File.00 『マヨヒガ』
GM : ガープス・フォークロア、はっじまっるよぉー!
明良 : よろしくな。
瑞樹 : よろしくお願いします!
GM : 仕掛けを用意したから、今回は瑞樹さんからです。
瑞樹 : なん・・・だと・・・? ならばその仕掛けをぶった切る!
GM : はたして、切れるかな。
明良 : そげぶか。
瑞樹 : はっ。確かに。 ならばその幻想をぶった切る! 略してそげぶ。 完璧じゃん。 汎用性高いな。 そげぶ。
GM : そりゃそうだ(笑) さて、瑞樹さんは前回を覚えていますか?
瑞樹 : せ、先生が消えた! 仕方がないので遊園地に遊びに行きます。
GM : じゃあ遊びに行こうか。
GM : ぶろろろろろ。 例によって、柚穂の運転する車で移動です。
瑞樹 : 「はーっ!」
GM : 柚穂「うわっ!? な、なになに?」
瑞樹 : 「今日は24日!?」
GM : 柚穂「う、うん……っていうか、その質問何回目?」 まさか汚染が広がってるんじゃ、という顔をしています。
瑞樹 : 「柚穂デートの約束あるじゃん!」
GM : 柚穂「ん?」 こてん(首かしげ)
瑞樹 : 「お?」
GM : 柚穂「私がデート……って、誰と?」
瑞樹 : 「先輩に誘われたって言ってたような気がするんだぜ」
GM : 柚穂「マジで!? え、え、嘘、本気で!?」 ぎゅききききっ!
瑞樹 : 「あれ? マジで? マジでって、マジで? どういう意味のマジで?」
GM : 柚穂「ちょ、ちょっと待って……深呼吸深呼吸」(すーはー)
瑞樹 : 「お、おけー。深呼吸深呼吸」(すー、すー、すー)
GM : ん、うん、と咳払い。 柚穂「私が、先輩に、デートに、誘われたの?」
瑞樹 : 「イブの日に誘われたって聞いた」
GM : 柚穂「……うっそ、あれ?」
瑞樹 : 「デート、とは言ってなかったような気はするけど。 だがイブに誘われる=デートとしか思えぬ!」(カッ!と目が光る)
GM : 柚穂「んー……どうなんだろう、でもそんな筈…… もし本当だとしたら……私がここに居る筈が……」
瑞樹 : 「あれ? そーいえば柚穂、さっき先生のこと先輩って言ってなかった?」
GM : 柚穂「へ、あ、なに?」 きょとん、と首を傾げます。 ただし、視線は右往左往。
瑞樹 : 「柚穂!」
GM : 柚穂「な、なに?」
瑞樹 : 「前!」
GM : 柚穂「へ……? って、うおああああっ!?」
瑞樹 : 「と、とりあえず路肩に止めようそうしよう」
GM : 柚穂「ま、まぁ、もう遊園地見えたし、とりあえず到着してからにしよう!」 ぶろろろろろろ。
瑞樹 : 「わ、わかったぜ!」
GM : というわけで、微妙な緊張感を保ったまま、遊園地【シャングリ・ラ】の駐車場に到着しました。 例によって、ここいらも張りぼてのように現実感のなさげな雰囲気の景色です。 ただ、遊園地からは楽しげなテーマ音楽が流れてきて、盛況な様子が伺えます。 人の声は全く聞こえませんが。
瑞樹 : 「もうオープンしてたっけ。っていうかオープンいつだったっけ」
GM : 柚穂「えっと、正式稼動はちょっと覚えてないけど、24日の今日がプレオープンの筈だよ」
瑞樹 : 「おお、今日じゃん!」
GM : 柚穂「そうだよ……で、どうするの?」 ガラガラの駐車スペースに車を止めて、柚穂が言います。
瑞樹 : 「盛況っぽいのに駐車場がらがら……ってことは待たずにアトラクション乗り放題?」
GM : 柚穂「動かしてくれる従業員さんがいればね」
瑞樹 : 「も、盲点が!」
GM : 柚穂「ひょっとしたら、ジェットコースターに乗せたまま、 一生遊ばせてくれるピエロさんとか居るかもよ?」
瑞樹 : 「ひぃー! それはいやだ!」 adamじゃん(笑)
GM : 小型チェーンソーでジャグリング(笑)
瑞樹 : 一番最初が一番キてるとかカプコンはすげえな! ※ adam:カプコン作ゾンビ大量虐殺ゲーム『デッドライジング』に登場する殺人ピエロ。 当ゲームはカメラマン・フランクとなって、町のゾンビ化の謎を解き脱出するゲーム。 ゾンビよりも取り残されて精神的に狂ってしまった住人の方が怖い例。 瑞樹 : 「まー、とりあえず鐘のとこまで行こう」
GM : 柚穂「えっと、鐘は確か、中央にある大聖堂にある筈だよ。 メインっていうか、象徴みたいな感じ」 幾つかのブロックに別れたオーソドックスな遊園地の、中央のアトラクションです。
瑞樹 : 「ネズミーランドみたい」
GM : 柚穂「まぁ、新装オープンっていっても、同じような遊園地だしね」 イメージはまんま某ネズミーランドのシンデレラ城みたいなもんです。
瑞樹 : 「まあ、まずは入場だー! ちけっとちけっと」 入場券売り場へ直行!
GM : チケット売り場、入場ゲート、共に誰も居ません。 ガランとした空間が広がり、そのまま入っていけるようです。
瑞樹 : 「さ、さぼたーじゅ! ぼいこっと! すとらいき!」
GM : 柚穂「誰も居ない、ね」 ひょい、と中を覗きこみますが、新品そのもの。 まるでショールームのようで使われていた形跡すらありません。
瑞樹 : 「仕方がない。勝手にお邪魔しよう」 財布を見てから。
GM : 柚穂「別にチケット持っていかなくても、中も同じように誰もいないんじゃないかな?」
瑞樹 : 「じゃあ気にせずごー!」
GM : 柚穂「れっつごー! ……ちゃんと帰れたら、改めて来ればいいんだしね」
瑞樹 : ってことで入れた?
GM : 中に入ると、トロピカルでファンシーなドリームBGMが周囲から響いてきます。 各地で稼動しているアトラクションが音を立て、ジェットコースターが風を切る音も聞こえます。 ただし、人の声、喧騒はまったくしません。
瑞樹 : 「ふっふっふ」
GM : 柚穂「乗り放題! とか思ってるなら、止めないよ、私は」
瑞樹 : 「24日に柚穂とデートするのは先生ではない。この私だったというわけだ!」 ばばーん!
GM : 柚穂「な、なんだってー!?」 ががーん!
瑞樹 : 「で、さっきの話の続きなんだけど」
GM : 柚穂「うん。なんだっけ?」 けろ、と話を戻して。
瑞樹 : 「先輩って先生なの? いやさ先生って先輩なの?」 てこてこと鐘のほうへ向かいつつ。
GM : 柚穂「禅問答みたいだけど、そうだね。先輩は仲春桂一先生その人だよ」 てくてくと付いて歩き。
瑞樹 : 「つまりイブに先生に誘われたのか! 先生やりおるな……」
GM : 柚穂「そう……らしいね……」 柚穂の表情が曇る。
瑞樹 : 「らしい? 柚穂どしたの? らしいって、柚穂が言ってたんだよ?」
GM : 柚穂「おかしい……そうだよ、おかしいよ……どうして、先輩が私を誘うの……?」
瑞樹 : 「おかしい?」
GM : 何かに堪えるように。
瑞樹 : 「まあ、先生と生徒はいけないとか言う話を聞いたことが無きにしも非ず」
GM : 柚穂「だって、先輩は……先輩は……!? う……うぅ……」
瑞樹 : 「柚穂?」
GM : その場にうずくまります。 柚穂「い、痛い……お腹痛い……」
瑞樹 : 一緒にしゃがむ。 「だ、大丈夫!?」
GM : 顔が青ざめ、脂汗が滲みます。
瑞樹 : 「きゅ、救急車!?」 携帯ぴぽぱ。
GM : 119『とぅるるるる……とぅるるるる とぅるるる……がちゃ』
瑞樹 : 「もしもし! ええと、友達がおなか痛くて大変なんですけど!」
GM : 119『…………………………ーん。……』
瑞樹 : 「柚穂しっかり! もしもーし!」
GM : 119『……からーん。…………からーん。……』 柚穂「うぅっ!」
瑞樹 : 「柚穂!」
GM : 鐘の音が、携帯から響きます。
瑞樹 : 切る!
GM : そして、それに対応するように、はっきりと。 からーん。 GM : と、遊園地の奥から。 柚穂「い、痛い! うぅ……苦しい!」
瑞樹 : 「か、鐘はここからだったんだ」 柚穂を背負って鐘から離れよう!
GM : 鐘の音に対応するように、柚穂の顔色が加速度的に悪くなっていきます。
瑞樹 : 「柚穂しっかりして! 薬薬ー!」
GM : 離れようとする瑞樹さんを追うように、 からーん。 GM : と、鐘の音が響きます。 柚穂「うああっ!」 どん、と。 抱えていた瑞樹さんを、柚穂は突き飛ばします。
瑞樹 : 「うわっ!?」
GM : 柚穂「ああ……あああああぁぁっ!!」 絶叫、そして、 ボコッ、と。 柚穂のお腹が膨れ上がります。
瑞樹 : 「柚穂!?」
GM : 歯を食いしばって、何かに堪えるように。
瑞樹 : 柚穂に近づこう。
GM : 大きくなったお腹を抱えるようにして、丸くなっていますね。 がたがたと震えています。
瑞樹 : 「ど、どうしよう」
GM : さ、て。 そう、瑞樹さん。
瑞樹 : おおう?
GM : 苦しみ、悶える柚穂をどう思いますか?
瑞樹 : 助けなきゃ!
GM : よしキャッチ、生命力判定をお願いします。
瑞樹 : せ、生命力だとぅー!? (ころころ……) 14-[5,1,3] = 5 おお! 気合入ってる!
GM : ちぃ、ここで失敗したらやばかったのに。 では、助けなきゃ、と考えた時、急に脳に衝撃が走ります。
瑞樹 : お、う?
GM : ただショックが走ったとわかるだけなので、悪影響はありません。 悪影響はありません―――ダイレクトに、聞こえるだけです。
瑞樹 : 「っ、?」 ・ ・ ・ 寂しくて憎くて苦しくて悲しくて追いたくて難くて止めたくて耐えられなくて 遣る瀬無くて妬ましくて辛くて忘れたくて諦めたくて背けたくて堪えたくて 抗いたくて競いたくて避けたくて逃げたくて跳ね除けたくて振り払いたくて 泣きたくて騒ぎたくて呻きたくて喘ぎたくて喚きたくて叫びたくて狂いたくて 心が殺されて穢されて玩ばれて弄られて嬲られて砕かれて破られて踏み躙られて 焦がされて焼かれて滲まれて荒らされて壊されて潰されて刻まれて放り出されて 飽きられて虐げられて裏切られて打ち捨てられて忘れられて切られて全部失って それでも寂しくて妬ましくて憎くて遣る瀬無くて喚きたくて狂いたくて まだ許せなくてまだ忘れられなくてまだ想いは募ってまだ心が軋んで 妬ましい嫉ましい羨ましい厭らしい厚かましい戯しい浅ましい息苦しい 図々しい忌々しい忙わしい愚かしい鬱陶しい疎ましい恨めしい悍ましい 卑しい騒がしい白々しい汚らしい煩わしい穢らわしい憎らしい狂おしい 嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに 嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに嫌なのに 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌あああああああああああああああ!!! GM : ――気づくと。 鐘の音は聞こえなくなっており、柚穂は気絶したようです。 膨らんでいたお腹も、元のスリムな状態に戻っています。
瑞樹 : 頭をふるふると振って、柚穂に駆け寄る。 い、生きてる?
GM : 気を失っているだけのようです。
瑞樹 : 「柚穂、だいじょうぶ?」
GM : 返事はありません、完全に意識が途絶えています。
瑞樹 : 気絶してるだけ?
GM : 医者系技能があれば診察はできますが。
瑞樹 : まったくない!
GM : でしょうね(笑) じゃあ、酷く疲労して気絶しているとしかわかりません。
瑞樹 : ううーん、大丈夫なことを信じてどこか休める場所に背負ってこう。 鐘からは離れる。
GM : そうですね、ショッピングエリアもあればランチエリアもありますし、休めそうな所は大抵ありますけれど。
瑞樹 : あったかい牛乳とかいいかも。ランチエリアにいこう。 毛布とか探してから。
GM : 毛布は流石に見当たらないと思いま……ああ、土産物屋にキャラクターグッツくらいあるか。
瑞樹 : そうそう。 おみやげのキャラクターの毛布とか持ってく。 あと、携帯もう一回電話してみよう。 忘れてたけど、携帯繋がるのかな。 前やったっけ。
GM : 携帯ですが、さきほど慌てて掛けたので気づきませんでしたが。 圏外になっていますね。
瑞樹 : 「……」 ええーい、考えても仕方がない。まずは柚穂を安全で安静に出来る場所まで!
GM : はい、では適当なお店に移動した辺りで一端シーンをカットします。 ただ、状況によっては直にシーンに戻ってくるかもしれません。
瑞樹 : はいー。
GM : 担がれ、運ばれる柚穂は力なく……ぐったりとしたままでした。
瑞樹 : 「柚穂……」 ぐ、と柚穂の手を握る。
GM : 握り返されることは、ありません。 というわけで、シーンカット。
GM : 次のシーンは千里さんですが、前回明良君と別れた後、どのように行動するんでしたっけ?
千里 : うん? とりあえずはポチョムキンさんについて調べてみようと思うけれど。
GM : どういえばそんな事を言っていましたね。 ちなみに、どうやって調査する予定ですか?
千里 : とりあえずネットだわね。
GM : では、明良君と別れたあと、大体午後の2時過ぎくらいですね。 午後に入った辺り……さっきまで明良君が一緒にいましたが、 本来ならば学生はまだ学校に行っている時間帯です(笑)
千里 : そうよね。
GM : とりあえず、ネット喫茶とかですか? まぁ、端末くらい最近だと図書館にすらあったりしますが。
千里 : アシが残ることに戸惑うゆえんはないけれど、ネット喫茶でも使いましょうか。
GM : さり気なく技能「PCハッキング」とか持ってるんですよね、千里さん。
千里 : 持ってるわね。 で。 何か判定が必要?
GM : そうですね、とりあえず簡単な紹介程度なら判定は要りませんが、 目撃情報とかを探すなら「コンピュータ操作」で判定しましょう。
千里 : 了解よ。 カタカタ。 (ころころ……) 15-[4,2,6] = 3
GM : とりあえず、基本的な情報として、 ◎ 『月の無い夜に徘徊! 紳士ポチョムキン!』 白い紳士服にピンと立ったカイゼル髭、白い山高帽に白いステッキ。 おしろいを塗ったように真っ白な顔に、塗りつぶしたような白い瞳。 「ぽぉちょぉむぅきぃぃぃぃぃぃぃぃぃんんっっ!!!」と絶叫していた事から名前が判明。 月の隠れた夜のみ現れるとの情報あり。 GM : とまぁ、こんな感じの情報は判定なしで手に入ります。
千里 : 「石膏像ね」
GM : ちなみに、目撃情報は匿名掲示板なので誇張があるか不明ですが、2m以上の大男だそうです。
千里 : 「2メートル以上の大男の喋る石膏像ね。 あるいはカーネルサンダース」 ふむふむ。とその情報を読むわ。
GM : 筋肉質なカーネルサンダースと思ってくれれば想像しやすいかと(笑) で、主に夜に目撃されており、路地裏など人気の無い場所で何か、 あるいは誰かを探している様子が伺えます。 まれに昼間でも見かけることがあるそうですが、 その際は夜のように叫んだりはせず、ひっそりと暗がりに立っているそうです。
千里 : ふぅん。 その他に、そのサイトで気になる情報はある?
GM : そうですね……現状、この怪人に襲われた、という情報はありません。 ただ、叫んで、探している、という状況が多く書き込まれています。
千里 : 何を探してるの?
GM : 話をしたという猛者は流石にいないようで、詳しくは解りません。 ただ、キョロキョロと辺りを見回していたり、ゴミ箱の蓋を開けて覗き込んだりと、 探索者特有の動きをしていたそうです。
千里 : そう。
GM : もっぱら路地裏などの人気の無いところにいるので、 探し人ではないか、という見方をされていますね。 そんなところです。
千里 : ふぅん。この街でレインコート着た通り魔さんは目撃情報ある?
GM : レインコートの怪人ですね、それも幾つかありますが詳しくはまたコンピュータ操作をお願いします。
千里 : (ころころ……) 15-[4,1,4] = 6 申し分ないわ。
GM : お、意外と高かったですね。 では、まず基本情報として。 ◎ 『霧と共に現れる! レインコートの怪人!』 全身を覆うタイプの水色のレインコートを着た怪人。 雨の深い日や霧の出る夜に徘徊しているところを目撃される。 フードを目深に被っており男なのか女なのかも判別できない。 名前を叫ぶことは勿論、口を開いたという情報も無いため名前は不明。 先端の歪んだ鉄パイプを引きずっていたとの情報もあり、確認には注意が必要。 GM : 色は水色らしいです。 まぁ、千里さんは判別できないので、見た怪人がその本人かは不明ですが。
千里 : あのとき霧って出てたかしら。
GM : 千里さんの見た限りでは霧なんかは出ていませんでした。
千里 : そうよね。 「他の特徴は合致するけれど……、水色、ねぇ」
GM : で、目撃情報は結構頻繁に見られるんですが、 武器になりそうな鉄パイプを持っているので遠巻きにされる事が多いですね。
千里 : 成程ね。 じゃ、霞染学園にハッキングかけるわ。
GM : おお。 そうきましたか、では「PCハッキング」で挑戦してみてください。 公共施設へのハッキングは意外と大変かと思いますが、 学校ってそういうところ杜撰だから、どうでしょう(笑)
千里 : (ころころ……) 12-[3,4,3] = 2 はい。
GM : まぁ、とりあえず違和感なく内部サーバに侵入できました。 何を調べますか?
千里 : 建巳ちゃんと、あと佐奈川君の情報を知りたいのよね。 あとは佐奈川君のクラスの人数。
GM : なるほど。 とりあえず、クラス毎の出欠席が電子化されていたので、それらの情報はわかります。 建巳郁子は佐奈川明良と同じ1−Aの生徒ですね。
千里 : わかる範囲で良いわ。在籍情報。 ええ。
GM : 部活は陸上部に所属、あ、明良君は帰宅部ですね。
千里 : ふぅん。
GM : 明るく元気なスポーツ少女で、特に素行が悪いわけではないので先生受けはいいようです。 明良君は素行が悪いので先生受けが悪いです。 で、クラス名簿で人数は……40人、にしておきましょう。
千里 : 普通ね。
GM : なんですが、そこで少しおかしい事に気づきます。
千里 : うん?
GM : 電子化されている出欠席なんですが、数日前を境に何人かの生徒の出欠が空白になっています。 普通は出席○、欠席×、遅刻△、みたいな書かれ方なんですが。
千里 : ええ。
GM : 今日に至っては、現時点で半数近くの生徒が空白になっています。
千里 : 書き忘れじゃなさそうね。
GM : ちなみに、欠席は建巳郁子のみ、佐奈川明良は一応遅刻扱いになっています。
千里 : あの後行ったのかしら。
GM : 一応先生に会ってますし、最終的には早退になるかもしれませんが(笑) まぁ、実際そんな感じです。
千里 : 成程ね。 今のところ佐奈川君の情報に嘘はないってことねぇ。
GM : つき合わせて特に違和感のあるところはありませんね。
千里 : じゃ、外に出るわ。
GM : はい。
千里 : とりあえず目的地はないけれど……建巳郁子ちゃんを探すのが当面の目的ね。
GM : 実際問題、怪人系の目撃情報は夜のものが多いですしね。
千里 : 最初に会ったところに行ってみましょう。
GM : 解りました。
GM : では、大型ショッピングモールから程近い路地裏の奥の方ですね。
千里 : ええ。
GM : 入り組んだ路地と路地の合間で、人通りは極端に少なくなっています。 まぁ、夜になると酔っ払いが出没するかもしれませんが、 現在はサラリーマンは勿論、客引き一人いません。
千里 : 「……特に何もないわね」 ふむ、と腰に手を当てて。
GM : 当然、建巳郁子も見当たりません。
千里 : 「探索は得意じゃないのよね。やっぱり……病院に行ってみますか」 と言うわけで、逃げだされたと言うその病院へ。
GM : はーい。
千里 : 一応素直に警察さんからのお電話の件を言えば、見せてもらえるとは思うけれど。
GM : 病院へやってくると、基本的に病院特有の静けさとは別の慌しい雰囲気が漂っています。
千里 : 何かあったのかしらね。 落ち着いてそうな人に声をかけてみたいけれど。
GM : 看護士「どうかなされましたか?」 立ちすくんでいると看護士さんが声をかけてくれます。
千里 : 「いえ、面会に来たのですけれども、何かあったのでしょうか? あわただしいようですが」
GM : 看護士「ああ……えっと、ご心配には及びません。 少々患者さんの件で聞き込みが行われているだけでして……」 言葉を濁すようにしています。 隠しているというより、あまり話したくないという雰囲気ですね。
千里 : 「建巳郁子さんですか?」
GM : 看護士「! ご存知なんですか? ひょっとして、ご家族の方でしょうか?」
千里 : 「いいえ。昨日の第一発見者です。警察の方から失踪したと聞きまして……心配で伺いました。 ご両親にも連絡がついていないと聞きますし……、他人事に感じられませんで」
GM : 看護士「そうでしたか……そこまでご存知でしたらお話してしまいますが、 実は警察の方が聞き込みを続けていまして」
千里 : 「行方はいまだつかめず、と……?」
GM : 看護士「私たち看護の者も、いつ居なくなったのか本当に解らないのですよ……それどころか」 ちょっと声を潜めるような感じで。
千里 : 「はい」
GM : 看護士「彼女が本当に居なくなったのか、なんて問題も出ていまして……」
千里 : 「……どう言うことですか?」 ――人が消える。 心の中に浮かぶそのワード。
GM : 看護士「この病院は、いわゆる警察病院とは違いますが、 緊急時の患者さんを取り扱うことも多いので、 かしこに監視カメラが設置されているんです」
千里 : 「ええ」
GM : 看護士「それで……建巳さんが同階層の廊下を急ぎ足で進む姿こそ映っていたのですが…… 病院の出入り口のカメラには、出て行く彼女の姿が映っていなかったんです」
千里 : 「外に出ていないのではないか、と言うことでしょうか」
GM : 看護士「しかし、トイレで倒れている可能性、屋上に行った可能性、 全て心当たりは当たったのですが……見当もつきません」
千里 : 「成程」
GM : 看護士「外に出ていないはずなのに、逆に病院内にはもう居ないはずと…… いやはや、警察の方も困っているようでして」
千里 : 「彼女、カバンなどは置いて行ったみたいですけれど、それらは警察の方が回収なさったのです?」
GM : 看護士「ええっと……一応、戻ってくる可能性もありますので、病室自体はそのままの筈です」
千里 : 「成程」
GM : 看護士「携帯くらいは、警察さんが持っていったかもしれませんが」 なにかの証拠になるかもしれませんからね。
千里 : 「携帯、ね……」
GM : 看護士「まぁ、おおよそ警察の方はカメラの死角をたまたま移動したと考えていらっしゃるようですが」
千里 : 「お部屋、見せて頂けますか?」
GM : 看護士「ええ、といっても部屋自体はそのままですので。 ……あ、ひょっとしたら警察の方がいらっしゃるかもしれませんよ?」
千里 : 「わかりました。とりあえず行ってみますね。ありがとうございます」 お辞儀。部屋へ行くわ。
GM : では、昨日も訪れた病室です。 違う点は、ベッドの上が空っぽな点のみ。 あとは、カーテンを紐のように結んで難しい顔をしている早苗刑事がいることくらいでしょうか。 早苗「うーん……強度的に無理が……」
千里 : 「あら。今日は。朝はお電話どうも」
GM : 早苗「へ、あ、ああ! こんにちわ! どうもです!」 シャキ、と立ち上がり敬礼。
千里 : 「気になって来てみました。 何か進展は?」
GM : 早苗「すみません、未だこれといって……」 上がった空気が下がるように、しゅんとしてしまいます。
千里 : 「謝ることはないですけれど。病室は一通り見聞なさったのですよね」
GM : 早苗「あ、はい。それはもう。 科研が指紋チェックまで済ませていますから、触っても大丈夫ですよ」
千里 : 「そうですか。現場百篇とも言いますし、刑事さんと違うものが見えるかも。 ……午後休み取っちゃいましたし、私も調べてみますね」 探索してみるわ。
GM : はい、どうぞ。
千里 : (ころころ……) 15-[1,3,1] = 10
GM : うわっ。
千里 : ま、探索には1時間かかるんだけどね。 何か見つかったかしら。(肩をすくめて)
GM : ではですね、これは警察には解らないことなのですが。
千里 : ええ。
GM : 生徒手帳に貼られているプリクラに、 昨日は居なかったはずの建巳さんがハッキリと写っています。
千里 : 「……」
GM : まぁ、構図的に左右によりすぎだったりしますが、透けるでもなくしっかり写っていますね。
千里 : 他に変化のあるプリクラはない? 建巳さんが映っているだけ?
GM : んと……そうですね、現状では建巳郁子が復帰しただけです。 あ、逆に。
千里 : ええ。
GM : 昨日は写っていた生徒が消えている場合があります。
千里 : 顔はわかる?
GM : もう完全に風景、というかフレームしか写っていないのが殆ど。
千里 : 何人くらいかしら。一人?
GM : 昨日の段階でまだそんなに多くはありませんでしたが、 今見た場合はほとんどのプリクラがフレームだけになっています。
千里 : なら、覚え切れてはいなさそうね。
GM : 特徴的な人物でもいれば別だったんでしょうが、良くも悪くも普通の女子高生って感じでした。
千里 : そう。 GM、直感を使っても良いかしら?
GM : この場合、正しい選択肢を選ぶというより、推察するということでいいんでしょうか?
千里 : そうね。現状で細かく選択肢を用意するのは難しいから、 建巳郁子はこの病院を出たか、否か、と言う選択肢なんだけれど。どうかしら。
GM : 解りました。
千里 : やり方はご存じ?
GM : さしつかえなければ教えてください。
千里 : キャラクタの知力に、正しい選択肢の数を足して、間違った選択肢の数を引く。 その後、相手に隠して判定、成功ならば、どちらかにGMが導く。
GM : 4版と同じなんですね。
千里 : ええ。 失敗したら何も得られず。 ファンブルなら謝った方に導くわけね。
GM : 解りました、ではクローズとの事なのでリアルサイコロを振ります。
千里 : ええ。
GM : はい、では(ころころ……) 建巳郁子ですが、千里さんはもう病院には居ないだろうと思いました。
千里 : そう。
GM : 更に言うならば、この病室を出た時点までは彼女自身の意思で出て行っただろうと判断しました。
千里 : 成程ね。 じゃ、探索も終わったことだし。 「早苗さん。携帯とかは見つかったんです?」
GM : 早苗「はい? あ、えっとですね、携帯は建巳さんの失踪が、 外部からの指示である可能性を考えて、科研が鑑識に持って行きましたよ? なんでも、たとえ履歴を削除してもその痕跡がわかるとかで」
千里 : 「成程……。何か分かると良いですね」
GM : 早苗「今の所なんの連絡もないですし、期待薄です……でも、絶対に見つけてみせます!」 むん、と力瘤。
千里 : 「水色レインコートの人も、まだ手掛かりはつかめず?」
GM : 早苗「そうなんですよ……こっちは本当に神出鬼没で、捕まえたと思ったら別人だったり……」 嫌になりますよ、とため息を吐きます。
千里 : 「そうですか…… (水色なのは間違いなさそうね)」
GM : 早苗「犯人間違いなし、という被疑者を捕まえて…… 取調べの最中に別の場所で発見されたり……はぁ……」
明良 : ふむ… 俺も病院に来ようかと思ってたがかち合うのは不味そうだな。
GM : 早苗「証拠も一通り揃っているのに、どういう訳か、 まったく同一犯としか思えないレインコートが見つかるんですよねぇ……」
千里 : 「ふむ…… 一つが解答なのではなく、全てが解答なのだ、という地点……」 そう、呟くわ。
GM : 早苗「? なぞなぞか何かです?」
千里 : 「いえ」 微笑んで。 「なぞなぞと言うのなら、そう、たとえば…… とある集会が在りました。集まっていたのは50名を超す大勢。そこで殺人事件が起きました。 被害者は首を落とされた上、背中にその血で、完了と書かれていた―― 周囲に人間はたくさんいたはずなのに、目撃者が一人もいないと言うそんな状況。 そんな完全犯罪、ありますかね?」
GM : 早苗「それは、アレじゃないですか? 実は、犯人が残り49人全員のグループだったっていう」
千里 : 「その通りですよ」
GM : 早苗「……ひょっとして、鶴辺さんはレインコートの複数犯説を仰っているですか?」
千里 : 「行動は決められる。顔は見えない。レインコートは用意できる。 持っていたのは鉄パイプ――何処にでもある。 唯一難点があるとしたら……“彼ら”に自覚が在るか、どうか」
GM : 早苗「自覚……?」 と、そこで早苗さんは自分の手で口をふさぎます。 早苗「あ、と、捜査状況をあんまり人に話しちゃ拙いんでした」
千里 : 「ふふ。では聞かなかったことにしましょう」 と、唇に人差し指を当てて。
GM : 早苗「そ、それでお願いします。で……ですね」
千里 : 「はい?」
GM : 早苗「これは独り言なんですけど、実は複数犯説っていう話は無いでもなかったんです」
千里 : 「……(でしょうね)」
GM : 早苗「ただ、それにしては犯人同士の接点が全く無くて、 どこからか指示を受けているっていう様子もなくて。 だから、いつの間にか立ち消えになったというか、 ありえない偶然で完全な模倣犯が出来た、の方がありえるみたいな話になっちゃって」
千里 : 「成程」
GM : 早苗「ま、まぁ、ただの独り言なんですけど!」 あわててパタパタと手を振って誤魔化します。
千里 : 「ふふ――早苗さん、テレビを見ながらポテトチップスを食べているとき、 その手は誰が動かしてると思うかしら。 そこに――“自覚”は在るのかしらね」 と、病室の戸を開いて。
GM : むぅ? と首をかしげる早苗さん。
千里 : 「案外人の認識できる範囲は狭くて、そして導かれるようにいつかは一点へ。収束するもの。 私も、ただの独り言です。 それでは調査、頑張って下さいね」 病室を出るわ。
GM : 早苗さんは首をかしげながらも見送ります。 さて、では次の行動指針を決めてシーンカットしましょう。
千里 : 目処が立たないわね。 佐奈川君に任せるわ。 頑張れ。
GM : 応援入りました(笑)