File.01 『黄金の林檎』

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  GM : というわけで、続いて明良君のオープニングから始まります。        ハンドアウトを流しますね。    ▽ハンドアウト−佐奈川 明良−  漆黒の馬鹿が死んでから半年、新しくきた連絡係は別ベクトルの変態だった。  真剣に組織を滅ぼした方がいい気がしてきたが、こんなのが標準だとすると二の足を踏む。  まだ時期じゃない、戦力も状況も整ってないし焦ることはないんだ。  今回、奴が来たのは新しい任務を伝えるため。  その任務は『脱走した薬化学者の捕獲または抹殺』というもの。  わざわざ暦市に来るなと言いたい。  最近では町に組織とは関係ないところで新型麻薬が出回っているとか。  まったく、厄介なことってのは連続するのが常らしい。  ……ひょっとして、繋がってないだろうな、この二つ。   明良 : またか?(笑)
  GM : 気にしたら負けです。
  明良 : まあわかった。
  GM : というわけで、明良君。        季節は初夏でしょうか、6月のあくる日。        いつものアジトでの朝です。        まどろみの中、トントントン、とリズミカルな音が聞こえます。
  明良 : ん…?
  GM : まな板の上で何かを刻むような音ですね。
  明良 : 「っ!」        跳ね起きて体勢を整える。
  GM : ???「ふん、ふふふん、ふ〜ん♪」        目が覚めて、見渡す限りいつものネグラです。
  明良 : で? 侵入者は?
  GM : キッチンで料理をしています。
  明良 : 「……」        とりあえず状況確認。
  GM : 一応、1フロアのコンクリート打ちっぱなしのイメージでしたが、        特に指定があればアジト描写は自由ですが。
  明良 : なんだそれ?(笑)        あーと。自宅とは違うところか?        ま、適当な拠点か。それでいい。
  GM : ベッドと時計、キッチンに小さな冷蔵庫、それだけの殺風景な一室に、        アフロの男が鼻歌交じりに料理を作っています。
  明良 : てめえウルメイダ!
  瑞樹 : アンドレイ・ウルメイダが!(笑)
  GM : 決して殺し屋ではありません(笑)
  明良 : 「てめえ誰だよ!」
  GM : ???「ふふふん、ふ〜……あ〜ら、お目覚め?」
  明良 : 「誰だよお前」
  GM : ???「オホホホホ、嫌だわアキラちゃんったら。            こんな怪しい男が一般人なわけないじゃなぁ〜い?」        手の甲を口元に当てるようにして笑いながら、男は笑顔でコンロの火を止め鍋を持ち上げます。
  明良 : 「つまり強化人間で新しい連絡役かわかったもういい。         で、話は?」
  GM : アフロ「委員会からわざわざ呼び出された、アフロディーテって言うのよぉ〜? よろしくねぇ〜」
  明良 : 「前半だけでいい。どんな詐欺だよ……サイロイドだ」
  GM : アフロ「ま、ま、とりあえず、海軍カレーが冷めない内にどうぞ〜」        どん、と鍋がそのまま突き出されます。
  明良 : 「いや、アフロでオカマの作ったものを食う趣味はない」
  GM : アフロ「まぁ、ひどぉ〜い。仕方ないじゃなぁ〜い?            連絡係は機動力がイ・ノ・チよぉ〜?            堕天使ちゃんみたいな《空間転移》なんて、            レアな能力者はそうそう居ないのよぉ〜?            最重要情報は口頭伝達が基本だしぃ〜、            やっぱりアタシたち強化人間がやるしかないじゃなぁ〜いい?」
  明良 : あいつの能力は空間転移だったのか…
  GM : 行き成り背後に出現したりする演出がある予定でした。
  瑞樹 : 何で死んだの?(笑)        いや、死亡シーン見てないけど(笑)
  明良 : 「で、任務は?」        壁際によりつつ。
  GM : アフロ「んもう、せっかちさんねぇ〜。新しい任務はぁ〜」        と、浮ついた雰囲気が静まり、機械のように事務的な口調に成り代わります。         『裏切り者を討伐せよ。彼の者は委員会にとって大いなる災いを持つ』   GM : アフロ「……って、ことらしいわぁ〜」
  明良 : 「裏切者の排除か。OK。強化人間か?」
  GM : アフロ「いいえぇ、科学者……っていうより、研究者かしらぁ〜。            強化人間用の能力薬なんかにも関わってる、いわばエリートねぇ〜」
  明良 : 「ふうん」
  GM : アフロ「何が不満なのか、随分前に委員会から与えられた研究施設を引き払ってぇ〜。            行方知れずだったのが、つい最近、この街で目撃された、って話よぉ〜?」
  明良 : 「資料はあるか?」
  GM : ずぼっ、とシャツの中から紙の束を取り出します。        アフロ「んふふ、温めておいたわ〜」
  明良 : うげえ。        「そこらにおいておいてくれ。で、期限と処置は?」
  GM : アフロ「まぁ〜、可能なら捕獲、出来ないなら処分って感じねぇ〜。            言っちゃうと、期限は特に切られてないけどぉ〜、            正直目撃されたのも久しぶりっこちゃんなのよぉ〜。            期待が大きい分、逃げられたら大目玉、探すなら急いだ方がいいかもねぇん」
  明良 : 「俺は能力の使用に薬が必要なんだが、それは?」
  GM : アフロ「とりあえず一週間分支給しておくからぁ、大事に使ってねぇ〜」        今思いましたが、この薬は返却義務とか無いんですかね(笑)
  明良 : いや、あると思う(笑)
  GM : 虚偽報告でちょろまかしてるんですよね(笑)
  明良 : そういうことだな。3日のところを4日かかったと報告したりだな。        前は駄天使があれになったんでうやむやだったしな。
  GM : いまや名残は明良君の携帯の着メロだけです。
  明良 : ま、さておき。
  GM : アフロ「それじゃあ、よろしくねぇ〜?」
  明良 : 「ふうん、能力薬ね……俺の薬もこいつが関わったりしてんのかね」
  GM : アフロ「初期生成時期はあったかもねん?            まぁ、今では直轄の研究所で量産できてるんだけどぉ」        パタパタと手を振りながら、        アフロディーテは窓枠に足を掛けて振り返ります。        アフロ「じゃあ、アタシはもう行くわ。寂しくなったら、いつでも連絡ちょうだいねぇ〜ん?」
  明良 : 「しねえよ」
  GM : アフロ「さしあたり、一週間で結果が出なかったら中間報告だから。それじゃあねぇ〜」        デュワッ! と。        アフロディーテは窓から外へと飛び出して生きました。
  明良 : 窓からかよ…
  GM : ウルトラマンのポーズで。        さて、そんなこんなで締めですが、一応最低限の情報として。        コードネームは【ディスコード】、それが目標の名前です。
  明良 : ふうん。        ま、非戦闘員の拘束だ。大した問題じゃないだろ。
  GM : まったくです。        むしろ、表の仕事である麻薬の売買の方が今は大変なくらいで。
  明良 : なんかあんのか?
  GM : 最近、明良君が管理している暦市内で、        【アンブロシア】なる新種の麻薬が何処からか流れているようでして。        薬の売り上げに影響があるのは勿論、それだけでなく、        場を管理しきれていないってことになりかねない状況です。
  明良 : ふうん。
  GM : と、そんな感じですね。
  明良 : じゃあカットか?
  GM : では問題なければこれで明良君のオープニングを締めたいと思います。
  明良 : おう。
  GM : お疲れさまでした。
  明良 : 次は瑞希だぞ。
  瑞樹 : おう
  GM : では、続いて瑞樹さんのオープニングに参りたいと思います。        まずは、ハンドアウトを流しますね。    ▽ハンドアウト−浅賀 瑞樹−  ちょっと(?)不可思議な前の事件から、既に半年。  親友の柚穂ともども、今日も変わりなく日々を過ごしている。  あえて変化と言うなら、柚穂はもう先生の事を何とも想っていないみたい。  日常。常なる日。  けれど、そこに裏側があることを、計らずとも知ってしまった。  あれが何だったのか、正確なところは理解できないし想像もできない。  できないけど――確かに在ったことだと、知っている。  だからだろうか。  夜道、路地裏で聞こえた物音が、こんなにも気になるのは。  君子危うきに近寄らず。虎穴に入らずんば虎児を得ず。  選ぶのは――どっち?   瑞樹 : はーい!
  GM : というわけで。
  瑞樹 : どきどき。
  GM : 瑞樹さんは何か不思議なことがあったなぁ、        と思いつつも今日も今日とて日々を面白可笑しく生活していました。
  瑞樹 : ごまかされたのでもう完全に過去のことに!        思い出になり申した。
  GM : 柚穂とも特に問題なく親友活動を続けております。        あと、瑞樹さんは詳しく知りませんがクラスの友達の建巳郁子さんも退院しました。
  瑞樹 : よかったよかった。
  GM : 全然関係ないですが、D君も居ます。
  明良 : だからどうした(笑)
  GM : というわけで、日々変わりない日常が、瑞樹さんの元に帰ってきたわけです。        千里さんのクリティカルな誤魔化しのお陰で、実際にあったあの件はうやむや。
  瑞樹 : うむうむ。        うやむや。
  GM : けれど、ふとした拍子に思い出すことがあります。        そういえば、なんか在ったなぁ、ってな感じに。
  瑞樹 : なるほどー。
  GM : それは、瑞樹さんが柚穂と買い物に出かけた休日のことでした。
  瑞樹 : ほうほう。
  GM : 柚穂「はぁ〜、描写は無いけど腐るほど遊びまくって、もうクタクタだわ」
  瑞樹 : 「メタ台詞通りで遊びまくって私は大満足!」
  GM : 6月の休日、例によって柚穂と買い物に出かけ、今は帰宅の途上にあります。        夏は日が長くなるとはいえ、既に外は暗くなり始めた頃ですね。
  瑞樹 : 「遊びすぎたかな。もう暗くなってる」
  GM : 柚穂「時間を忘れるほど遊びまわったからね……           と、そういえば瑞樹、聞いたことある?」
  瑞樹 : 「おう?」
  GM : ひそっ、と声を落として、        柚穂「実は……最近"出る"らしいのよ……」
  瑞樹 : 「出る?         実が?」
  GM : 柚穂「いやぁ、むしろ最近お通じ悪くて……って、死ねいっ!」(ずびしっ!)
  瑞樹 : 「ぎやー!」
  GM : 柚穂「夏の日に出るといえば【YOU LEI】に決まってんでしょう、常識的に!」
  瑞樹 : 「YOU! RAY!」        ぴかー
  GM : 柚穂「そう! いまや季語にも使える夏の風物詩!」        じゃじゃーん!
  瑞樹 : 「あれ季語に使えたのかー!」
  GM : 柚穂「嘘だけどー!」
  瑞樹 : 「騙されたー!」
  GM : 柚穂「あ、でも「肝試し」は季語に使えたはずだからノーカンで!」
  瑞樹 : 「仕方ない。ノーカンにしてあげよう」        尊大。
  GM : 柚穂「ありがとう。           お礼に目撃情報が瑞樹が帰る道だという事実をおもむろに教えてあげるわ」        びし、と分かれ道を指差し。
  瑞樹 : 「ま、マジですか」
  GM : 柚穂「うん。ちなみに私はこっちだから、安全地帯」        と反対の道を指差します。
  瑞樹 : 「そんなぁー!         幽霊とか、幽霊とか、マジですか!」
  GM : 柚穂「実際に目撃したら体験談宜しく! 突撃インタビューがあるとなおよし!」        ぐっ、と親指を立てます。
  瑞樹 : 「無責任な! 呪われたりしたらどうしよう!」
  GM : 柚穂「大丈夫よ!」
  瑞樹 : 「何が!」
  GM : 柚穂「(私は)大丈夫よ!」
  瑞樹 : 「言外の無責任さが透けて見えるー!」
  GM : 柚穂「ほ、ほら、最近暑くなってきたし、寝る時涼しくなれるかも、やったね!」
  瑞樹 : 「涼しくなるんじゃなくて冷たくなっちゃうよ!」
  GM : 柚穂「なむー」(ちーん)
  瑞樹 : 「ううー、いや、会うとは限らないし、急いで帰れば、問題ないは、ず!」
  GM : 柚穂「とか言ってる間に分かれ道に着いちゃった。それじゃあ瑞樹、私はこっちだから」        と、分岐路で柚穂が言います。
  瑞樹 : 「うえー、仕方あるまい。柚穂を巻き込むわけには行かぬ。         犠牲は私一人でよいのだー!」
  GM : 柚穂「まぁまぁ。ひょっとしたら単なる不審者かもしれないし」
  瑞樹 : 「不審者ならいいよね。むしろ不審者だといいな」
  GM : 柚穂「や、乙女としてその意見はどうかなぁ?」        こてん、と首をかしげつつも、
  瑞樹 : 「だって幽霊と違って触れるじゃない!         幽霊の不審者とかどうにもならないよ!?」
  GM : 柚穂「誠実な幽霊かもしれないじゃない!」
  瑞樹 : 「だといいなー……」
  GM : 柚穂「相手を一途に思って、死後も夢枕に立つような」
  瑞樹 : 「おお、こーしてしゃべってるうちに幽霊が出る時間になるかもしれぬ」
  GM : 柚穂「ちぃ、バレたか!」
  瑞樹 : 「柚穂さらばだ! 私はまだ幽霊なんぞに会いたくない!         気をつけて帰るがよいぞ! 私はダッシュする!」
  GM : 柚穂「うん。じゃあね! 幽霊に会ったら宜しく言っておいて!」
  瑞樹 : 「会わないから言わないー!」        だーっしゅ。
  GM : しゅた、と手を上げて笑いながら、柚穂も分かれ道を帰って行きます。
  瑞樹 : だっしゅだーっしゅだっしゅ。
  GM : ここから先は、瑞樹さん一人。        瑞樹さん一人。        一人。
  瑞樹 : ひぃぃ        いつもより警戒度高めで帰るしかない。
  GM : なるべく人通りの多い道を行こうとしても、住宅街に入れば人は途切れがちに。
  瑞樹 : うう、夜の住宅街はなぜあんなに人通りが少ないのか。
  GM : じじっ、と音を立てて、頼りなげに電灯が照らす一本道が続きます。 ……じじ……   瑞樹 : 「幽霊出るなー不審者ならOKー幽霊はダメー」          ……じ……      ……じじっ……   瑞樹 : 早歩きでざっざっざっ            ……じじじっ……じ、ぶつっ―――   瑞樹 : びくっ!?
  GM : 不意に、行く先の電灯が明かりを消します。
  瑞樹 : 「(こここんなときにー!)」
  GM : 左右を見れば家々の明かりが灯り、空には明るい月が覗くそんな夜。
  瑞樹 : 「(い、いや、こんなときのために夜目を鍛えておいたのだ。だいじょーぶだいじょーぶ)」
  GM : ただ、行く先だけは見通せない黒い闇が続いています。
  瑞樹 : 「(だいじょーぶ・・・だいじょーぶ・・・)」
  GM : そういえば暗視とか持ってましたね。
  瑞樹 : 戦士の基本ですから!(笑)
  明良 : 現代で何を言ってるんだ(笑)
  瑞樹 : 気にするでない。
  GM : ええ、ですから完全な闇ではなく、        ゴミ捨て場でごろりと転がる何かとか、電柱の影で揺れる何かとか、        チラチラと見える気がしますが、暗視だからそこそこ目につきます。
  瑞樹 : ひぃー!        こーゆーのって、確認しないと怖くて通れないよね!        何だ人形か……とか。
  GM : むしろ見える方が怖いという(笑)
  瑞樹 : 「(柚穂め……余計なこと言うから怖くて帰宅がどんどん遅れるじゃないか)」
  GM : もちろん、ゴミ捨て場に転がっているのは人形ですし、        電柱の影に見えるのは剥がれ掛けたポスターでした。
  瑞樹 : ほっと一安心。        「(よーし、幽霊じゃなかったぞ!)」
  GM : そんな時。                                ――かつ――――ん――   瑞樹 : びくっ!?
  GM : 帰るための道、住宅街に訪れる予期せぬT字路。        公園の脇を通り抜ける路地を行けば、ちょっとした近道になる、そんな分かれ道。        その、公園の方で、音がしたような気がします。
  瑞樹 : 「(こ、公園? ね、猫とか……)」                  かっ         か―――   瑞樹 : 「(幽霊じゃない、よね。たぶん猫さ。猫に違いない!)」        と言いつつ、公園のほうへ体を向ける。
  GM : どことなく硬い音ですね。        幽霊っぽい音ではありませんが、自然に出るような音でもない。        ただ、酷く気になる、そんな音です。
  瑞樹 : 「(……固い音、足音?)」        ゆっくり公園のほうへ近づこう。        そろーり、そろーり。
  GM : 公園は、最近のPTAや教育委員会やらの影響から極端に遊具が減り、小さな東屋があって、        ぽつぽつと電灯で照らされているといったそんな空き地に近い状態です。        そんな公園で―――うごめく影があります。
  瑞樹 : ひぃ!    かっ―――かかっかっかかっ―――     かっ!   瑞樹 : 木刀に手をかけておく。
  GM : 右に、左に、まるで踊るように公園内を駆け回る影。
  瑞樹 : 「(ふ、不審者のほうに当たり?)」
  GM : その度に、その影の付近から甲高い音が響いています。
  瑞樹 : ゆっくりこっそり近づこう。
  GM : さて。        では、その影の詳細が解るかどうかの視覚判定と、        忍び判定をお願いします。
  瑞樹 : 忍びなら問題ない!        知覚が先        (ころころ……) [6,4,6] = 16        知覚出来なかった。        忍び!        (ころころ……) 14-[5,2,4] = 3        忍びは問題なし。
  GM : こっちが気づく可能性はなきにしもあらじって奴ですが。        (ころころ……) [2,4,3] = 9        ふむふむ。
  瑞樹 : ば、ばれそう。
  GM : さて、瑞樹さんが目を凝らしても、暗いからか余りよく解りません。
  瑞樹 : 黒いし影になっててよく分からないようだ。        黒いかどうかは分からないけど。
  GM : 結構な速さで走り回っている、どうやら人影のようだ、という事は解りました。
  瑞樹 : 「(なんだろう。すごい速い人? 反復横とびの練習?)」
  GM : 途切れ途切れの電灯の明かりで、一瞬見えたかと思ったら        すぐ影の中に消えてしまう、そんな感じの高速k移動をしています。        そして、相変わらず、かつかつと甲高い音が響き続けている。        ハッキリ言って、不審者そのものですな(笑)
  瑞樹 : もっと近寄ろう。
  GM : (ころころ……) [2,6,2] = 10        ふむふむ。
  瑞樹 : 通報するにしても、のすにしても、近寄って相手の正体を見極めないと!
  GM : では、更に近づいたところ、わずかばかり相手の様子が解るようになりました。
  瑞樹 : おお
  GM : 髪を振り乱し、鬼気迫る様子で走り回っているのは、        一見して極普通のOL風スーツを着た女性。
  瑞樹 : な、なんなんだろう。
  GM : あえて普通と違う所といえば、手に木製バットのような物を持って、        一心不乱に地面に線を引いているという所でしょうか。
  瑞樹 : バット!?
  GM : あと、うっすら見える顔は引きつったような狂笑みで、        目は血走って真っ赤な感じのOLさんです。    かっ――かかかっ―――        かっ―――   瑞樹 : ゆ、幽霊じゃないけど、ふ、不審者と言うのははばかられる。        「(こ、これは、ど、どうしよう)」
  GM : 足はあります。        まぁ、アメリカとかだと幽霊にも普通に足はあるので一概にはなんとも(笑)
  瑞樹 : 声をかけるべきかしら。
  GM : はっきりとした異常ですが、ひょっとしたら宴会芸の特訓かも(笑)
  瑞樹 : な、なるほど!        声をかけよう。        「あ、あのー」        勇気を振り絞って声をかける!        かっ――かかかかっ    かか……  ぴ  た  っ   GM : 地面をえぐる手を止め、蠢くのを止め、女性はピタリと止まります。
  瑞樹 : 「何をなさってるんでしょーかー……?」        ゆっくり近づきつつ。
  GM : 勢いのまま振り回された髪はボサボサで、止まった拍子に俯きかげんの顔を隠します。
  瑞樹 : 「えーと、もしもし?」
  GM : ゆっ―――くりと、まるで油を差し忘れた人形のようにぎこちない動きで、        ぎぎぎ、と瑞樹さんに向き直ります。        はぁ、はぁ、荒い息は熱っぽく、あるいは官能的にすら感じられます。
  瑞樹 : 「だ、大丈夫ですか?」
  GM : 女性「………………い……」        ぽつ、と。        小さな言葉が。
  瑞樹 : 「い?」
  GM : 女性「……き…い……?」        俯き、小声なことで聞き取りにくい言葉。
  瑞樹 : 「えーと、なんて?」        もっと近寄ろう。
  GM : 一歩、一歩と近づく。        はぁ、はぁ、と息は荒い。                           ねぇ――――――   GM : 顔を上げると、血走った赤い目と、引きつったように歪んだ狂笑顔。
  瑞樹 : ひっ。                       わたし――――きれい―――?   瑞樹 : く、く、口裂け女だー!?        「おおううう!?」
  GM : 女性「きれいっていってよぉぉぉおおおおおおおおっ――!」
  瑞樹 : 柚穂に聞いた口裂け女の問答そっくりでびびる。        「き、きれい! きれいです! 美人ですー!」
  GM : なんという投げやりかつその場しのぎの答えだろう(笑)
  瑞樹 : 口裂け女と会ったらなんか言わないとダメって聞いてたけど何か忘れた!
  明良 : なんか呪文があっただろたしか。
  GM : ポマードですね。
  明良 : ポマードポマードポマード!
  GM : もっとも、なんと返答しようとも女性は手にしたバットを振りかざすのですが。
  瑞樹 : く、木刀を構える!
  GM : エンカウント!
  瑞樹 : やったぜ!(笑)        防具は着てないけど武器はばっちりだ!
  GM : まさか普通に声をかけるとは思っていませんでした、        さすが瑞樹さん意外性ナンバーワンの人です(笑)
  瑞樹 : え、何? 他になんか別の接触方法あったの?(笑)
  GM : 君子危うきに近寄らず、接触しないで帰っても別によかったんですけどね(笑)
     VS OL(?)
  GM : では、瑞樹さんも武器を用意していましたし、普通にイニシアチブから始めましょう。
  瑞樹 : この浅賀瑞樹の辞書に、逃亡の二文字なし!
  GM : 退かぬ、こびぬ、かえりみぬ!        イニシア (ころころ……) = 1        ぎゃー。
  瑞樹 : 帝王に逃走はないのだー!!        (ころころ……)+1 = 4        私が先だー!
  GM : では、先手どうぞ。
  瑞樹 : しかし、困った。        見た感じ人間に見えなくもない相手。
  GM : というか、貴方は一般人なんですから、街でばったり会ったのが        人間以外の相手だった方が驚きでしょうに(笑)
  瑞樹 : 確かに!!        バット持ってるとはいえOLさん。頭を割ったら大変だ。
  千里 : 恐怖判定とかしないのかしら。
  瑞樹 : はっ!(笑)
  GM : それは想定していませんでしたが、瑞樹さんはめっちゃビビッてましたし、ありですね。
  瑞樹 : 普通に判定すればOK?
  GM : まぁ、恐怖判定は意思の強さも足せるはずですから、酷いことにはならんでしょう。        判定どうぞ。
  瑞樹 : (ころころ……) 9+6+2-[2,2,1] = 12        ああ、クリティカルだ(笑)
  GM : なんというKY(笑)
  瑞樹 : 刀を持った侍に、恐れる物など何もなぁーい!
  GM : ここはファンブルでもしてOL恐怖症でも生やすべきでしょうに(笑)
  瑞樹 : 嫌だそれは(笑)
  GM : 街を歩けなくなりますね(笑)
  千里 : 佐奈川君だったらファンブルだったわね。
  GM : 確かに!
  瑞樹 : 明良なら振る!
  GM : なんという厚い信頼感でしょう、仲間っていいね!
  瑞樹 : だから武器を殴ろう!        武器は、えーっと、-3かな? 大きさ的に。        まずは試し振りで、普通に振ろう。        ちぇい!        (ころころ……) 21-3-[1,2,5] = 10        クリティカルではない。
  GM : 試し振りとか必要あるんだろうかって技能ですね(笑)
  瑞樹 : 武器を弾き飛ばして見せる!
  GM : (ころころ……) [2,1,3] = 6        あ、受けた
  瑞樹 : 「え!?」
  明良 : よく受けたな(笑)
  GM : 私も驚きです(笑)
  瑞樹 : と、突然のことで剣筋が鈍ったのかしら(笑)
  GM : 鋭い一撃を、しかし女性は焦ることなくがっちり受け止めます。        ひしひしと伝わってくるその力強さは、女性らしからぬ怪力。
  瑞樹 : 「(なんて強さ!)」
  千里 : それこそは、本体から釘に至るまで鉛でそのもの構成された釘バット――        ――愚神礼賛(シームレスバイアス)!
  瑞樹 : あれ、なんか聞いたことある釘バット(笑)
  明良 : ただのバットだろ?(笑)        後になったらどうせたくさん出てくるんだから雑魚に苦戦してんじゃねーぜ。
  瑞樹 : マジで?(笑)
  GM : では、こちらの番ですね。        女性「きれいぃいいいいぃいぃぃいいいいぃっ!!!」
  瑞樹 : こわーー!?
  GM : ぶぅん、と力任せにバットが振るわれます。        (ころころ……) [5,3,6] = 14        げはあっ!?        は、はずした!?
  瑞樹 : よかった。        13程度のようだ。
  GM : その勢いは風をきり唸りをあげ、しかし目標を大きく反れて瑞樹さんの髪を掠めるに留めます。
  千里 : そしてコンクリートをえぐり取るのね。
  GM : ぼごぉっ!
  千里 : ずがぁああん、と。
  GM : なんという過剰演出(笑)
  瑞樹 : 「(地面えぐれてる!?)」
  GM : 事実になった!?(笑)
  瑞樹 : 敵が強くなったみたいだ(笑)        「(でも、当たらなければ問題ない!)」
  GM : 力の限り振るわれた一撃は反動も凄まじく、        しかして女性はそれを腕の力だけで押さえ込みます。
  千里 : 鈴木一美(すずき かずみ)の一本足打法ね……。
  明良 : いやいや(笑)        体力13ぐらいじゃね?(笑)
  瑞樹 : ってことで、バットを弾き飛ばす!        ところで武器をはじくのって、専用の判定なのね。        GMのルルブに書いてないなら折るほうにしようと思うけど。
  GM : 探さないとないので圧し折って構いません。
  瑞樹 : へし折る!        (ころころ……) 21-3-[4,6,6] = 2        危ない(笑)
  GM : 出目が悪いですね。        (ころころ……) [1,5,4] = 10
  瑞樹 : 受けれまいー!
  GM : おっと、喰らいました。
  千里 : 受けてみよっ! と、空高く跳躍する浅賀さん。        バルバルバルバル。
  GM : 必殺技描写だ(笑)
  瑞樹 : ダメージ出すよー。        (ころころ……) [2,5,2] = 9        9点叩き!        あまり高いとは言えない。
  千里 : りゅーついせん! と言っちゃう浅賀さん。
  瑞樹 : 相手が受けようとしてるところに思いっきり振り下ろす感じで!        りゅーついせーーん!(笑)        ちなみに、剣を折る場合、ブロードソードが8点、        それより上の剣は1回の打撃で10点ひつようだそうな。
  GM : まぁ、木のバットですし、ブロードソードよりは脆いでしょう。
  瑞樹 : ばきーっ!
  GM : 女性「ひっ―――」
  千里 : 光になる木のバットなのね。
  瑞樹 : よし。
  GM : 根元から砕かれたバットが、吹き散らされるように飛び散ります。
  瑞樹 : 「……ふぅ」
  GM : それを見開いた目で呆然と見送る女性。        女性「ひっ―――ひ、ひ―――」
  瑞樹 : 「お、お?」
  千里 : 安心せい、峰打ちじゃ。By浅賀瑞樹
  GM : ガタガタガタガタガタ……
  瑞樹 : 一応木刀構えたまま。
  GM : 呼吸困難のような引き連れた息を漏らす女性、次の瞬間、        女性「ひ――――――おろろーん!!」        がばっ、と地面に突っ伏して泣き出してしまいました。
  瑞樹 : 「おおお!?」
  千里 : ああぁぁんまりだぁあぁあ、と言う奴ね。
  瑞樹 : それだとすごい困る(笑)
  GM : 女性「どう、どおううしてええええ、なああああんでえええええ!!!」
  瑞樹 : 「え、えーと」        ど、どうしよう。おろおろする。        け、警察とか呼べばいいのかな。
  明良 : とどめを刺したらどうだ。
  瑞樹 : 見た感じ人間じゃん! 刺してどうする!
  GM : 女性「あと、あとあとあとあとあとあとあとちょぉおおっとだああったああのにいいい!!」
  千里 : 逃げたら?
  GM : ガリガリガリガリ(地面をかきむしる音)
  瑞樹 : 一応警察を呼ぼう。うん。
  GM : ダンダンダン(地面を叩く音)
  瑞樹 : 不審者だし、保護してもらう意味でも。
  千里 : 悠長ね。(笑)
  GM : あからさまな不審者に「あのー」と声をかける瑞樹さんですから(笑)
  瑞樹 : むしろこの状況で何すればいいか分からないから常識的な対応しか出来ないのである!
  千里 : 常識的に逃げるのが普通だと思うけど。
  瑞樹 : 携帯でぴぽぱ。
  GM : むしろ常識人だったら最初に近寄りませんが(笑)
  瑞樹 : いや、来ちゃったし、泣いてる人を一人置いてくのも、なんか、あれだし。        交番とかに連れて行くほうがいいのかな。
  GM : はい、では何だかんだと質問された後、        警察が引き取りにやってくるので待っててくれとのことです。
  瑞樹 : 「お願いしますー。はいーお手数かけますー」
  GM : その間、女性は地面をひっかきながら「なぜ」とか「あとちょっと」とか        喚きながら延々泣き続けていました。
  瑞樹 : バットとか見てみよう。        あ、何書いてたか見よう、先に。        すごい声をかけるのには抵抗があるぜ。        今声かけるのは。
  GM : 女性がえぐった跡ですね?        地面には、大きく円状の図が描かれています。        ちょっと楕円かな?
  瑞樹 : 写真取っといたら、柚穂とか分かるかな。        「みすてりーさーくる?」
  GM : 何度も何度も繰り返し繰り返し、同じような円を描き続けたのか、        結構乱雑に線が折り重なっています。
  瑞樹 : 携帯で写真撮っとこう。        ぱしゃぱしゃ。
  GM : はい。
  瑞樹 : バットは普通のバットだったんだろうか。        折っちゃったけど。
  GM : 見た感じ、普通のスポーツ用品店で売ってそうな木のバットですね。
  瑞樹 : 「ううーん、まさに不審者。         何をしようとしてたのか分からない」
  GM : で、まぁ、しばらくすると警察が……ん?
  瑞樹 : ん?
  GM : 警察がやってくる、現場には二人の女性、        一人は錯乱し地面に蹲り、もう一人は木刀をもって佇んでいる。        ―――捕まえるべき犯人は誰だ。
  瑞樹 : はぁー!?(笑)        「あ、えーと、お疲れ様ですー」
  GM : 警察A「君、その手に持っている物はなんだね」
  瑞樹 : 「え? あ、ああ! これはですね!         えーと、ぶ、部活の、あれですよ! 剣道部なんで!」
  GM : 警察B「大人しくするんだ、自棄になってはいけない」
  瑞樹 : 「いや私が通報したほうなんですけど!」
  GM : まぁ、何だかんだで事情聴取されますので、瑞樹さんも警察にお持ち帰りされるのですが(笑)
  瑞樹 : か、帰れなくなったー!(笑)
  明良 : 倒すか?
  GM : エンカウント!(笑)
  瑞樹 : いやしないよ!        公務執行妨害ならびに暴行罪の現行犯逮捕になるじゃない!        大人しくお持ち帰りされるしかないぜ!
  千里 : 指紋取られちゃったりして。
  GM : これで前科もちか。
  瑞樹 : 私犯罪者じゃなーい!        容疑者でもなーい!        傷つけてないー!?        罪犯してないー!
  GM : まぁ、最終的には女性が錯乱しているのは事実ですし、        保護者を呼ばれてその日の内に帰して貰えます。
  瑞樹 : よかった(笑)
  GM : そんな感じで、不思議な不審者と出会った日。        これが、また不思議な事件への始まりでした。        という感じで、オープニング終了。
  瑞樹 : はーい


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