File.00 『マヨヒガ』

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  GM : さて、シーンは千里さん、後に明良君が合流という形になりますが、        まず始めにアイキャッチのようにマスターシーンを挿入します。  光の差さない――という表現は大げさにしても、人気のない路地裏。  暗い日陰に、ひっそりと立つ男の姿があった。 「俺の名前は、漆黒の堕天使……コードネームはルシファー・オブ・ダークネス……」  訂正、ぜんぜんひっそりしていなかった。  堕天使は、数秒間ポージングを決めた後、斜め45度を見上げながら呟いた。 「祝福の鐘……間違いない、つまりはそういう事だったのだ……  これは急ぎサイロイドに知らせる必要がある……緊急事態と言っていいだろう」  くるっとターンを決めると、片足を曲げ、両手を天に掲げるようなポーズを決める。  関係ないが、グリコのマークに似ていた。  そのまま静止する事しばし…………何も起こらない。 「…………貴様、見ているな?」  ポーズを崩すと、堕天使は路地の奥へ向けてビシッと指差した。  すると、その反対側から飛来した何かが、堕天使の後頭部を直撃する。  錐揉み回転をしながら、さながらドリルのように地面を抉る堕天使。  数メートルほど吹き飛んだ所でようやく止まり、ギクシャクした動きで立ち上がった。 「………………今のは、貴様を試したのだ……」 「ン何をぉ、言いたいのかわからぁんなぁ」  現れたのは全身白ずくめのタキシードに身を包んだ筋骨隆々の大男。  その手には、巨体に似合わぬ洗練された装飾の紳士のステッキ。 「ふっ……俺に解らないことはない……貴様、ポチョムキンなる変態だな?」 「ぶるぅぁ……我ぇはぁ、ヌシの事なぞ知らんなぁ」  堕天使のこめかみに井桁マークが浮かぶ。 「よかろう……貴様の魂に刻んでやる……忘れられぬ俺の真名を!」 「ぶるぅあああああああっ!!!」  人通りの無い裏路地で、二つの影が交差した。   GM : というわけで、舞台裏で堕天使と謎の人が邂逅を果たしました。
  瑞樹 : ポチョムキンが、えーと、なんだったっけ。
  明良 : どんなカオスだよ(笑)
  GM : まぁ、カオスは否定しませんが、別に私が望んだ訳ではありません(笑)
  GM : さて、シーンを始めますが、まず千里さんの単独から開始します。        明良君はある程度進んだら合流と言う形で。
  明良 : おう。
  GM : 前回のアンデキンバーでの萌花との会話の後、        しばらく接客を続けていた時、千里さんの携帯が振動します。        ぶるぶるぶるぶる……。
  千里 : 普通、携帯持って業務しないと思うけれど。
  GM : そうすると更衣室で鳴ってますね。
  瑞樹 : ああー、そーか。そーですね(笑)
  GM : 思わぬ盲点だ(笑)
  千里 : 更衣室だったら気付かないわ。(苦笑)
  GM : や、たまたま休憩時間だったということで、バックヤードに戻っていたとかどうでしょう?
  瑞樹 : そ・れ・だ!
  千里 : まぁ、妥当なところは千代子さんあたりが気づいて知らせてくれれば自然だと思うわ。        どっちでもいいわよ。
  GM : ふむ、まぁそっちを採用しましょう。
  千里 : 了解よ。
  GM : 千代子「千里さん、千里さん、ちょっといいかしら。お携帯が動いているみたいですけれど。            さっきからずっと動いているみたいなの。緊急の用事かもしれないわ」
  千里 : 「はい? あら、ありがとうございます。         萌花ちゃん、申し訳ないけれど少しお願いするわ」        と、告げて更衣室に行くわ。
  GM : 萌花「ちょうどいいから休憩に入っちゃっていいですよー」
  千里 : 「はぁい」        じゃ、ぴっと。
  GM : ぶるぶるぶるぶる……ぴっ。        早苗『もしもしもしもし、鶴辺さんのお宅でしょうかっ!?』
  千里 : 「はい、鶴辺千里です。         具体的にいえば家ではなくて携帯ですけれども」
  GM : 早苗『はっ、そ、そうでした!?           わ、わたくし、県警の皐月早苗と申しますです!』
  千里 : 「はい、昨日の婦警さんですね」
  GM : 早苗『は、はい、どうも昨日はお世話になりました』(ぺこぺこ)
  千里 : 「いえいえ、こちらこそ。それでご用件は?」
  GM : 早苗『あ、そうでした! 実は緊急でして、連絡が大変で失踪なんです!』
  千里 : 「落ち着いてください。日本語が意味をなしてません」
  GM : 早苗『あー、コホン……本日未明、未明でいいんだっけ?           えっと、朝早くですけど、建巳さんが目を覚ましたんです』
  千里 : 「はい」        促すわ。
  GM : 早苗『それで直にでも事情聴取をと思ったんですけれど、           どうも意識が混濁しているようなので、しばらく時間をおくことにして。           巡回の看護士さんが次に見に行った時には、病室から姿を消していたんです!』
  明良 : げ(笑)
  瑞樹 : 私たちんところへごしょうたーい!
  千里 : 「成程……それで、行方はいまだつかめず?」
  GM : 早苗『は、はい。それで、第一発見者でもありますし、一応ご連絡をとおもいまして。           あの、詳しくは解らないのですけれど、建巳さんは頭を強く打っていますし、           意識がはっきりしていない可能性もあるんです』
  千里 : 「はい。ご連絡ありがとうございます。         見かけましたら、また連絡をいたしますね」
  GM : 早苗『は、はい。私たち警察も必死の捜索を続けますが、           万が一見かけるような事があれば宜しくお願いします』
  千里 : 「洋服などはどうしたのかしら」        まぁ、患者服か、昨日のままか、あるいは着替えを……        ……彼女、ご家族いないんだから、それは無理か……患者服だったら目立つわよねぇ。        昨日のままなら、それはそれで覚えているから楽だけど。
  GM : 早苗『病院側が用意したパジャマに着替えていたのですけれど、           どうやらしっかり洗濯しておいた制服に着替えて行ったようです。           なので、混乱はしているまでも、ある程度は自然と行動している可能性があります』
  千里 : 「成程。         それと……建巳さんのお家は訪ねてみました?」
  GM : 早苗『あーと……(ぺらぺら)……はい、近くの者が、でも留守だったみたいです。           電話での連絡は続けているようですが、今朝も誰とも連絡が取れていないようです』
  千里 : 「そうですか、相変わらず……。         あと、彼女……お財布、携帯、定期、あるいはクレジットカードなど持ってましたか?」        特にお財布と定期ね。        行動範囲がだいぶ変わるわ。
  GM : 早苗『え、えーと……鞄は置いて行ったようです、お財布も……           ですから、移動しているにしても徒歩だと思われます』
  明良 : そもそも履く靴はあるのか?
  千里 : 外で発見されたから、靴は在ると思うわ。
  GM : そうですね、一式揃えて保管されていたので、しっかり履いていったようです。
  明良 : そうか、着替えたんだったな。
  千里 : 「でしたら、あまり遠くには行ってないんでしょうね」
  GM : 早苗『看護士さんの話では、何かに怯えている様子も見せていたそうです。           ……まぁ、暴行事件があったので無理はないですけれど』
  千里 : 「そうですか。ありがとうございました。出来る範囲で協力いたしますね」
  GM : 早苗『よろしくお願いします。           それじゃあ私はもう捜査に戻りますので、これにて失礼いたします!』
  千里 : 「はい。御勤め御苦労様です」
  GM : ぶつっ。
  千里 : 「……(さて、どうするかだわ)」        今何時?
  GM : えっと、前回の明良君のターンがお昼でしたから、そろそろお昼過ぎです。        なので、明良君もタイミングを見て登場して大丈夫ですよ。
  千里 : そ。        「……まずは、お昼ね」        アンデキンバーって、食品も確か売ってるのよね?
  明良 : 食品つうか軽食か?
  GM : まぁ、喫茶店ですから、軽食くらいは。
  千里 : じゃ、適当にチョイスして食べてるわ。
  GM : では、丁度その頃、明良君。
  明良 : おう。        がらんがらん。
  GM : ちょうどアンデキンバーに到着した頃、明良君にも電話が掛かってきます。        デロデロデロデロ……♪
  明良 : おいどっちだよ(笑)        外? 中?
  GM : どちらでも大丈夫ですよ、どっちを優先しても構いません。        デロデロデロデロ……♪
  明良 : じゃあ外で。        とりあえず通知は誰だ?
  GM : AFとあります。        情報屋のAFですね。
  明良 : お、来たか。        「もしもし」
  GM : AF『くく、やぁ、息災かな?』
  明良 : 「あまり調子はよくねえな。そっちはどうだい」
  GM : AF『頼まれていた嘉月柚穂に関する情報だけれどね?           どういう訳か、最新情報を集めに行ったものから、芳しい連絡は受けれなくてね?           少しばかり古い情報になってしまうけれど、それで構わないかな?』
  明良 : 「ああ。いいぜ」
  GM : AF『そうだね、嘉月柚穂、霞染高校1年A組に在籍、品行方正、成績優秀、           委員会に所属こそしていないものの、皆に頼りにされているね?』
  明良 : 「ふうん」
  GM : AF『いわゆる優等生って奴だね、くく、つまりは"いい子"な訳だ』
  明良 : 「最後疑問形だった気もするが」
  GM : AF『別に個人のパーソナリティを否定はしないけどね?           外から見ると、中々歪なものが見えてくるものでね?』
  明良 : 「ふうん?」
  GM : AF『誰分け隔てなく、彼女は対象に接するね?           教師も生徒も、不良であっても、彼女は"いい子"として振舞うわけだね?           それは家族も同じでね、正直いつ息抜きをしているのか疑問でしかたないよ?           ストレス溜まってるんじゃないかな?』
  明良 : 「現代社会の心の闇って奴かね、いわゆる」
  GM : AF『元々、中学に入学した頃は……そう、           彼女の親友である浅賀瑞樹嬢のように、天真爛漫な元気少女だったんだけれどね?           いつからか……くく、まぁ、ありていに言って家庭教師が出来てから、           なるべく"いい子"に成ろうと心がけていたみたいだね?』
  明良 : あんまり興味のある話じゃねえなあ。        「ふうん」
  GM : AF『そういえば聞いた話じゃその家庭教師君は、           霞染の教師になったそうじゃないか、中々因縁じみているね?』
  明良 : 「そんなところか?」
  GM : AF『そうそう、関係ないとは思うけれど、その家庭教師君の名前は仲春桂一、           内々にだけれど婚約らしいことをしたらしいよ?』
  明良 : 「らしいな」
  瑞樹 : なん・・・だと・・・?
  明良 : ん?
  GM : AF『勿論、お相手は嘉月柚穂嬢ではないけれど、ね』
  明良 : 「ふうん。そりゃそうだろうな」
  瑞樹 : びびった、柚穂と婚約したと思った。
  明良 : おい(笑)
  GM : AF『ま、そんな所かな、現在の確定情報が手に入らなくて申し訳ないね?』        というわけで、AFの電話はそれで切れます。
  明良 : じゃあきっておくか。        大体既出の内容だったな。
  GM : まぁ、裏づけが取れたというところですか。
  明良 : じゃあ喫茶店に入る。        がらんがらん。
  GM : 萌花「いらっしゃいませー!」        シックな雰囲気の落ち着いた内装の喫茶店です。        テーブル席とカウンターがありますが。
  明良 : テーブル。
  GM : 萌花「1名様でよろしいですね? ご案内いたします」
  明良 : とりあえず席に着いてメニューを見る。        「ん」
  GM : まぁ、特に珍しいメニューがあるわけじゃありません、抹茶セーキとか、トマトコーラとか。
  明良 : なんだって?(笑)
  GM : 萌花「ただいま、Aランチセットが、クリスマスらしくて人気ですよ?」
  明良 : 「んじゃ、Aランチセットで」
  瑞樹 : くぅ、幸せそうにご飯食べおってからに!
  GM : 萌花「はい、Aランチセット! 今ならサービスでケール100%ジュースが付いてきます」
  明良 : 「ケール?」
  GM : というわけで、オーダーが入り、鶏肉のソテー他ランチっぽい物と、        ドロリ濃厚な真緑色の液体がジョッキで出てきます。
  明良 : 「なんだこれ?」
  GM : 萌花「サービスのケールです。ごゆっくりどうぞー♪」
  千里 : それって青汁じゃないかしら。
  GM : ケールはメッチャ苦い健康飲料です。        別名:青汁。
  明良 : それは放置して水で食う。        ばーかばーかこんなもの飲めるわけないだろ俺は超嗅覚だぞ?(笑)
  GM : もう、臭いだけで鼻が曲がりますね(笑)
  明良 : 「ところで、あー……千里って人、いるか?」
  GM : 萌花「せんり……鶴辺先輩ですか?           あー、今ちょうど休憩入ってまして……ちょっと呼んできますね!」
  明良 : じゃあ食ってるか。        そういえば腹減ってんだった。もう2人前頼むか。
  GM : てってってー、とそのウェイトレス(萌花)はバックヤードへと入っていきます。
  千里 : ま、良ければ出てくるわよ。
  GM : 萌花「鶴辺先輩、鶴辺先輩! 大変です!」
  千里 : 「ん、何?」        サンドイッチを食べ終わったところよ。
  GM : 萌花「だいたい高校生くらいの男の子(ちょっと不良っぽい)が、先輩をご指名です!           ここに千里なる人物はおわすか、と聞かれました!」
  千里 : 「そんな口調だったの? それってもしかして、         全体的に腹に一物抱えてそうなどよんとした雰囲気の子?」
  明良 : おい(笑)
  瑞樹 : まー、間違ってない(笑)
  GM : 萌花「なんか前髪を伸ばして、ギャルゲーの主人公っぽい感じの人でした。           誰ですか、彼氏ですかー!? 先輩、クリスマスは予定ないって言ってたのに!?」
  千里 : 「5歳以上も年下の彼氏を作る趣味は持ってないわ」        席を立って。
  GM : 萌花「あ、あー、確かに、ちょっと小さい感じの子でしたからねー」
  瑞樹 : 小さい(笑)
  明良 : うっせえんだよ(笑)
  千里 : 私に比べたら小さいわね。        「ともあれ、覚えは在るわ。伝言ありがと」
  GM : 萌花「いえいえ、休憩時間中にすみません」
  千里 : 「ううん。お仕事に戻って頂戴」
  GM : 萌花「了解しましたー」        てってってー。
  千里 : それじゃ、休憩室を出るわ。        スタッフルームみたいな感じかしら。        ブレンドコーヒー1杯注いで、佐奈川君の席に行くわね。        「ハイ。いらっしゃい」
  明良 : 「あ。カツサンドとハンバーガー、ホットドッグとオレンジジュース追加で」
  GM : 萌花「はい、オーダー承りましたー!」
  千里 : 「良く食べるわね」
  明良 : 「貯め込むタイプなんだ」
  千里 : 「そうやって何かの思惑も一緒に?」        くすり、と笑って。
  明良 : 「純情な学生に何言ってんだよ」
  千里 : 「純情ねぇ……君がそう言うなら、そうしておいてあげてもいいけど」        コーヒーを一口啜ってから。
  明良 : 「こっちは食ってるから、話してくれていいぜ」        もぐもぐ。
  GM : 萌花「カツサンドとハンバーガー、ホットドッグとオレンジジュースお持ちしましたー!           それからケールのお代わりは如何ですか?」
  明良 : 「そうそう。呼び出した駄賃代わりに、この飲み物やるわ。お勧めらしい」        青汁をずいっと。
  千里 : 「ん、ありがと」        すいっ。        わきによけて。        「絶対受けないと思ってたんだけどね」
  明良 : 「営業方針考えた方がいいんじゃね」        むしゃむしゃ。
  千里 : 「さておき……あの子」        目で萌花ちゃんを指して。        「可愛いでしょ」
  明良 : そういえばどんな制服だ?
  千里 : シャツにエプロンじゃないかと思うけど。
  GM : アンミラ系ほど凝った制服というものはありません。        あえて言えばエプロンが統一されているくらい?
  明良 : 「客に飲み物ぶっ掛けるタイプじゃね?」
  千里 : 「そこまでドジっ子じゃないと思うけれどね。         ともあれ、昨日行方不明になった子よ」
  明良 : 「マジ? よく無事だったな」
  GM : 萌花「サバサンドお待ちどうさまです!           あ、ゲヘルンクリームのお代わりですね、少々お待ちください!」        さっさかさー。
  明良 : 「変わったもの食うんだな」
  千里 : 「オリジナリティの追及ね。         ……話を聞くと不思議なんだけれどね……。         何にせよ、帰ってきは、した――貴方の学校の方はどう?」
  明良 : 「俺のクラスは半分も見当たらないが出席率は高いぜ」
  千里 : 「不思議な話ね。名簿が間違ってるか、学校のイスを注文しすぎたとしか思えない」        軽くカップをまた傾けて。        「――でも、そう言うわけじゃないんでしょ」
  明良 : 「そうだな。あとは夜のうちにどんどん転校していってなきゃ、だが」
  千里 : 「あなたが探していると言う子はいまだ見つからないし……」
  明良 : 「ああ」
  千里 : 「昨日の建巳郁子――ご両親が不在の女子高生は、再び失踪した」        カップを置いて。
  明良 : 「なんだって?」
  千里 : 「ちょうど良かったわ。さっきそういう連絡が警察から来たところよ」
  明良 : 「意識不明に見えたんだが」        誘拐されたか?        彼女はリンクスの影響を受けている人間だからな。        委員会がサンプルとして誘拐してもおかしくはない。
  瑞樹 : 常識的な発想だけど、意識が回復したあとだし、誘われたんじゃないの?
  千里 : 「朝意識を取り戻した建巳郁子ちゃんは、ぼんやりとしつつも医師と話をし、         何かに脅えている様子を見せるものの、あまりはっきりとせず。         しばらく時間をおくことにしたら、その間に消えちゃったそうよ。         服は制服。持ち物は着の身着のまま――かばんもお財布もおいてっちゃったみたいよ。         不思議な話よね」
  明良 : 「とりあえず、そんな連絡があったってことは。まだ消えてはいないみたいだな。         行方知れずではあるが」
  千里 : 「不思議な話をいくつかするわ。良かったら意見をくれない?」
  明良 : 「どうぞ」        むしゃむしゃ。
  千里 : 「どうも。         昨日、彼女――建巳郁子ちゃんが襲われた現場にて、私は実はそっと生徒手帳を見てみたわ。         プリクラが貼ってあった――年頃だもんね。けれど、おかしいのは――         一人で映っていた、というその点」
  明良 : 「ふうん……美味いな、このサンドイッチ」
  千里 : 「サンドイッチは御勧めよ。……どころか、誰も映ってないプリクラすら在った。         あたかも、誰かがそこにいたみたいにね」
  明良 : 「俺もそれ、持ってるぜ。意外と流行りなのかもしれないな」        一枚取り出す。
  千里 : 「彼女のお友達が透明人間でもなければ、なかなかあり得ない話だと思うけれどね」        見せてもらうわ。
  明良 : 嘉月と瑞樹が写ってたと思わしき奴でいいか。
  GM : いまや誰も写っていないと思いますが(笑)
  瑞樹 : 風景写真になってんじゃないの? それ。
  明良 : 撮るに値する風景ならそう思うかもしれないがな。
  GM : 教室の机だけ、とか(笑)
  千里 : 「ピントが合ってないわね」        写真を見つつ……
  明良 : 「細かいな。まあ、俺が見たときには人が写ってたんだよ」
  千里 : 「文句をつけたわけじゃないわ。これ、もっと手前にピントが合ってたんじゃないかしら」
  明良 : つまりまあ、永遠はあるよ。
  千里 : 「不思議な話の二つ目は、さっきの萌花ちゃんの話よ」        写真を返して。
  明良 : 「ん」むぐむぐ
  千里 : 「顔も覚えてない知り合いを見かけて、声をかけるためにわざわざ追いかけて、         気がついた時には知らないところまで行っちゃってた……そうよ」
  明良 : 「変わった趣味だな」
  GM : 趣味扱い(笑)
  千里 : 「そうね。私も今まで知らなかった彼女の一面に出くわしてドキドキしちゃったわ」        カップのコーヒーを飲みほして。        「――ところで、佐奈川明良君」
  明良 : 「ああ」
  千里 : 含み笑いをしつつ正面から見て。
  明良 : すんすん。
  GM : 臭いを嗅ぐ癖でもありそうですね。
  瑞樹 : 変態的だ!(笑)
  明良 : いや実務目的だ俺のは(笑)
  千里 : 「君、この件――解決できそう?」
  明良 : 「意地でも解決するさ。知り合いが巻き込まれてんだ。         いるのにいないって言われるんだぜ? ふざけろ」
  千里 : 「ふ……ふふ……、本当に君さ、何者なの?         ただの高校生なら、そこでの台詞は『なんで俺が? 警察にでも任せましょうよ』じゃない?」
  明良 : 「あのさあ鶴辺さん。ふつーに考えて警察に連絡しても、そんな人はいません終わりだろ?         だったら一体他の誰があいつを探してやれるってんだ。ごく論理的な帰結だぜ」
  GM : なんだろう、この狐と狸の、表面上は何でもない化かしあい(笑)
  瑞樹 : こわーい(笑)
  明良 : 何が?(笑)        「つってもまあ、こっちも大したことはわからなかったけどな」
  千里 : 「ふつーに考えて警察に連絡したところで、そんな人はいませんと言われるのなら、         そんな人はいないんじゃないかしら」
  明良 : ジュースをすする。        「もう一回それ言ったら殴るからな。マジで」
  瑞樹 : 明良こわーい(笑)
  GM : 愛ゆえの暴走ですね。
  明良 : 怖くねえよ、普通の学生じゃん?(笑)
  瑞樹 : 普通の学生はあまり知りもしない人に殴るとか言わない(笑)
  GM : 青春ですね。
  千里 : 「苛立ってるのは本当みたいね」
  明良 : しかしこの女はどうだか……体臭から感情を推測してみるか。        すんすん。        (ころころ……) 15-[6,6,1] = 2
  瑞樹 : 危なかった(笑)
  GM : ここで失敗するのが明良君クオリティなんですけどねぇ(笑)
  明良 : 共感の効果、だな。
  千里 : そうね。期待しつつ、疑りつつ、と言うところかしら。
  明良 : グレーだな…(笑)        「そういえば、路地裏の怪人って知ってるか?」
  千里 : 「何かしら、それ」        聞いたこと無かったわよね、おそらく。
  GM : そうですね、千里さんだけはその情報を知りません。
  明良 : 「掴みキャラぽい名前だったな」
  GM : や、あそこまで人間離れした容貌ではありませんよ(笑)
  千里 : 「ラリウッ上?」
  瑞樹 : 何でそれ知ってるんだ千里さん!(笑)
  明良 : 「いやギルティの方。つかなんだそりゃ? レトロゲーかなにかか?」
  瑞樹 : 世代的な壁が……(笑)
  GM : インド人を右に。
  明良 : ありえない誤植(笑)
  千里 : 「ふぅん。聞かせてくれる?」
  明良 : 「なんか別件でうろうろしてるやばい奴みたいだから、         とりあえず気をつけといた方がいいぜ、って話だ」
  瑞樹 : 名前ちゃんと出せや(笑)
  明良 : だからギルティの掴みキャラだろ?(笑)
  GM : それじゃあ解りませんって(笑)
  瑞樹 : 千里さんは世代が違うんだから(笑)
  明良 : そうか、旧世代だったな(笑)
  GM : や、そこまで劇的に違うわけではないと思いますが(笑)      ※ 格闘ゲーム『ギルティギア』にポチョムキンという名の容貌怪異の大男が居る。   千里 : 「名前は?」
  明良 : 「怪人ポチョムキンだとさ」
  千里 : 「面白いわね……」
  明良 : 「そういえばWebサイトにも乗ってたな。怪談ページだとか何とか」
  千里 : 「ありがと」
  GM : 怪談オンリーではなく地域情報サイトですが(笑)
  明良 : 「それから、うちのクラスの副担任が、消えた生徒のことを覚えててな。         まあ要するに、俺たちみたいな感じで」
  千里 : 「ふぅん」
  明良 : 「けど聞いてみてもまるで普通なんだよな。どう思う?」
  千里 : 「どうも何も……ってところだわ」
  明良 : 「まあそうだよな。下手すればこいつが元凶かと思って挑んだんだが、         肩透かしもいいところだったぜ」
  千里 : 「元凶、ね」
  明良 : 「結局一日かけて調べたのがほとんど無意味になっちまったしな。やれやれだぜ」
  千里 : 「私が問題としているのはまさにそこなのよね。佐奈川君」        そろそろ食べ終わったかしらね。
  明良 : ああ。後はオレンジジュースだけだ。
  GM : む、明良君、オレンジジュースだけでなくケールが残っていますよ(笑)
  明良 : いらねえよふざけんな(笑)        「因果関係って奴か?」
  千里 : 「いいえ」        すっと、自分の唇に左人差指で触れるわ。        それから手を伸ばして、佐奈川君の額に触れる。        アライン・メイズ        困惑を発動させるわね。
  明良 : 触るのか……それは避けたいが……覚悟だけ決めよう。
  千里 : (ころころ……) 15-[4,5,1] = 5        生命力−14で抵抗よ。
  明良 : ふざけんな(笑)
  GM : 抵抗とか(笑)
  瑞樹 : 私ですら成功しにくい(笑)
  明良 : 振れねえ(笑)
  瑞樹 : 6以下だから私は振れる!
  明良 : どうなる?        「うっ……?」
  千里 : 何も。14秒間困惑して動けなくなるだけよ。
  GM : このケールを飲むべきか残すべきか……(困惑)
  千里 : ふふ。        14秒程度の間をおいて――        「――大丈夫?」
  明良 : 「ん……ああ、ちょっとぼーっとしただけだ」
  瑞樹 : 14秒は、確かにちょっとだ。
  千里 : 「そう。私が触れたからね」        いたずら気に、Quietを示すがごとく人差し指を立てるわ。        「そう言ったら、君は驚く?」
  明良 : 「……」        考える。        こいつ……やっぱりリンクスか? いやかなり黒と考えていいだろう。
  千里 : 考えている間に言うわ。        「前から思っていたんだけれど……当然、私ひとりじゃないはずなのよ」        何が、とは言わない。        わかる相手なら、わかるはずだから。        「そしてこの件にもし、“それ”が絡んでいるのだとしたら――         ――少しだけ、私はそれを期待しているけれど――」
  明良 : 「……」        やばい、俺も疑われてるのか(笑)
  GM : そりゃそうだ(笑)
  瑞樹 : 冷静に過ぎる(笑)
  GM : 闇を覗いたとき、闇もまた貴方を見ているのです(笑)
  千里 : 「――一般常識では対処できないはずだわ」
  明良 : いや論理的に考えよう。これはチャンスだ。        おそらく、委員会も、ついでにポチョムキン…組織名なんだっけ?        も知らないリンクス。
  GM : ちなみにポチョムキンがそうとは言いませんが、        現在この暦市に入り込んでいるというリンクスが所属しているのは『統合嚮団』です。
  千里 : 「そこで。         私の目の前に、常識外れをした高校生がいるわけよ」
  明良 : 「……俺のどこが常識外れなんだ? ごく普通の高校生だと思うけどよ。         参考までにどこがおかしいか教えてくれないか」
  千里 : 「……わからない?」
  明良 : 「なにがだよ」        心底不満げに。
  千里 : 「それならそれでいいわ」
  明良 : オレンジジュースをすする。
  瑞樹 : およ。あっさり引き下がった。
  千里 : 別に私の方は切羽詰まってないからね。
  瑞樹 : なるる。
  明良 : 俺は切羽詰ってんだよ(笑)        「……ま、確かになんだ。俺にも……なんて言えばいいんだ?         ちょっとした特技みたいなものがあってな」
  千里 : 「へぇ」
  明良 : さてわかりやすいのはあの妖術だが……下手するとウェイトレスがすっ飛んでくるからな。        「あんた、今どこか怪我してないか? 軽い奴でいいからさ」
  千里 : 「無いわ」
  明良 : 「ん……じゃあ仕方ないな」
  千里 : なら、その迷ってる雰囲気を読むわ。        「――何なら、場所を移しましょうか」        すっと、席を立って。
  明良 : 「ん、助かる」
  千里 : 「私もここだと、少し話しづらいしね」        カウンターに。
  明良 : フォークを一本ちょろまかしておこう。
  千里 : 「すみません、また少し急用が入ってしまいましたので……         午後、任せられますか?」
  明良 : そういえば店主は誰だ?
  千里 : 「電話は持ってますので、急な時には呼んでもらえれば」
  GM : 千代子「あら、そう? 別に大丈夫よ、萌花が馬車馬よりも働けば済む話ですから」        萌花「むぎゃあ!?」        マスターは無言でこくりと頷いています。
  千里 : 「成程。そう言えば佐奈川君、恰好いいお友達とかいる?」
  GM : 明良君はトモダチ自体少ないですよ(笑)
  明良 : うるせえな!(笑)
  千里 : いるじゃない。        堕天使の子とか。
  明良 : 友達じゃねえよ!
  GM : なるほど、親友の堕天使が居ましたね(笑)        ……親友の堕天使って、字にすると面白い表現だな(笑)
  明良 : 「なに、あんた年下好きなのか?」
  千里 : 「いえ、そう言うわけじゃないけれどね。今度彼女に紹介してあげて」        と、悪戯っぽく笑って。
  千里 : 当然のようにおごって出るわ。
  明良 : 「ま、気が向いたらな」        ついていく。
  明良 : どこに行く気だ?
  千里 : 当てはないわ。
  明良 : まあ適当か。
  GM : 下手にそこら辺の路地裏に入ると二大怪人が大決戦をしているかも(笑)
  明良 : うるせえよ(笑)
  千里 : 別に歩きながらでもいいし。
  GM : 明良君の能力でしたら、人目に付かなければ別に何処でもいいですしね。
  明良 : まあな。
  千里 : って言うか        私が作れば、いいか。        じゃ、少し歩いて、適当な路地が在るかしら。
  GM : まぁ、町並みですから街路くらいはあります。
  明良 : だよな。
  千里 : そう。
  GM : いきなり異次元への扉が開かれるわけですね(笑)
  明良 : いやそこまではやらんだろ?(笑)
  千里 : まぁ、私の知り合いが見かけなくなるだけよ。        アライン・メイズ 人払い2を14レベルで発動。        私を探している人物は、私を見つけられない。        (ころころ……) 15-[4,3,4] = 4        はい。これで間違えて私の知り合いが見かける、ってことはないわ。        見かけたところで、確認を取ろうとして振りかえった時にはもう、見つけられないんだからね。
  GM : なるほど。        というか、便利ですね。
  明良 : しかも俺気付けねえ(笑)
  GM : もはや神隠しのレベルで見失うんでは(笑)
  千里 : そう言えばそうね。(笑)        うっかりしてたわ。
  GM : 横を歩いていたはずの人が消失する怪現象(笑)
  千里 : 抵抗してみる?(笑)
  明良 : できるのか?(笑)
  千里 : 14のペナルティだけどね。
  明良 : それはできるとはいわねえ。
  GM : なんというか、千里さんは如何にもリンクスらしいリンクスですね、        いつ「世界の危機」になっても可笑しくない(笑)
  千里 : ん、じゃぁ、起動した後で気づくわ。        どっか行っちゃいそうになる佐奈川君を見て。
  明良 : 「……あれ?」
  千里 : 「……あ。これが効かないわけじゃないのね」        効果を中断。佐奈川君をつつくわ。
  GM : というか、大抵の人は抵抗できないと思います(笑)
  明良 : 「あれ、鶴辺さん……もしかしてなんかしましたか?」
  千里 : 「ちょっとミスしたわ」        「こっちね」        すっと、先導して行くわ。
  明良 : 「俺のは、そんな大したものじゃないですよ?」        なんか心苦しいな(笑)
  千里 : 「人がいると困る? ……面倒ね。ここはやっぱり、カラオケにでも行きましょうか。         せっかく午後空けてもらったんだし」
  明良 : 「そうっすね」
  千里 : って、佐奈川君学校は?        平日のお昼ごろって学校あるんじゃ。(苦笑)
  明良 : 着替えてきてるぜ。
  GM : 私服ならいいって話ではないですね(笑)
  明良 : 緊急事態だからいいじゃねえか(笑)
  千里 : 「そう言えば君、学校は?」
  明良 : 「自主休業っすね」
  千里 : 「そ。どうこう言える立場じゃないし、かまわないけどね」        誠実取ってなくて良かったわ。
  千里 : 近くのカラオケに入って。        部屋の手配をしてもらうわ。
  GM : 平日の昼間なのでフリータイムがお安くなっております。
  千里 : 助かるわ。
  明良 : 1000円か。
  GM : まぁ、カラオケって適度に防音が聞いた小部屋ですから、密談にはもってこいですね。
  千里 : 庶民にとってはね。
  瑞樹 : 庶民が密談……。
  明良 : 学校の屋上が適当なんだけどな(笑)        しかしここまでされてちょっとした芸だと申し訳ないな…(笑)
  GM : 10分間だけ超人になってみるとか(笑)
  千里 : 別に気にしないわ。
  明良 : じゃあ入って。        「なんか歌います?」
  千里 : 「歌ってていいのなら歌うわよ」        そう言って、コントローラー手に取るわ。        「歌ってて何か解決するんだったらね」        そう、笑って見せるわけね。
  明良 : 「じゃ、適当に流しておきますね」        今週のタイトルを10曲ほど予約しておく。        「まあ、正直大した特技じゃないんすけどね」        フォークを取り出す。
  GM : 曲げる。
  千里 : 「曲がるの?」
  明良 : 「曲げません」        右手で持って、左手に突き刺す。        ぐっ。
  千里 : 見てるわ。
  明良 : 「いってえ……いいフォークだ」
  千里 : 「痛そうね……」
  GM : そのフォーク、アンデキンバーの備品なんですけど(笑)
  千里 : ね。突っ込んでも仕方ないから突っ込まないけれど。
  明良 : 血が流れ出したら止める。        右手に治療薬を装填        (ころころ……) 13-[1,6,4] = 2        うし成功。        右手から薬液を傷口に浸透させて……おっとプロセスは隠す。傷を癒す。
  千里 : 「……へぇ」        まじまじと。        「凄いわね。手品じゃないんでしょ?」
  明良 : 「まあ、種も仕掛けもないっすよ。骨折とかもいけます」
  千里 : 「……初めてだわ」
  明良 : 「鶴辺さんみたいな大したものじゃないっすけどね」
  千里 : 「うん? 比べようがないものを比べるもんじゃないわ。         しかし、やっぱり居たわけね」        感じ入ったように、ソファに腰掛けて。        「佐奈川君は、他にも在ったことがあるわけ?         こういう……“ありえない人”……と言うか」
  明良 : 「まあ、自分一人が特別な人間って考えるよりは自然かと」
  千里 : 「私にとっては当たり前なんだけれどね。人は迷うんだもの」
  明良 : さてどうしたものか…(笑)
  GM : ここでの態度に私人を取るか公人を取るか、サイロイド絶体絶命(笑)
  明良 : いや私人だけどな?(笑)
  GM : どう説明したものか、と言う所ですか(笑)
  明良 : 彼女の能力如何では嘘が一発でばれるから、どう嘘をついたものかと(笑)
  GM : 嘘は前提条件なんだ(笑)
  明良 : まあ、多分人の精神を左右するタイプだな……
  千里 : 「ふふ……迷ってる、迷ってる」        見て、薄く笑うわ。
  明良 : 「……わかるんすか?」
  千里 : 「ええ。         それが私の、“アライン・メイズ”――そう、呼んでみてるけれど。         思うところの本質は、迷っていても、答えは一つ――         ――選択できるのは結局ひとつだけ、と言うその一点よ」
  明良 : 「俺は……”デザインD”っすね。まあ、薬みたいなものなんで」        リンクス……これがリンクスか!        妙な興奮があるな。そういう場合じゃないんだが。
  千里 : 「そう。話したところで、ほら。         思わない? 迷ったところで、結局あなたは私に話していたんだと」
  明良 : 「そりゃまあ、同類、ですしね。相談相手としては」
  千里 : 「……さて」        軽くうなずいて。
  明良 : 「さっきの質問ですけど。他の同類にあったことはないっす。ただ」
  千里 : 「うん」
  明良 : 「俺も俺の特技を自分なりに調べてみたことがあって。         そうしていると、こういうものに対する圧力……みたいなものを感じるんすよ」
  千里 : 「圧力?」
  明良 : 「たとえば俺のデザインDを使えば、瀕死のけが人や、不治の病も治せるかもしれないんすけどね。         他にもそういう人間はいるはずなのに、眉唾な話以外は何も出てこない。         これってつまり、隠そうとしている存在がいるってことじゃないんすかね」
  千里 : 「自主的に、平穏に。         それとも、あるいはもっと圧倒的な何か。         そこが問題と言うことね?」
  明良 : 「そうです。そして感覚ですけど、その何かは、かなりやばい」
  千里 : 「後者。         そこについては同意するわ」        頷くわね。
  明良 : 俺も同意だな…(笑)
  千里 : 「何故かは単純よ」
  明良 : 「というと?」
  千里 : 「 何故なら、私が“アライン・メイズ”を隠してきたから 」        確信的にそう言うわ。
  明良 : 「……」
  千里 : 「大っぴらに話したことも、吹聴したことも無しに近い。         言うか言わまいか迷ったところでそれは、最終的に、         言わない、方を選ぶ――それが解答で在り、過程が無いからこそのアライン・メイズ」        スタートとゴールの撞着。        何故、言わないのかではなく、言わないからこそ言わないという解答。
  GM : 千里さんが本気で隠れたら、探索専門の能力者でもなきゃ見つけようもないでしょうね。
  明良 : 「よくわからないんすけど……その方が正しかったってことですか」
  千里 : 「そう思ってもらって構わないわ。ただ――         ――君は、この件に私たちの同類、それに近いものが噛んでいると、         そう思っているんじゃない?         私はそう感じたからこそ、君にここまで話してるんだけど」
  明良 : 「そりゃあ、まあ。あまりにもあからさま過ぎですよ」
  千里 : 「人は消えないものね。こんなふうには、普通」
  明良 : 「しかも他の人間が気付いてない」
  千里 : 「MIBでもいなくちゃ――筋が通らない」        ここで、曲がいったん切れるわけね。        「それで。         佐奈川君はなおも、解決を望むわけだ」        足を組んで。
  GM : BGMによる演出効果が(笑)
  明良 : 「むしろ喜ぶべきところですよ」
  千里 : 「喜ぶべき?」
  明良 : 「これが宇宙人に浚われたって言うならどうにもならないっすけど、『ただの同類』ですから。         解決は出来ると考えるべきでしょ」
  千里 : 「成程だわ。         ま……、私は今後も協力させてもらうわけだけど、と言うより――         興味がわいたわ」
  明良 : 「正直、鶴辺さんはあまり積極的になる理由がないかと思うんすけどね」
  千里 : 「そう?」
  明良 : 「友人が消えてるわけじゃないっすよね? あのウェイトレスも無事だった訳ですし」
  千里 : 「目の前にパズルがあったら解きたくなるわよ。         たまたまとは言え、ここまで噛んでるわけだしね。         何より今……、ただの不可解な事件ではなくて、         人間の絡んでるパズルで在る可能性が浮上したわけだし」
  明良 : 「ま、正直大助かりです。         さっきの話に戻りましょうか」
  千里 : 「ええ」
  明良 : 「だから俺は、例の教師がいわゆる、同類かと思ってたんすけどね。これがどうも白だったんで」
  千里 : 「へぇ」
  明良 : 「これからどうするか、って話になるんすけどね」
  千里 : 「一つは、建巳郁子さんの捜索じゃないかしら。         あとは……そうね。レインコートの男……」        考えるようにして。
  GM : 千里さん的には色は不明のレインコートの男。
  明良 : そこは少し話しておくか…        「レインコートのほうは、探すのはいいんすけど、         ポチョムキンってのに気をつけてくださいよ。でかい紳士だとか。         多分、今回の件とは別件……ていうか、今回の件があるから来たようなのだと思います」
  千里 : 「へぇ」
  明良 : 「これだけ大っぴらにやって、例の隠してる連中が動かないわけないっすからね」        まあ俺なんだがな、それは…(笑)
  千里 : 「ふぅん……」
  明良 : 怪しまれたか…?        しかし最低限は忠告しておかないと、露見するとまずいしな。        「だからまあ、建巳郁子を探すのがいいんじゃないかと」
  千里 : 「そう。         私、探す方はあまり得意じゃないのよね」
  明良 : 「迷わす方が得意そうですね、言動にしても」
  千里 : 「それは悪いわね。言動はなるべく率直なつもりよ」
  明良 : 「そうっすか? まあ、こっちはちょっと伝があるんで、当たって見ますよ」
  千里 : 「お願いするわ。         一応、私日中はさっきの喫茶店で働いてるけれど。緊急時は呼んでくれて構わないから」
  明良 : 「ういっす」
  千里 : 「それじゃ、ポチョムキンさんについては私の方でも調べてみるわ。         建巳さんについても一応探してみるけれど」
  明良 : 「お願いします。何かあったら呼んでくださいね」
  千里 : 「ええ。ちなみに私」        自分の目を軽く指して。        「色が見えないの」
  明良 : 「……色盲っすか」
  千里 : 「そ。そこは知っておいてちょうだい」
  明良 : 「じゃあ、爆弾の配線どっちを切るかは任せないようにするっすね」
  千里 : 「そうね」        くすりと笑って。        携帯を取り出すわ。        「アドレス教えてくれる?」
  明良 : 「ういっす」        じゃあ番号とアドレス交換ってことで。
  GM : ぴっぽぱ。
  千里 : 「OK……         じゃ。お互い精々がんばるだわね」        と、カラオケを出ようとして……。
  明良 : 俺は少し残っていくか。
  千里 : 「あ。――ねぇ君。         何か呼んでたりする? そう――私達の同類みたいの」        事のついでみたいに、振り返って。
  明良 : 「……たしか、『リンクス』と。         意味はわからないっすけどね」
  千里 : 「そう。リンクス、ね」
  明良 : それじゃ別れるか。
  千里 : ええ。出てくわ。
  明良 : (リンクス、か……やっと見つけた、が。         とりあえず今は瑞樹の方が先だな……ったく、人の予定狂わせやがって)        シーンカットで。
  GM : 了解。
  千里 : 長々と悪かったわね。
  GM : いえいえ、必要な会話でした。        やたらと裏のある会話でしたが(笑)
  瑞樹 : 裏だらけ(笑)


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