 姫巳 「より向上しようという気持ちもあるけどね」これは嘘だ、仮面の言葉だ。 「けれども、僕は僕が望む自分であろうとしている。そういう意味では、それなりに満足しているのかもしれないね。」 コレは本当だ、だけれども皮肉だ。 こうあろうとしても衝動は暴れだす。 衝動は取り繕うことを嫌悪し、取り繕う仮面は衝動を嫌悪するが ・・・取り繕いという焦らしがなければ、衝動が満足しないのではないかと、 どこかで薄ら寒く納得しかけている自分もいるのだから。 GM 水香「そうですか……。満足していると断言は出来ないけれど、少なくとも妥協はしているって事ですね」 ――きっとそうだわ。 ぽつり、と、彼女はそう付け加える。 水香「妥協は出来ているってこと。さすが先輩――素敵ですね」 姫巳 「妥協か。・・・ハードボイルドは無能のやせ我慢というようなものかもしれないけどね。」 「黙って座ればピタリとあたるシャーロック=ホームズなら、美学や渋みを装わなくても、」 「ただ推理するだけで英雄的であることが出来る。」 「僕も優秀でありたいとは思っているけれど、シャーロック=ホームズほどじゃあない。」 「そこまでいける人間は滅多に居ない。だから・・・」 「『SOMETIMES I WONDER HOW YOU CAN STAND BEING JUST A DOG. (時々,あなたはどうして犬なんかでいられるのかと思うわ…)』」 「『YOU PLAY WITH THE CARDS YOU'RE DEALT..WHATEVER THAT MEANS. (配られたカードで勝負するっきゃないのさ…それがどういう意味であれ) 』 」 姫巳 どこかで読んだ英文を諳んじる。 「・・・と、そうなるわけだ。昔読んだ台詞の引用だけどね。」 GM 水香「シャーロック=ホームズは 恐怖小説家たるコナン=ドイルがそうであるように描いたからこその、シャーロック=ホームズでしょう? 彼は全要素を含めて彼であると言える、と思います。小説はすべて、誤植も含めて評価されるべきかと」 楽しげに、そう言う。 水香「何に生まれついたからとて、持てるものすべてで生きるしかない――それはその通りです。 学生生活でひしひしと思う事ですものね。あーあ、私も頑張りませんと。 けれど、その持てるものすべてを認識した時絶望するのも、また人間です。 その狭間でゆらゆらゆれながら、落ちるか上るかそのまま停滞するか、酷薄な選択肢を突きつけられつづけてるんですね」 ――きっと。 ――そうだわ。 姫巳 (何に産まれついても、か) 確かにそうなのだろうね。 僕のような怪物は、自分が怪物であることを認識したときに、絶望して死んでいるべきなのかもしれない。 GM 水香「そんなふざけたメロディを奏でているのが、何より自分……ふふ、先輩、あのですね、先輩」 姫巳 「何だい?」 GM 水香「私の敬愛する先輩様、聴いて下さいますか?」 聴いて――下さいますか。このメロディを。 姫巳 「・・・聞こう、勿論だとも」 GM 水香「私、好きな人が出来ました。恋愛対象として――同じクラスメイトに」 姫巳 彼女とは、競うことが多かったが。 あるいは、彼女が私に嫉妬していたというよりは、私が彼女に嫉妬して、その反射を錯覚していたのかもしれない。 GM 水香「愛したい対象が出来ました。だから、――アプローチをかけてみようと思っているんですよ」 姫巳 「そうか・・・応援するよ。手助けが必要なら、いつでも頼んでくれ。何て子なんだい?」 ひりひり ぴりぴり GM 内側から、疼きを感じていました。 水香「プレゼントもあるんです。気に入ってもらえるでしょうか? 彼の名前は」 はにかむ様子で。 美しい彼女が、口を開き。 言う。 水香「 、君」 GM 言った。 ――そこから先は、殺人鬼の記憶だ。 姫巳 ・・・ああ、嫉妬していたのはやはり、私のほうだったのかもしれない そう思ったとき、ごとりという音がした。 「・・・?」のろのろと、視線を動かす。 何故か不意に、気だるくてか、予感に慄いてか、ことを先延ばしにしたくなり、 左手で彼女の首をかき抱いたまま、見た先には GM 古びていて、しかし……細かい細工のオルゴール。 姫巳 身体を覆い、路地を嘗め尽くしていた怪生物が、飲み込まずに置いたものだろうか。 彼女のもの、だろうか。だろう。 「・・・っ・・・」何故か息を呑みながら、右手でそのオルゴールに触れる。 GM かたん。 蓋が開き。 め ろ でぃ が な が な な が れ て き ―― て て。 姫巳 ぞくり。 毒を塗られた罠に触れたように、手指を反射的に翻す。 気がつけば、何時しか、力と狂気を齎す肌を覆う生物たちは消えていた。 開いた右手が、反射的に、肌を覆う役目など満足に果たさない愚かな服を掴んで引き上げる。 「・・・僕・・・は・・・」左手に抱えた、あの子の首。 抱きかかえるようにして、前のめりに膝を折る。 地面についた額の先には、オルゴール。 あの子の首を抱え、あの子のオルゴールに土下座するような、吐き気を堪えているような、無様な姿勢。 姫巳 「・・・なんて・・・卑しい・・・」 あの日言われたとおり いつもの、中途半端な卑下ではなく 絶望して、僕は呟いた。 GM メロディはやまない。 何者かの愛に絡めとられた感覚―― 歪――イビツ――