Double Cross the Reverse...  「逆巻き琴線――喪失ひ旋律」
Middle.
   

     愛して愛して愛して愛して愛して      愛して愛して愛して愛して、愛して!      愛すわ愛すわ愛すわ愛すわ愛すわ      愛すわ愛すわ愛すわ愛すわ、愛すから!      ねぇ、そうやって愛し合ったら、幸せでしょう。      幸せなんでしょう?      幸せ幸せ幸せ幸せ幸せ幸せ幸せ幸せ幸せ…………           GM  音鍵遺櫃(おとかぎ いびつ)。     この館の主。     瑕耽の御主人様。     人にあるまじき美しさ。憂いの瞳。麗しい言葉。     そして彼は……     館へと。     人を招いた。     ……瑕耽と、遺櫃のものであるはずの、この館へと。     登場どうぞ。 瑕耽  (判定中……)→侵食率1%低下。 姫巳  (判定中……)→侵食率8%低下。  柊  (判定中……)→侵食率1%低下。 GM  初日の晩餐……招来した客たちの顔合わせとなる、この場所で、瑕耽は待っていました。     長いテーブル。     自らには必要の無いものが彩られる予定の、並んだ食器。     何も言わず。     先に案内されてきた、眼鏡に三つ編みの女を眺めている。     姿勢を正して。口元を結んで。     周囲にちらちらと――不躾でない程度に――目をやり。     そしてどこか、怯えたような雰囲気を漂わせ。     しかしてそれを、悟らせまいと。     失礼に当たるから、と。     ――気丈なのだろう。     そう思う。     そしてあちらは、人形である瑕耽を、人形であるとしか思っていない。話し掛けては、こない。 瑕耽  この場ではまるで     貴女のほうがお人形のようなのに     不似合いなお人形     お友達から借りてきたのだけれども その娘のことは誰もわからない     その娘も何もわからない     そんなお人形は どうなるのでしょうか? GM  さて。     人が入ってきます。     柊君どうぞ。     避澄に案内されてきます。  柊  「・・・アレ?鏡原?なんでここに・・・」 GM  詩織「え? あ……神無月君」     どこかほっとしたように、柊君に応じます。     しかし首を振って。     詩織「私も良くわからないわ。凄く……綺麗な」     ううん、と首を傾げて。     詩織「男性、かな。男の人に連れられて、ここへ」     避澄「私の兄よ」     詩織「あ、そう……なんですか。すみません」     避澄に目をやり、ああ確かに似ているな、というような表情を見せる鏡原詩織。  柊  「・・・まぁ、鏡原が居るなら気が楽だな。」微笑む GM  詩織「うん、まぁ……知り合いが居てほっとしたな、私も」     こちらも微笑みます。     制服姿で、まるで学校のように。     柊君は、避澄に、着替えたければ服はたくさん用意してあると言われましたが、どうしてます?  柊  制服です。     文庫本があちこちに突っ込まれた、普通のブレザー。 GM  はい。     では、詩織もそうやって、制服を選んだであろうことが、予想できますね。     避澄「今、お兄様がもう一人のお客様を連れてくるわ」     避澄はそう言って、柊君の席を示して、自らも席につきます。 GM  では、姫巳さんにも登場して頂きましょうかね。     その遺櫃が、部屋に入ってきます。     場が凍てつくような圧倒的美貌。     鏡原詩織が、ビクっとします。     流し目で軽く柊君を見て。     誰かを案内するように、ゆったりと歩いてきます。 姫巳  では、その遺櫃と並ぶようにして登場。 GM  避澄が姫巳さんに軽く会釈をしますね。 姫巳  服装は、学校で見せる制服姿。立ち居振る舞いも、優等生な委員長のそれ。     「・・・」無言で、会釈を返す GM  見覚えが、ある……彼女。 姫巳  (さて・・・)しかし、その眼差しは、どこか GM  名前は、そう――オトカギ・ヒズミ…… 姫巳  どこか、期待ととうねりを帯びている。     この場所で、衝動を満たせるかもしれないという、期待と不安。     「君は確か・・・」     ともあれ、避済を見て     他の客人も、見えていいのかな? GM  はい。     避澄「自己紹介は、席についてからにしましょう、先輩」 姫巳  見回して、説明を求めるようにそのまま遺櫃に視線を向けるが     「・・・そうだね。」     今は、まだ着席する。 GM  遺櫃「君の席はここだよ」     席を引いてくれます。 姫巳  「有難う、遺櫃君。」     では、エスコートに答える。     ただそれでも・・・どこか、普段とは違う、雰囲気を放っている。 GM  無言の頷きでそれを受けます。     鏡原詩織は、何か言いたそうな顔をしますが、先ほどの避澄の発言を受けてか、今は黙ってます。 姫巳  興味を、密かに沸かせる・・・まだ見極めていない以上、殺人衝動まで滾らせるのは丁寧に避けて。 GM  さて、ゆるりと、遺櫃も席につきます。     かた。     全員が席についたのを見て。 GM  遺櫃「さて――」     徐に、口を開く――     遺櫃「よく来てくれたね」     言葉の一つ一つが、流れるようで、そして響く。     頭の中で、オルゴールの弦を叩かれるように。 姫巳  (いい声だな。けど、泣き喚く様子が想像できない・・・歯車細工みたいな声でもあるかもしれない)     (・・・それも、それで、興味深いけど)     (しかし、興味深いといえば・・・)と、鏡原や柊にも視線を向ける。 GM  遺櫃「僕はこの館の主人である、音鍵遺櫃だ。君たちを招待させて頂いた」     そう、くすりと微笑む。     全てが優雅だ。     遺櫃「では、順に紹介と行こうか。円満な人間関係として、互いのことを知り合うのは重要だよね。        まずは、僕の妹である――」     すっと、掌と目線を、避澄へ向ける。     避澄「音鍵避澄です。よろしくお願いいたします」     特に瞳が、遺櫃と良く似ている。     高貴な服装。遺櫃ほどの圧倒さは無いが、こちらも痺れるように美しい。 姫巳  (こちらも・・・切り裂いても平然としていそうな娘。興味深いけど、対処に困るな・・・)と、避澄を見て GM  遺櫃「そして……そうだね。神無月君、自己紹介を頼めるかい?」     と、目線を投げかけてきます。     (・・・神無月、柊)と、改めて名を呼ばれた柊に視線を向けなおす。  柊  「えーと・・・コレ、言わなきゃダメなんですか?」     「名前は神無月柊、趣味は読書。以上です。」 GM  遺櫃「ありがとう。では、鏡原さん。お願い出来るかな?」     詩織「……鏡原詩織です。神無月君の……」     ちょっと紹介に迷って。     詩織「友人です。図書委員です。        ……以上です」 姫巳  「・・・正直、以外だな。何故、君たち二人が」思わず、呟いてしまう。     「僕のような人間なら兎も角・・・」と、いいかけて、慌てて口を噤む。 GM  詩織「……?」     詩織は首を傾げますが、避澄は軽く瞼を閉じただけですね。     遺櫃は微動だにせず。  柊  柊は、苦笑する。     そして、こっそりとワーディング。     生徒会長に、自分は「異常」だと教える為。     静かに、ひっそりと電気を走らせる。 GM  一瞬だけ展開されるワーディング。 姫巳  「・・・」右目で驚いて、左目で笑う。一瞬浮かべる、アンバランスな表情。     こういう気配を持つ人間は、稀に殺す相手にも居た・・・その時は凄く楽しめた。     だから笑う。     だけれども、まさか、「あの」神無月柊が。     どこかおぼろげな記憶を思わせる、平和な存在と思っていたのだが。     だから驚く。     驚いた弾み、じわり。血が沸いて、身体の中の怪奇な生物たちが蠢く。 GM  遺櫃「では。        君にお願いしようか、姫巳」 姫巳  自分もそうだな、気がつけば名前で呼び合う関係に、互いにあつかましいのか、それとも親しいのかと、思いつつ     「・・・清智姫巳。先の二人と同じ学校の高校二年生、生徒会長兼弓道部主将だが・・・」     だが、と     ふといいかけてしまって、固まる     この屋敷に、鏡原や柊が居るのは想定していなかった。     だから、惑う。 GM  遺櫃は、ゆ っく り と、片目を閉じるようにして、微笑みます。 姫巳  どこまで、明かしていいのか? GM  ウィンクとも違う。 状況を楽しむように。     遺櫃「だが? 続けて良いよ」 姫巳  「・・・そう、だね。ここに来た理由は・・・それは君たちにむしろ聞きたかったんだが・・・」 GM  遺櫃「気にするような館じゃない」 姫巳  と、咄嗟に二人に感じたことを言いかけるんだけど     その話題を振ったからには、自分も言わねばならないことに気付いて、遅まきながら舌打ち。     (狩場と違う場所だと、こうも勘が鈍るか・・・困るな) GM  遺櫃「理由は言わなくてもいいよ。自分でも、きっとわかっていないだろう」     意味深な事を言う。 姫巳  「気にするのは館じゃない、僕なんだが。」と、遺櫃に返すが     「・・・理由・・・」     それは、本当に分からなくて、言葉に詰まる。 GM  遺櫃「ううん……」     軽く苦笑するようにしてから。     遺櫃「始めに言っておこうか。姫巳は殺人行為が好みだ」     詩織「……、え?」 姫巳  「・・・」一瞬、何を言われたのか、自分でも驚くが  柊  「・・・ハイっ!?」思わず、本を手から落とす GM  遺櫃「だから、分かり合うことから、と言ったよね。誤解はいけない。本当のことを言ったまでさ」     笑って、そう言います。     遺櫃「ま……それは晩餐の最中にでも、言いたくなった時に言ってもらえばいいか」 姫巳  「・・・!」     一瞬、遺櫃のそっ首を跳ねるほどの殺気を放ったけど GM  涼しい顔ですね。 姫巳  ・・・苛立ちと共に押さえる。 GM  詩織「……清智姫巳さん……清智先輩ですか。です、よね? 生徒会長の」     ちょっと、おずおずと……確認するように、詩織が口を挟みます。 姫巳  「・・・そう、だね。」 GM  それを聞いて、僅かに安心したようにします。     詩織「お噂はかねがね。図書委員の鏡原詩織です!」     ちょっと、焦るように。あるいは、知り合いが増えて嬉しがるように。     詩織「よろしくおねがいしますね!」  柊  「・・・鏡原、知り合いなのか?」 GM  詩織「え?        有名な先輩だよ。生徒会長もしてるし……男女問わず、ファンが多い」  柊  「あー・・・そう言えば、生徒会選挙の時寝てたから誰が会長になったとか聞いてなかったな・・・」 姫巳  「柊。全く、君は・・・」と、柊に苦笑しつつ     「・・・鏡原君、君の事は知っているよ。良く働く良い子だと聞いている・・・何故また、こんなところに?」     人気の噂を裏付ける、優しげに案じる表情で、詩織に聞き返す。 GM  詩織「それが……」     遺櫃「雑談は後にしよう」 姫巳  「すまない」     と、軽く手を上げて柊と鏡原を制して GM  遺櫃「あとは、そう。瑕耽、自己紹介――できるね?」     瑕耽…………?     だれだ、それは?     ここにいる『人間』は、全員紹介したはず――     と、招待されたあなた達に、疑問符が浮かびます。 姫巳  つい・・・と、気になっていた「それあるいは彼女」に視線を向ける。     普通であるならば「それ」であるはずの、だが「彼女」と、呼びたくなるほどの、精密だけではない気配を持つ・・・ 瑕耽  「ええ――御主人様」 姫巳  ああ、やはり彼女だったか。 瑕耽  人形の首が、ガクリと動く?     違う     それはこくりと頷いただけ     まるで、死んでいたような人形は虚空に向けた瞳を客人達の方へと変えて     「ようこそいらっしゃいました。私はお人形。瑕耽、と申します」     微笑みも浮かべず 淡々と述べる  柊  「・・・・・・・・・・・・・・・」無言で、強く左手をつねる。 姫巳  「・・・居るものなんだね、君のような幻想的(ファンタジー)な存在も。」 瑕耽  けれども 違う 姫巳  流石に常識の外側で生きているんで、驚きながらも受け入れる。 瑕耽  単調さに潜む意志がある GM  詩織「……え。 え?」 瑕耽  ――邪魔     一瞬 人形がそう言った気がした GM  詩織「何かの……ええと、ロボットですか?」     遺櫃「そう思いたいのなら、そう思えば良い。けれど、事実とは違う所にあるね」     あまりにリアルな、     あまりに感情を滲ませる、     信じがたいその人形に、言葉を、失う。     詩織「…………」 姫巳  「いや・・・違うように思うが・・・」     邪魔と言う意思を感じたのか、気配だけを感じたのか     「喋って挨拶をして、心を持っているのであれば。」     「機械(ロボット)でも、幻想(リビングドール)でも、十二分に驚異だろう。」 GM  先ほどから、事態へついていけてない。     なんなんだ、ここは……そう、にわかに思い始める、詩織。     遺櫃「では、使用人たちを紹介しよう」     指をならす音と共に、追い討ちが来る。  柊  「・・・鏡原。」 GM  ずらずらと     人――     が――     入ってくる。     詩織「ひ……っ! きゃ、きゃあああああ!?」  柊  「・・・ゴメン、な。」     ワーディング、発動っ!     鏡原を、気絶させますっ! GM  遺櫃「無粋な」     微笑んだまま、しかし不愉快そうに、遺櫃が言います。 瑕耽  「………」 姫巳  「僕の美学にはそぐわないね。生かすにも殺すにも、もう少し綺麗にしてあげないとダメだ。」     「耽ではあるけど美じゃあないね、これは。」  柊  「・・・鏡原にコレはキツイですよ。コイツは、あくまでも『異常』の外にいるべき人間です。」 姫巳  鏡原が気絶したので、その分だけ本性が出る。     冷たく鋭く嘲笑する。そのメイドたちと執事を諾として侍らせる感性を。 GM  頭の――上部が『無い』男性。  柊  柊は、鏡原を庇うような位置に移動する。     もし意識を取り戻しても、またすぐに気絶させられるように。 GM  顎から――下部の顔を『削られた』女性7人。     顔は揃って同一、白い肌に、暗い白目。黒目が逆に、明るい色。     身長だけが、計られたように違う。     どの『使用人』の傷口からも――生々しい肉が見える。     遺櫃「気絶させてどうするんだい? 可哀想じゃないか」  柊  「この光景を見せ続ける事も、酷ですよ。」 GM  遺櫃「夢へ逃避させるのが優しさだとでも? 例え悲鳴をあげたところで、彼女は向かい合う事を望むんじゃないかな。        それにこの館にいる限り、彼らには必ず遭遇するよ。その都度気絶してもらうのかい。        へぇ。君は気絶させるのが趣味だったのかな? ある意味殺人鬼よりも趣味が悪いよね」     くす、と笑って。     遺櫃「『これから』のために、今の内に慣れておいて貰った方が、良いと思うけれど」 姫巳  「・・・殺人鬼殺人鬼と、気安く呼ばないでくれ。殺人という罪を犯すのは人間だけだ。」     「動物、いや鬼が人を殺しても、それは人間にとっての不幸な事故か鬼にとっての当然の結果であって、殺人という罪じゃない」     ・・・     「本当に、何で彼女は、ここにきてしまったやら。僕なんかが居るような場所に・・・」と、嘆息して GM  遺櫃「ま」  柊  「・・・気絶させるのは、『趣味』じゃないんですけどね。」呟く GM  遺櫃「とりあえず、起きてもらおう。名前くらい、把握しておいて貰わないと」 姫巳  視線を遺櫃に向ける     彼女は、どうしてここに来たんだ、と問うように。 GM  ぴっと……《帰還の声》。     鏡原詩織が、目を覚まします。     詩織「……な……きくん? 神無月、君」 姫巳  「遺櫃、説明を願えるか」     視線じゃ伝わらないようなんで、言葉で問う。     詩織は何故ここに居る、と。 GM  遺櫃「聴いたからだろう?」     オルゴールのメロディが、脳裏に響く。 姫巳  「・・・ふん。」その説明に、溜息。 GM  詩織「神無月君……大丈夫だから。うん、大丈夫……私は平気」     青ざめてはいるが、気丈に微笑みます。     確かに、落ち着きはしたらしいです。  柊  「・・・本当に、大丈夫なんですか?」     心配げに見つめる GM  詩織「……うん」     頷きます。 姫巳  そんな柊を見つめる。     遺櫃「また倒れてしまう前に、紹介だけさせてもらおう。根津」 GM  呼ばれて、きしゃりと……鼻と口しかない顔が、微笑む。     執事服に身を包んだ、頭上半分のない人間。     根津「執事の、根津(ねづ)と申します。そして、身長の低い方から――」     メイド達を示し。     根津「否螺(いなら)」      身長112.1cm。襟元にAと書かれたメイドが、お辞儀をする。     根津「賂梨(ろなし)」      身長125.8cm。襟元にBと書かれたメイドが、お辞儀をする。     根津「葉等(はなど)」      身長133.3cm。襟元にCと書かれたメイドが、お辞儀をする。     根津「似慣(になれ)」      身長149.7cm。襟元にDと書かれたメイドが、お辞儀をする。     根津「穂波(ほなみ)」      身長167.9cm。襟元にEと書かれたメイドが、お辞儀をする。     根津「経花(へなふぁ)」      身長177.9cm。襟元にFと書かれたメイドが、お辞儀をする。     根津「隣祖(となそ)」      身長199.7cm。襟元にGと書かれたメイドが、お辞儀をする。     根津「以上、7名がこの館のメイド。ご自由にお使い潰し下さいませ」     同じ人物が成長しただけのように――同一の顔、表情。     そして、下顎をスッパリと切り落としたような、異様な顔面。     彼女たちは、もう一度揃って、腰を折る。     青ざめた顔で、詩織はその様子を見ていた。 GM  ――奇異。     ――異常。     ――狂乱。 姫巳  「七人姉妹か、クローンか、それとも整形でもさせたか?」     「この礼儀は、調教か、洗脳か、それとも、外科処置(ロボトミー)か?」 GM  どこまでも、歪さを感じずにはいられない。 姫巳  無粋に苛立ち、思わず殺人鬼の一面を除かせる。     「・・・いずれにせよ、粋とはいえないね、これは。」不快感を露にする GM  遺櫃「彼女たちはただ、そうであるようにそこに居るだけさ。        良くしてやってくれ。そうすれば、良くしてくれる。ああ見えても感情はある」     そう言ってから、もう一度指を鳴らす。 姫巳  「無論だ。ああ見えてもは余計な文句。性根が知れるぞ。」 GM  メイド達は、料理を取りに行ったようです。 姫巳  「ああ、一つ頼みがある」     と、顎なしメイドたちに、注文をつけよう。 GM  最後尾を歩いていた、隣祖が止まり、振り返ります。 姫巳  「メニューにあればよし、無ければ頼む。」     「良く洗って冷やした皮を向かない生のトマト、無ければ100%のトマトジュース。」     「辛めでとろみのないウスターシャソースの小瓶を添えて、持ってきてくれ。」 GM  くきり、と、お辞儀をします。     承りましたと言うように。 姫巳  「・・チップを。ここでどれだけの意味を持つか分からないが、感謝の印と思ってくれ」     といって、幾許かの金子を渡します。 GM  ふるふると首を横に振ります。 姫巳  「では、何をもって報いればいい?」     首を振る彼女に問う。 GM  隣祖「……」 姫巳  「僕の謝礼か?貞操か?それとも、君たちの雇い主の首とこの屋敷からの開放か?」     冗談めかせるが、半ば本気で問う。 GM  両手の人差し指で、本来あるであろう頬の部分を示し     それを、きゅっと、吊り上げるようにします。     笑顔で十分。     それは私たちには、どうした所で手に入らない。     貴方達はその特権を、存分に誇ってくれれば――     ――私たちは、傅く事に躊躇しない。 姫巳  「・・・」しっかりと、笑顔を変えそう。     「すまないね。君たちに、これそのもの(顎と頬)をプレゼントできれば、それに越したことはないのだが。」     だから精一杯笑顔を返す。 GM  満足そうな色を瞳に滲ませ、再度礼をした後、後ろへ下がります。     遺櫃「……彼女たちが、そのまま直視するのが難しいほど奇異で、あるいは醜いと言う事は、明白だ」     彼女が去っていったのを見て。     遺櫃「しかし、歌う事の出来ないその造形を、人に尽くすと言うその立場を、彼女たちは誇っているんだよ。        無闇に表現へ気を使う方が、むしろ無粋さ」     それは、逆に侮辱へなりかねない。 姫巳  「そこに怯える者がいて、そこに恥らうものが居るなら」     「気遣うのが当然だ。殺人鬼か・・・殺人鬼になりきっていない中途半端な愚か者ならばな。」     「当然を疑うものは、文化的とは言えないぞ遺櫃君」     貴様の美しさなど何だと言うのだ     私が卑しいように、貴様も卑しいのだと     嘲笑ってやろう。 GM  遺櫃「良いね。他者否定による自己肯定。あるいは自己否定による世界肯定。        僕は自身の美しさを相対的に理解しているだけで、それが誇りであったり矜持であったりあるいは劣等感であったりは        ――しない」     くすり、と微笑んで。 姫巳  「絶対の基準を持たぬ、もしくは求めぬ柔弱の戯言だな。」 GM  遺櫃「さて。紹介も終ったし……食事は部屋で食べるかい? 鏡原さん」     詩織「え?」 姫巳  「この世で尤も卑しき私も、だからこそ断罪を求め、尚はいずるというに。」 GM  遺櫃「悪いね姫巳。とりあえず僕は今鏡原さんと話しているんだ。        君の事は愛しているけれど、愛しているからこそ従ってもらう。        僕は彼女を気遣っているんだ。文句は無いだろう?」 姫巳  「・・・彼女を気遣うべきというのは、同感だ」     矛を収め、気遣う。 GM  遺櫃「根津やメイドの顔が怖いんだろう? それに、少し込み入った話が広げられるんでね」     と、詩織へ振り直します。     詩織「えっと……」     遺櫃「本来この館に来るはずではなかった君が居ると、話しづらいお話もあるんだよ。すまないね。        避澄」     避澄「はい」 GM  遺櫃「彼女をお部屋に。鍵も渡してくれて構わない」 姫巳  「鏡原、大丈夫か?」 GM  詩織「大丈夫です……! あの……すみません」     何がすまないのかわからないが、すまなさそうに頭を垂れます。     避澄「はい」     と、席を立ち、詩織さんの所へ行く避澄です。     避澄「食事は部屋に運ばせるわ。ごめんなさいね、楽しい会話の場に居てもらえなくて。        けれど大丈夫。この先にもいくらでも、機会はあるはずよ。きっとそうだわ。        さ、こちらよ」     詩織「は、はい……えっと、ごめん……神無月君。すみません、清智先輩。        神無月君、後でよかったら……差し支えない範囲で、お話聞かせてね」 姫巳  「謝るな。罪人は私だ。君は、咎無きがゆえに苦しめられているだけのこと。自己紹介も出来ない、私の苦渋に。」     視線を詩織からあえてそらし、そう言う。     「だから、聞くも聴かぬも、己のために、己の意思で決めるんだね。自分を守る一番の守護者は自分だ。」     と、自我を脅かす情報には目を瞑ってもいいのだと言っておこう。  柊  「わかりました。と言っても、どこまで話せるのかは分かりませんけど・・・」 GM  にこ、と笑って手を振って、詩織は避澄に連れて行かれます。 姫巳  「・・・彼女には、君を通じて、オブラートに包んで、伝えてもらえるか」     去る鏡原を見送りながら、柊に言う。  柊  「伝えられる範囲で、ですけどね。」 姫巳  「・・・神無月柊。君は「コイツは、あくまでも『異常』の外に居るべき」と言ったね」  柊  「はい。」 姫巳  「逆に言えば、君は「異常の中に入っても構わない」ということか?」  柊  その問いには、苦笑で返す。     「その質問は、まず前提として自分が異常の外に居るのが条件でしょう?」     「自分はもう、異常の中にいますから。」     そう言って、右腕の砲を露わにする 姫巳  「・・・」     驚嘆に目を見開き、失望に目を細め、怒りに口を歪め、慰めに眦を緩め、そして、開放に口元を正そう。     「そう、か・・・君は、僕たちの側、か」     失望したように、     希望を見出したように、狂おしく笑う。     笑いながら、視線を彷徨わせる。 GM  やがて、食事が運ばれてきますね。     避澄も恙無く、席へ戻ってきます。 姫巳  料理の中に     先ほどの注文の品はあるかな? GM  ありますよ。     約2メートル。長身のメイド隣祖と、他のメイド達も礼をします。 姫巳  生のトマト?トマトジュース?それとも、両方? GM  生のトマトです。 姫巳  では、はしたなくも、がぶりと。     真っ赤なトマトに黒くて辛いソースをかけて     丸ごとにかぶりつく、口の周りを黒赤、血の如き色で真っ赤にして GM  遺櫃「異常か。異常ね」     くすくすと笑いながら。 姫巳  「では、名乗ろう。名乗るまで僕を追い詰めたことを誇っていい。」     赤く染まった口は、血を啜る悪蛇の如し。     「僕のもう一つの名は「赤口(ミシャグジ)」。都市伝説の殺人鬼・・・」     手にしたトマトが、触手に抉られ、一瞬で吸い込まれて消える。     後に残ったのは、掌にまとわりつき触手うねらす怪生物と     赤い果汁に塗れた、どこか淫靡な口元と手指。     「どうぞ、よろしく・・・神無月、柊君。鏡原君に・・・よろしく頼む。」  柊  「・・・コレ、鏡原に伝えるには少し厳しいですよ…」     苦笑して、肩をすくめる。 姫巳  名乗ってしまった、猛烈な苛立ちと焦燥と     名乗ったからこいつを殺せるという、激烈な官能と陶酔     そして     何かを、取り返しが付かなくして     何かを、取り返したような     「なら、今は、楽しむか、楽しむふりをしよう。」     そんな思いを胸にする。  柊  「まぁ、自分も改めて名乗りましょう。」 姫巳  「改めて?」  柊  「学校での通り名は『居眠り柊』と、あんまりかっこいい物じゃぁ無いですし技だってただ爆破するだけのものですが。」 姫巳  興味深げに、失望したように希望したように呟く。  柊  「去年までは、『激情家』神無月柊で通してたんでね。」その表情に満ちるのは、好奇心。 姫巳  「・・・そう。激情。」     同じく、好奇心。それを、惹かれあう思いと言うべきか。 姫巳  「その激情は、何人殺して、何人狂わして、何人廃人にしましたのかしら?」     くすりと、殺人鬼の表情で笑う。  柊  「・・・一体何度吹き飛ばしたかは、もう覚えても居ないけど。」 GM  遺櫃「やれやれ。        促したときは、乗り気じゃなかったのにね」 姫巳  「・・・ああ、そうね。そうだったね。・・・全く、何て卑しいんだろうね、僕は」 GM  遺櫃「僕のリードは何のためだったのか。なんて言うと、またぞろ辛辣な反応が帰ってきそうだけれど。それも良いさ」     食事を、進めながら。 姫巳  遺櫃の言葉に頷きながら、柊の言葉を待つ。     もう一かじり、トマトをかじりながら。  柊  「・・・守ろうとした相手は、狂わせてしまいましたよ。」そう、寂しげに呟く 姫巳  「・・・可哀想ね。貴方は慰められるべきだし・・・そのおろかな子は、殺されるべきだわ。」     何かを、心のどこかで察したように     普段とは違う口調で、呟くよ。 GM  遺櫃「……瑕耽。君は喋らないのかい? 今日は静かだね。     避澄「それは仕方ありませんよ。だってすっかり、二人の世界ですもの。きっとそうだわ。     遺櫃「これは残念だね。僕は姫巳を愛していて、愛しているがゆえに招待したようなものなのに。        全く、残念な事この上ない」     しかし楽しそうに、くすくすと笑う。 瑕耽  「御主人様」 GM  遺櫃「なんだい、瑕耽?」 瑕耽  「何故、ご招待なさったのですか?」 GM  遺櫃「何故――ね」     すっと。     空気が変わるように。     遺櫃「良い質問だ、それは。何物にも増してね。やっとやるべき役目を与えられたかのように、良い質問だよ。        そう、より正しく真面目に――こんな言葉はお笑い種かもしれないが――言葉に示して言うのなら。         僕が君たちを招待したと言うのとは、少々違う。        勿論それに限りなく近くはあるが、しかし、根本的に違う部分があるのさ」     避澄は、もくもくと食事を続けている。聞き流す――ように。     遺櫃「どこにでもある契機。それはそう言うものさ。        招待してやってきたと言うより――踏み外して落ちてきた、と言うのがより正しい。        わかるとは思っていないし、わかってもらおうとも思っていないから、良いんだけれどね」     ワインを回して、それを飲む。     遺櫃「とりあえず、君たちはここから出られない。        ここで暮らしてもらおう。落ちてきたからには。何、不自由なものは何も無い。時間が駄々と広がっているだけだよ」 姫巳  「・・・ならば、自由に過ごさせてもらう」     「時間が駄々と有るなら、何だって出来るだろうよ。」     周囲とのやり取りを繰り返しながらも、聴いていたのか、トマトの最後の一口を飲み下して、そう言おう。 GM  遺櫃「うん。それが良いさ。まぁ、姫巳に限って自由は無いんだけれど。ある程度の自由と言うものを、君に与えよう。        重要なのは――僕が君達を連行してきたのではないと言う事。        君たちは、望んでここへ来たはずなのさ。あるいは――止むを得ず」 姫巳  「当たり前だ。私は私自身にも、完全な自由を与えては居ない。」     「全ての自由は、全知全能でもない限り、有る程度に過ぎないのさ」     新しいトマトに手を伸ばしつつ言う。 GM  遺櫃「口答えするのが楽しいかい? うん、これほど楽しい事って、あまり無いよね」     くすくすと笑って。     遺櫃「それとも僕が気に入らないだけかい? 僕は君のそう言うところが気に入っているんだけれどね」     美しい瞳で、射抜く。 比喩と言う表現を超え、それこそ貫かれたかのような、快感。     遺櫃「君を愛しているんだ」     惜しげも無く、言う。 姫巳  「気に食えば、殺したくなる。気に食わねば、殺したくなる。私にとっては、同じことさ。」と、遺櫃に言おう。 GM  避澄「契機。何だと思うかしら、柊君?        それはいわゆる、『歪』なんだけれど。そう言っても通じないわよね。曖昧だもの。曖昧模糊の『もこ』って可愛いわ」     談笑のように、言葉がねじれ飛ぶ。  柊  「・・・蚊帳の外で蚊に喰われてる間暇だし・・・」     「・・・君は、『何の為』に有ると言える?」     と暇つぶしに瑕耽に話しかけて見たり。 瑕耽  「『愛される為に』、と答えます」     柊の方を見ずに言葉を返す     視線は遺櫃に そして姫巳に向けたままで GM  遺櫃「ふふ。今日も美しい事を言うね、瑕耽」 瑕耽  主の言葉に、この場に来てから初めて笑みを浮かべる  柊  「なら、『愛』の定義とは如何に。」     と、問答でもするような口調で問いかける。 姫巳  「・・・難しいことを言う。愛することより、愛されることは、千倍は難しいのに・・・」     諭すように、自嘲するように言おう。 瑕耽  「愛されるということは、愛されるということ。ただ、それだけです」     「それとも。それ以外に何かあるのですか?」 姫巳  「盲愛、偏愛、被愛妄想、利用されるだけ・・・色々あるさ。」  柊  「・・・ま、そりゃ『コレが正解』って答えもないし人それぞれ何でしょうね・・・」肩をすくめる。 GM  遺櫃「愛すことにも愛される事にも『定義』は必要無いだろう?        それとも、『愛』を感じる事すら出来ないのかい、柊君?」        なんてね……ふふ」 姫巳  「感覚を補強するための言葉が、必要な時もあるさ。そういうことだ」 瑕耽  「全て既存の何かに当てはめないと不安なのですね」 姫巳  「既存の何かから自由でないと怖いか。」     「そうでないと、オリジナリティを自分に認められないから」 GM  遺櫃「君達は、おそらく――これから、体感するだろうね。        誰かを出汁にしての恋愛沙汰。人の生き死にを糧にしての、想いの確かめ合い。現象が眼中に無い思想」 姫巳  「・・・さあて、ここに来たのが、正解か、失敗か・・・困った、分からなくなってきた。」     制服を汚して、トマトを一かじり。     「そんなもの、うつしよなら、何処にでもあるじゃないか」 GM  遺櫃「目の前から目を離すという愚行、それを愚行とすら評価されない段階。おっと、姫巳――        それでも瑕耽を虐めるのはよしてくれ」 姫巳  「・・・すまないね、そんなつもりじゃあ、無かった」と、そこは謝罪して、瑕耽に頭を下げよう。  柊  「全ては、終わってみなきゃ分かりませんよ。」 GM  遺櫃「いいや。        終ってもわからないだろうね。        わからないまま終る、という奴だ」 姫巳  「分かる分からないと、納得するしないは、違うからまあ」     「そんなのはいやだ、と、言うだけで、その悲劇は打ち壊せると・・・僕は信じるよ。」 GM  遺櫃「信じると言う行為を信じていないのにかい? おや、これは意地悪だね」 姫巳  「・・・」  柊  「・・・結局、悩んでも今出る答えは一つしか無い。」     「2つ目、3つ目の答えを見つける為にも、今はこの館に馴染むしか無い、か。」 姫巳  「私は、赤口(ミシャグジ)だからな。人間とは、違う・・・あれは、つい語ってしまった、人間の見る夢だ」  柊  「・・・『赤口』が人間ではないと、果たして誰が決めたのやら。」そう、呟く。 GM  かちり、と、フォーク類を置いて。     遺櫃「例えば、寡黙な人間と、饒舌な人間が同居したとしよう」        寡黙な人間は、その名に恥じず、ほとんどモノを喋らない。自己表現をしない。        饒舌な人間も、その名に恥じず、ひたすらモノを喋る。自己表現しかしない」 GM  遺櫃「文字量としてバランスが取れているか――? いや、違うだろう」        ふふ。        これは互いに、不揃いなだけさ。互いの不揃いさが互いを補う事、何てことはありえない。それは自明の事だね」 姫巳  「無口は0、饒舌は1.」 GM  遺櫃「いやいや。互いに異常だよ。どちらも狂ってる」        両者が互いにしわ寄せを作っているだけ」 姫巳  「0と1があれば、二進法が出来るくらいには、補いあってるんじゃないかな?」     「1と1よりは、いくらか」と・・・     私という1と、お前=遺櫃という1は     並び立たないのではないかと問題提起する。 GM  遺櫃「1と1があれば、幸せだろうねぇ。互いにそれは完結していると言いたいんだろう?        完結した存在が隣り合っていれば、それは安全で、安定で、そして安寧で、平和な、幸せさ」  柊  「私は、『赤口』を人間として見ますよ。」     「私自身が『人間』たるために。」 GM  遺櫃「しかし世の中は小数点以下でしかない――話のかみ合わない、唾の掛け合い!」     かしゃん。     避澄「ご馳走様です」     遺櫃「うん、ご馳走様だね。美味しかったよ、根津」     根津「何よりで御座います」     メイド達「……」 無言で、礼。     遺櫃「歪なままで申し訳ないが、適当に晩餐を終了しよう。何、話し合いはいつでもいくらでも出来るさ。        神無月柊君! 君は個室へ、避澄に案内してもらうと良い」     避澄がるんるんと、席を立ちます。立ち振る舞いも清楚に。 姫巳  目を瞑って、トマトをかじり、柊、遺櫃、両方の言葉を聞く。 GM  避澄「行きましょう、柊君」     手を引いて。  柊  「あ、分かりました。」席を立つ GM  遺櫃「姫巳は僕が――と言いたいところだけれど、僕は瑕耽を連れて行かないといけない。        甘えん坊なものでね。可愛いだろう?        メイドか、根津に頼むと良い」 姫巳  「赤口は、退治出来ない魔性か、対峙する必要の無い人か。・・・僕には分からない。見る人次第、かもしれない。」 GM  遺櫃「では、また明日の朝、会おう。楽しみにしているよ。おやすみ」     すっと。     輝く鱗粉を後に残すように。     美しい残り香を漂わせるように。     微笑んで――     ――唐突に、一方的に、音鍵遺櫃は、場を〆た。     ――館の主―― GM  そう言う事だろう。 姫巳  「おやすみ・・・」浅ましさを噛み締め挨拶を。     ここに来たのは、過ちだったかもしれないな。 GM  瑕耽を『寝室』へ戻し……遺櫃は君に微笑みかける。     遺櫃「君も――だよ。瑕耽」      君も ? 瑕耽  「?それはどういうことでしょうか。御主人様」 GM  遺櫃「君が。        ホストサイドではなく――ゲストサイドに座っていた事に、気付いたかい?」     優しく、遺櫃が瑕耽の頬を撫でる。 瑕耽  「…あ」 GM  遺櫃「いつからあそこに座っていたか、覚えているかい?」 瑕耽  「…それ、は―――」 GM  遺櫃「 君も 踏み外したんだよ。 ……どこかでね」 瑕耽  いつ、から?     いつ、から GM  オルゴールの音が 瑕耽  私は――― GM  耳元で囁くように、回転してゆく。 瑕耽       いつ? GM  遺櫃「……おやすみ、瑕耽」     まどろんで。       そのまま、瑕耽は、違和感を忘れてゆく。


               

    『歪』INDEXへ戻る