GM |
さて。 まぁ、結花さんのシーンを少しやりましょうか。 こちらに構想はないですけれど。 |
結花 |
では、そんな尚くんと灯ちゃんのやりとりを途中から目撃してしまって 部屋に入るでもなく、隠れるように壁にもたれる。 |
GM | はい。 |
結花 |
「わたしの手は……どうして、こんなに小さいんだろう」 自分の手を見つめながら。 |
GM |
青藍「何をたそがれてらっしゃるんですか」 美貌の青年が、非常に冷ややかな目で結花さんを見てました。 |
結花 |
「……みんな、死んじゃった」 「なんで、わたしの手はこんなに小さいんだろう……?」 |
GM |
青藍「それは、小さいと思っているからでしょうね」 冷徹、とも言えるくらい、冷たそうに、彼は言います。 |
結花 | 「おじさんは、こんなことになっちゃう前はなにしてたの?」 |
GM | GAKUTOレベルの美青年を捕まえておじさんとか凄いですね。(笑) |
結花 | 年上だから(笑) |
GM |
青藍「……」 口もききません。 |
結花 | 「こんなことになっちゃう前は、ケンカもあったけどみんなで仲良く協力すればなんでもできると思ってたんだ」 |
GM | 青藍「……はぁ」 |
結花 |
「でも、町がこんなふうになっちゃって…」 「始めは、なにもわからなかった。灯ちゃんや、四季先輩に助けられてばっかりで」 「力を自覚してからは、みんなを守ろうと思った」 「みんなで協力し合って、仲良く頑張ればこうなっちゃう前みたいのときみたいにうまくいくって思ってたんだ」 |
GM |
青藍「…………」 結花さんではない方向を見るようにして、彼は言います。 青藍「“Powder”も――“彩める空”も、不本意でしたでしょうに」 ぽつり、と。 |
結花 |
「でも、それはちがくって……。うまくいってたって思ってたのは、みんな怖かったからだったんだ」 「こんな力を手にしたら、みんな簡単に変わってしまう。ついこの前まで同じ教室で勉強してた仲間を、簡単に殺せてしまう」 「それでも、わたしはみんなを守りたかった。救えるだけの人を救って、協力しようってみんなに言いたかった」 |
GM | 青藍「左様で」 |
結花 |
「でも、わたしの手はこんなに小さくて…誰も守れなくて……喪うことばかりで………」 「いまだって」 と言って 尚くんたちのほうを見よう。 |
GM | 青藍「貴方、鬱陶しい方でらっしゃいますね」 |
結花 | 「鬱陶しい…のかな?」 |
GM |
青藍「――ああ、嫌ですね」 青藍「何故私がこんな役回りを」 ブチブチと言ってから。 青藍「数日間、あの叢雲寺で、貴方の様子を観察させて頂いた身で言わせてもらいましょう」 青藍「勘違いはなさいませんよう。死んでいった“Shower”や“Powder”……そして“Dry”、“Gale”、“Breeze”……」 青藍「彼らがあまりにも浮かばれませんから、言うのです」 見下すように。 青藍「貴方、周りに何を期待してらっしゃるんですか?」 |
結花 | 「……期待?」 |
GM |
青藍「保護? 慰め? 貴方の行動はまるで他人に『こうなって欲しい』『こう動いて欲しい』『こう言って欲しい』と、頼みこんでいるようだ」 青藍「代償も無しに。支払いも無しに」 |
結花 | 「……そう、だよね。わたし、身勝手だよね」 |
GM |
青藍「守られて欲しい、救われて欲しい、協力して欲しい、果ては、慰めて欲しい」 青藍「で、思惑どおりに動いて貰えなかったら、自己嫌悪ですか」 青藍「貴方を責める役割まで、他人に押し付けている。自らの働きが足りなかったのだと納得するのではなく」 青藍「自分を責める振りして、世の不条理や、他人に向かって絶望している」 青藍「甘ったれないでください。誰もあなたのことを気にかけている余裕なんてありませんよ。不愉快しごく、極まりない」 |
結花 |
「そう…だよね。だから、なにも守れなかったんだよね」 「……なら、この守りたいって思う気持ちは間違いなのかな?」 |
GM |
青藍「守る? それがそもそもおこがましい」 青藍「貴方が今まで生き延びているのは、少なからず周囲に『守られていた』からですよ」 青藍「そんなこと、あの少女――」 ひとり、力なく座っている犬の方に目をやって。 青藍「年端の行かない少女ですら、守られていることを自覚していた」 |
結花 | 「………!」 |
GM |
青藍「間違いだとか、正解だとかでは、もはやありません。愉快か、不愉快の話ですよ」 青藍「自分のやったことくらい、責任を取ったらいかがですか」 青藍「自罰や自虐は責任を取ることでありません」 |
結花 |
「……責任は取るよ」 「みんなのぶんまで、頑張って生きる。死んでいった人たちのぶんまで精一杯生きる」 「もうこれ以上、仲間を殺させない、死なせない」 「どんな手段を使ってでも、守り抜く」 「―――そう、思ってたはずなのに」 と、灯ちゃんのほうを見て泣こう。 |
GM | 青藍「……それは、他人に対して死ぬことを許してない。ただの傲慢です」 |
結花 |
「不愉快だとか傲慢だとか、そんなこと言われてもわたしわかんないよ!」 「守りたくって、守ろうとして、でも、なにもできなくって―――」 |
GM |
青藍「はぁ」 ため息をついて。 青藍「貴方は、どんな形であれ、我を通した」 青藍「なら、それ以上、何がしたいんですか」 青藍「貴方は私の任務の邪魔をした。立派にそれは達成したじゃありませんか」 忌々しいですね。と言います。 青藍「でもそんなことはやりたいことじゃなかった、とでも言うつもりですか?」 |
結花 | 「それは……」 |
GM |
青藍「でしたらやはり、責任を取れてない。もう一度言います」 青藍「甘ったれるのもいい加減にして下さい」 そう言って、彼はその場を去っていきます。 |
結花 |
「わたしは…わたしは……」 その後ろ姿を見送りながら。 ガンっと壁にオデコをぶつけよう。 ―――わたしの手はこんなにもちっぽけで なにも守ることができない なにもできない自分 こんな自分が生きていることに何の意味があるのだろう でも、目の前で死んだひとたちがわたしに死ぬことを許してくれない わたしが死んだら みんなの死が無駄になる 決めたんだ、守るって 何を期待するでも、何を要求するでもない 死んでいった人たちのぶんまで、守るって なのに わたしは――― 「うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 号泣します。 そして、右手を壁にたたき付けて宣言する 「守る…。可愛子ちゃんを、剛先輩を、麗香ちゃんを、尚くんを、守る」 「絶対に守り抜く……」 「絶対に……」 鬼のような表情で言ってシーン終了 |
GM |
はい。 お疲れ様でしたー。 |
結花 | お疲れ様でした |
GM |
さて置き、次回のタイトルだけコール。 第四棺 「唯麗しきあの人の埋没 ――the Vale of monochrome」 第四棺もよろしくお願いします。 |