File.00 『マヨヒガ』

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  明良 : どこからだったか?
  GM : 病院で明良君と千里さんが別れたところなので、今度は瑞樹さんのシーンです。
  千里 : そうね。
  瑞樹 : おお。
  GM : では、瑞樹さん。        状況を覚えていますか?
  瑞樹 : 顔が! 口が!        柚穂が大人に!
  GM : はい、いい感じにパニクっていますね。        現在、柚穂?に促され乗り込んだ車で、町を走行中です。
  瑞樹 : ぶぅーん。
  GM : 風景が、車窓の先を流れていきます。        見覚えのある風景。        見慣れた町並み。
  瑞樹 : 外は人いない?        人気なし?
  GM : だけど、どこか空虚で。        人気がなく、どこまでも静か。        車のエンジン音だけが、微かな音の全てといえます。。
  瑞樹 : 「えーと……」
  GM : 柚穂「それにしても……久しぶりだね、瑞樹」        ハンドルを操作しながら、柚穂が言います。        柚穂「ざっと、二万とんで五十六年四ヶ月十二日三時間四十二分八秒ぶりくらいかなぁ?」
  瑞樹 : 「に、にまん!? え、そんな前から!?         っていうか柚穂2万歳!?」
  GM : 柚穂「うん、もちろん冗談なんだけどね」
  瑞樹 : 「冗談かーい!」        ビシィッ。
  GM : 柚穂「あうちっ!」        きゅきゅきぃいいいっ!
  瑞樹 : 「おおう、運転中であった」
  GM : ハンドルを小刻みに動かして体勢を立て直します。
  瑞樹 : 「っていうか、っていうか、柚穂さ」
  GM : 柚穂「ん〜?」
  瑞樹 : 「そんなに大人だったっけ?」
  GM : 柚穂「そうだよ、この二万年の間にこんなにナイスバディの美人に成長したわけさ」
  瑞樹 : 「く、ナイスバディだ……」
  GM : 柚穂「ふふん♪ ……実際、よく解らないんだけどね」        誰も居ないのに律儀にウィンカーを立て、交差路を曲がる。
  瑞樹 : 「いや、いや、私もひどく負けてるわけでは、およ?         よく分からない?」        私の体を見る。
  GM : 違和感のない、普通の身体です。        特に胸が大きくなっているわけでも、身長が伸びているわけでもありません。        対して、柚穂は明らかに二十代と言える程度に成長していると言えるでしょう。
  瑞樹 : 「私どう見える? ちゃんと女子高生してる?」
  GM : 柚穂「うん、私の知ってる通りの瑞樹のままだよ……たぶん。           もっとも、明日になったらどうなっているかは、保証できないけどね」
  瑞樹 : 「そういえば、久しぶりって言ったけど、どんくらいあってない感じ?」
  GM : 今更それを聞くんだ、と苦笑します。        柚穂「その前に瑞樹、今日って何日?」
  瑞樹 : 「今日?         12月24日?」        だったっけ?
  GM : 朝、テレビは12月24日と言っていました。        瑞樹さんの感覚でも、今日は24日で終業式のはずです。        でも。        柚穂「うん。12月24日……でも、"ここ"では昨日も12月24日だったんだよ」        空虚な町並みが、後方へと流れていきます。        柚穂「【ここ】は、なんというか、魔界? 異界?           いっそ、幻想郷でもいいけど……ともかく、なにか違う。           暦市であって暦市でない、なんだか良く解らない世界の裏側。           マヨヒガ、って言う名前らしいけどね」        ほら、そこに看板が、と窓の外を指差します。
  瑞樹 : 「おお?」        看板見ます。                  _______________                [   - Silent Hill -   ]                [ −ようこそ、マヨヒガへ− ]                [   −この先、冥土−   ]                   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   GM : そう、はっきり書いてあります。        いわゆる観光案内の看板みたいな感じですね、ようこそ箱根へ、みたいな。
  瑞樹 : 「うわ……」
  GM : 柚穂「で、世界の端は、崖っぷち」        キキッ、と車が停車します。        車の先、ボンネットの向こう側には、本来ならば道路が続いているはずの道がありました。        ただ、今そこには何も無く。        まるで霧が広がるように白い靄に包まれています。
  瑞樹 : 「なにこれ。入ってくとどうなるか知ってたりする?」
  GM : 柚穂「えっとね、実は名前が思い出せないんだけど」
  瑞樹 : 「名前が思い出せない?」
  GM : 柚穂「クラスメイトの一人……だと思う子が奥へ行って、帰って来ないんだよね」
  瑞樹 : 「現実世界へ帰れたのかな」
  GM : 柚穂「かもしれない」
  瑞樹 : 「そうじゃないかもしれない」
  GM : 柚穂「けどね、私は瑞樹のことは覚えてたんだよ」
  瑞樹 : 「お?         私を覚えててくれたのね! 流石親友!」
  GM : 柚穂「瑞樹だけじゃない、山田君や、斉藤さん、美穂や絵里……ちゃんと覚えてる。           なのに……靄の向こうに行った子の名前だけ、思い出せないの……」
  瑞樹 : 「……」        ごくり、と生唾飲み込む
  GM : 柚穂「あの子が、この先に行ったその日までは、普通に呼び合えてたはずなのに……」        おかしいよね。        シフトレバーを操作し、柚穂は車を反転させ、また市内へと戻り始めます。
  瑞樹 : 「うぬぬ……」
  GM : 柚穂「全部がおかしい、そんなところだけど……極めつけはもう直だよ」        やがて、車は市内の……本来ならば人通りが多いであろう大通りまで戻って、停車しました。        陶然のように、周囲に人影はありません。
  瑞樹 : 「お?」
  GM : 柚穂「降りよう、瑞樹」        ガチャ、と。
  瑞樹 : 「あ、うん」        せかせかと降りる。
  GM : 柚穂は下車すると、大通りの中央へ立ちます。        柚穂「今……お昼ごろ、この大通りは歩行者天国になって、           昼休みの会社員なんかで賑わってる頃だよ」
  瑞樹 : 「あれ?」
  GM : 手首にはめた腕時計を見せ、今がちょうど昼時だと示します。
  瑞樹 : 「どれれ。あ、お昼だ」
  GM : 時計は、だいたい12時を指しています……そして。
  瑞樹 : きょろきょろとあたりを見渡す。
  GM : 人影はありません。        見慣れた通り、なのにどこか写真を見ているようで。        薄っぺらで、現実感のない、風景画のような景色。        その時です。
  瑞樹 : お?                        からーん。   GM : 鐘が鳴ります。                        からーん。   GM : 鎮魂のように、物悲しい鐘の音が。
  瑞樹 : なんとなく木刀に手をかけておこう。
  GM : 何処からとも無く。        その残響が消える、その頃。        ざわざわと。        喧騒が聞こえ。        景色に色が戻り。        空気に温かみが戻ります。
  瑞樹 : 「お、おお!?」
  GM : ざわざわと。        歩行者天国、いえ大通りに人が溢れ。        往来を行き来する人で一杯になります。        景色も同じ。        まるで、作り物めいていた世界、ジオラマのセットのようだった空虚な町並みが。        いまや普通に人々が生活する、日常の一部へと変わっています。
  瑞樹 : ちゃ、ちゃんと人?
  GM : ええ、忙しなく、日々を生きる、極普通の人たちだと思います。        昼食を取りに行くサラリーマン、時間を気にする中年男性、同僚とおしゃべりするOL。        そんな普通の風景。
  瑞樹 : 「ど、どゆこと柚穂?」
  GM : 柚穂「――こういうことだよ、瑞穂」        そんな普通の風景。        に、そっと手を伸ばす。        まるで、そこに何もないかのように。        柚穂の伸ばした手は、歩く人をすり抜け、何事も無かったように通り過ぎて行きました。
  瑞樹 : 「おおお!?」        私もやってみよう。
  GM : するっ、と。
  瑞樹 : 人ごみに突撃!
  GM : 空気ほどの抵抗も無く、人ごみを突破します。        すかすかすか!
  瑞樹 : 「ゆ、幽霊みたいだ」
  GM : 柚穂「そう、そうなんだよ。           この人たちには、私らが見えてないの」        てい、と道行く人にチョップを打ち込み、すり抜ける。
  瑞樹 : 物には触れるのかな。        ぺたぺた。
  GM : それが地面、あるいは壁であれば触ることは可能です。        ただ、人の着ている服や、鞄に触ることはできませんでした。
  瑞樹 : なる。        「幽霊なのは、私たち?」
  GM : 柚穂「幽霊扱いなのは、そうかな……たまに、ボンヤリ見える人はいるみたいだけど」
  瑞樹 : うぬぬ。        「見える人いるの!?         おおーいおおーい!」        手を振り振りして大きな声出してみる。
  GM : 声を張り上げても、誰一人振り向くことはありません。        幾ら手を振ろうとも、その動きに反応する人はいません。
  瑞樹 : 「おうまいがっ! 今はいないのか!」
  GM : 柚穂「"こっち"の世界との繋がりが薄くなっちゃってるんだ。           あの、どこからか聞こえてくる鐘の音が合図に。           "こっち"と"あっち"は微妙に入れ替わる」
  瑞樹 : 「こんな感じに?」
  GM : 柚穂「そして……」
  瑞樹 : 「そして?」
  GM : 柚穂は、まるで泣き笑いのような表情で。      「完全に、"こっち"との繋がりが消えた時、私たちは"あっち"の住人になっちゃうんだ」   瑞樹 : 「ど、どういうこと!?         ここに長くいると、消えちゃうの!?」
  GM : その表情は、虚ろ。        どこか、瑞樹が学校でみた笑顔の人々と、似通って。
  瑞樹 : だだだっと近寄って、がしっと抱きしめる。        「柚穂!」
  GM : 柚穂「ねぇ、瑞樹……           ……私、自信ないよ」        抱き返すでもなく、するがままに。
  瑞樹 : 「私は自信がある!         柚穂も私もここから出る!」
  GM : 柚穂「……出られるのかなぁ?」
  瑞樹 : ばっと、柚穂の目を見て。        「出れるよ。         この浅賀瑞樹にできないことは、テストでいい点取ることだけ!         だから大丈夫」
  GM : 柚穂「…………ん」        くしゃりと、顔を歪ませ。        柚穂は、涙ながらに、頷きました。
  瑞樹 : うなずいたのを見て、にかっと笑う。
  GM : と、一度シーンをカットします。
  瑞樹 : はーい。
  GM : 柚穂は不安だったんでしょう。
  瑞樹 : 分かる。すんごいよく分かる。        だけどもーう安心だ!        この私がいる限り、不可能などちょっとしかなーい!
  GM : さて、それはどうかな。
  瑞樹 : ふっふっふ、私に負けはないぜ。
  GM : と、次のシーンは、そうですね情報収集っぽい明良君で行きますか。
  瑞樹 : はーい。
  明良 : さてと。どうする?
  GM : 嘉月庄蔵を調べるんじゃなかったんですか?        どうやって調べるのかは知りませんが。
  明良 : おい(笑)
  GM : 現状、明良君は病院をでた辺り。
  明良 : まあ調べるは調べるが。千里の方先にやるか?
  GM : 千里さんはどう行動する予定ですか?        それにより、そちらのシーンを先にしますが。
  千里 : ん? 私?
  瑞樹 : イエス。
  GM : 千里さんは、病院を出た後どうします?
  千里 : アンデキンバーに戻るわ。        で、お客様を接待するわ。        後は洗い物をしたり。
  瑞樹 : つまり普通に過ごす?
  千里 : 異常に過ごすつもりはないわよ。
  GM : 何事もなく今日という日が終わりそうですね。        あ、でもそっちをやりましょう。        千里さんがアンデキンバーに戻った時のことです。
  千里 : うん?
  GM : 千代子「あら、千里さん。思ったよりも早かったですね」        人が居ないので戻った時は千代子さんが給仕をしていました。
  千里 : 「ああ、はい。萌花ちゃんはやはりまだ戻ってませんか」
  GM : 千代子「そうなんです。まったく、あの子ったら何処で道草を食んでいるのかしら?」        千代子さんは怒るよりもあきれているようにそう言います。
  千里 : 「まぁ、仕方がありません。あ、飾り付けを購入してきました」        と、手渡して。
  GM : 千代子「ありがとうございます」
  千里 : 「(やっぱり戻ってない……と言うこと。          なんともなければいいけれど、ここでそれを望むのは酷だわね)」
  GM : 千代子「それじゃあ、戻ってそうそうですが、お給仕をお願いしますね」        受け取って、荷物をバックヤードへ持っていきます。
  千里 : 「はい」        着替えて、いつもの仕事に戻るわ。
  GM : はい。        その日は特に人が多いわけでも少ないわけでもない、いつも通りのアンデキンバーでした。        ただ、萌花の姿がないというだけで。
  千里 : そ。
  GM : 結局、閉店の時間になっても萌花は戻ってきませんでした。
  千里 : 困ったわね。
  GM : 千代子さんやマスターは、あの子もそう子供ではないからと、        特に慌てて警察に連絡、というほどの様子はありません。
  千里 : とりあえず、店内に目を配ることは怠らないけれど、特に変わったことはない?
  GM : ふむ。        では、知覚+鋭敏視覚でお願いします。
  千里 : うん?        鋭敏視覚は持ってないわ。        (ころころ……) = 16-[6,4,1] = 5
  GM : はい、では店内、というかいつも萌花が占領している一番奥のカウンター席に。        出かける際、着替えていったと思われる萌花のエプロンが置きっぱなしになっていました。        で、そのエプロンの前ポケットが少し膨らんでいて……ぶっちゃけ、携帯が入りっぱなしです。
  千里 : あれ? 繋がらないとか言ってなかったかしら。
  GM : 出る様子がない、ですね。
  千里 : 鳴り続けてたんだっけね。そう言えば。        なら、取ってみてみるわ。        私からの着信はある?
  GM : 着信が二件、あれ、三件? 全部、千里さんからのですね。        ちょうど千里さんが掛けた時間帯だと思ってくれていいです。
  千里 : つまり、電話した回数分は入ってるってことね。
  GM : はい。
  千里 : 「これじゃ、出るわけない、か」        携帯を閉じて、回収しておくわ。        エプロンをたたんでしまっておいて。
  GM : そんなところですね。        他になければ、その日はそれ以上なにごともなく終わります。
  千里 : そう。
  GM : というわけで、シーンはカット、でよろしいですか?
  千里 : 一応千代子さんに、携帯を置いてったらしきこと、私が管理しておくことを伝えておくわ。
  GM : はい、承りました。
  千里 : 特に千代子さんが強くそれに反対するのでなければ、だけれど。        保険みたいなものだし。こちらとしてもね。
  GM : 千代子さんもマスターも、千里さんを信頼しているので特に問題にするようなことはありません。
  千里 : 了解よ。
  GM : まぁ、居なくなった萌花は「プライバシーの侵害だー」と騒ぐかもしれませんが、今はいないので。
  GM : というわけで、明良君の情報収集に行きたいと思います。
  明良 : ああ。        とりあえず、状況を整理するか。
  GM : はい。
  明良 : リンクスAの影響範囲は広がりつつある。        影響範囲の広がり方は、リンクスAの隣人、        そして消えた人間の隣人というように広がって行く模様。        消えた人間が一人戻ってきた……え〜と名前はなんだっけ。
  GM : 建巳 郁子(たつみ いくこ)です。        クラスメイトですよ、一応(笑)
  明良 : そうそう(笑)        とりあえず調べてみたが、肉体的な異常はなさそうだったな。        多分原理的には俺の手には負えまい。
  GM : 怒涛のように成分分析に失敗してましたね(笑)
  明良 : リンクスだから仕方ないんだよ(笑)
  GM : ダイス神の管轄ですが(笑)        ともあれ。
  明良 : で。        暗黒堕天使から、クラスメイトの父親が消えてるらしいという情報が入ってるな。
  GM : 暗黒ではなく漆黒ですが、まぁそうですね。
  明良 : 手がかりが途絶えたし、そちらも当たってみるかと思う。
  GM : クラスメイトが嘉月 柚穂(かげつ ゆずほ)、父親(?)が嘉月 庄蔵(しょうぞう)です。
  明良 : ああ。
  GM : 堕天使ファイルでは、『○×製薬株式会社 企画○課 課長』という所までは掴めました。        ただ、それ以上の情報は不明、例によって「そんな人いない」状態です。
  明良 : といっても、個人的に対する聞き込みは無駄になるのが今回の件だからな。        そうだな。まず会社について……それから、その男の仕事について調べるか。
  GM : それらを調べるのは『情報屋/ビジネス』ってところですかね。
  明良 : だな。
  GM : この情報屋の出現頻度は頻繁となっております。
  明良 : 頻度は頻繁だから12以下で出る。
  GM : どうぞ、自らの手で(笑)
  明良 : よし。        (ころころ……) = 12-[3,1,4] = 4        ふう。
  GM : はい、では委員会直営企業のエージェントとコンタクトが取れました。
  明良 : 電話でいいか?
  GM : はい、電話先の相手は【神楽】と名乗る妙齢の女性です。
  明良 : 「○×製薬株式会社 企画○課 課長の行っていた業務について調べろ」
  GM : 神楽『かしこまりました、同志』
  明良 : 共産主義者か(笑)        ……まあ似たようなもんか。
  GM : 技能は15でしたね、こっちで振るんでしたか?
  明良 : ああ。そっちで振ってくれ。
  GM : とりあえず、今回はオープンで振っておきましょう。        (ころころ……) = 15-[6,2,1] = 6        はい、ではそれなりに詳しい業務内容、成績などが手に入りました。
  明良 : ざっと見るが怪しいところはないか?
  GM : その資料ではつい数日前からプッツリと情報が途絶えているのがわかります。
  明良 : それはいい。
  GM : 内容としては、極一般的な企業の普通の業務ですね。        特別怪しい所は感じられませんでした。
  明良 : ふむ。そっちの繋がりは関係ない、か?
  GM : 一応、委員会直営企業と提携するくらいなので、        それなりに利益はあがる予定ですが、それも表レベルの仕事です。        神楽『資料の通り、特別な異常は見られません』
  明良 : 「わかった。以上だ」
  GM : 神楽『全ては委員会の為に』
  明良 : では切るか。
  GM : 嘉月庄蔵の仕事から得られそうな情報は、概ね得られたと思っていいでしょう。
  明良 : では個人的な事情か?
  GM : さて、それを判断するのはGMではありませんが。
  明良 : そういえばクラスメイトの嘉月も容疑者だよな……よし、奴の家に押し入ろう。
  千里 : のしのし。
  GM : 家の場所は……まぁ、堕天使ファイルに載ってたことにしましょう。        嘉月柚穂の家は、いわゆる裕福層一歩手前という感じの一戸建てです。
  明良 : それに、学級名簿を調べれば残ってるはずだしな。
  GM : 最近の学級名簿は個人情報うんぬんで載ってない可能性もありますが(笑)        ともあれ、嘉月の家へはたどり着けて構いません。
  明良 : ああ。ところで時間は何時頃になる?
  GM : そうですね、色々情報収集に時間が掛かったとして、そろそろ放課後って所でしょうか。
  明良 : わかった。
  GM : では、柚穂の家です。        庭付き一戸建て、二階建ての一軒家。
  明良 : さてと……周囲を確認してから、裏口から中に入る。        鍵はかかってるか?
  GM : ん、では周囲を確認して、ご近所の奥様方の視線がないか知覚チェックしてください(笑)
  明良 : (ころころ……) = 15-[4,5,3] = 3        なしなし。
  GM : 3か。
  明良 : ご近所の奥さまの忍びが3成功以上じゃなきゃ大丈夫だろう。
  GM : では、ちょうどいい感じに人気のない時に滑り込めたことにします。        ちなみに、鍵は掛かっていませんでした。
  明良 : かかってなかった? 不用心だな。
  瑞樹 : 誰かいるんじゃない?
  明良 : 誰かいるなら忍び足しないとな。        家族構成は情報に入ってるか?
  GM : 両親と柚穂の三人家族です。
  明良 : ということは母親がいる可能性があるか。
  GM : 普通に考えればそうですね。
  明良 : では忍び足で入る。        (ころころ……) = 14-[1,1,1] = 11        凄い忍んだぞ!(笑)
  GM : なんという無駄なスニーキング(笑)        ダンボールとセットの伝説の傭兵ですね。
  明良 : いや最新ではドラム缶だな(笑)
  GM : では、その完璧な忍びに免じて情報を与えますと、どうやら家内に人は居ないようです。
  明良 : 無意味だったな(笑)
  GM : まぁ、あんまり大きな音を立てるとご近所に通報されるかもしれませんし(笑)        ざっと見た感じ、普通の一般家庭ですね。
  明良 : さて間取りを考えて……嘉月娘の部屋は二階だろう。登る。
  GM : カサカサカサ。
  明良 : 別にしのぶ必要ないなら普通に歩くわ(笑)
  GM : 【ゆずほの部屋】というプレートが掛かった部屋を発見しました。
  明良 : ネームプレートのかかった部屋…予想通りだな。        鍵を確認。
  GM : 掛かるタイプのようですが、今は開いています。
  明良 : 罠を確認。
  GM : 本気で(笑)
  明良 : 冗談だ(笑)        中に入るぞ。        触れる前に様子を確認する。        探す前に、だな。
  GM : 内部は、女の子らしいピンクの色彩のベッドと人形など、        それから勉強机に本棚、タンスといった少女らしい構成になっています。        机にはデスクトップパソコンが設置されています。        後は、壁に写真ボードがちらほらと。
  明良 : パソコンは…まあ後回しにするか。        写真ボードか……おかしなところはあるか?
  GM : やたら風景写真が多いってくらいですかね、それも壁とか教室とか珍しくもない風景(笑)
  明良 : 嘉月は写ってないんだろ?(笑)
  GM : 当然ですね、あと明良君も知っている瑞樹の家の道場の写真もありますが、        そこにも人は写ってません(笑)
  明良 : じゃあ推定嘉月と推定瑞樹の写真を一枚ずつ取ってく。
  GM : と、一応人が写っている写真がないわけでもありません。
  明良 : まだ消えてないクラスメイトか?
  GM : それもあります。        修学旅行などのイベントの写真では、歯抜けにはなっているものの人がまだ写っています。
  明良 : 家族の写真はあるか?
  GM : 家族の写真……らしいものはないようです。
  明良 : 母親の写真が残ってないなら全員消えたか…
  GM : では、ここで知覚判定をお願いします。
  明良 : (ころころ……) = 15-[5,2,6] = 2        2だ。
  GM : ふむ。        では、一枚だけしっかり人が写っていて、なおかつ違和感のある写真を発見しました。        副担任の仲春桂一先生の写真ですね。
  明良 : ん?
  GM : 違和感なんですが、写真の中ではこう、今よりちょっと若い感じ?
  明良 : つってもあの先生…まだ若いだろ?
  GM : ですから、それでなお若く見えます。        高校生……よりは、大学生になりたてって所の初々しい感じの写真ですね。
  明良 : んー……写真に日付はついてるか?
  GM : 写真をひっくり返すと手書きで書いてあります。
  明良 : どれどれ。
  GM : 年月としては3年くらい前、あと『先輩とデート』と書き添えられてます。
  明良 : 昔からの知り合いだったのか……恋人か?
  GM : 書き文字は女の子らしい丸っこい文字ですね。
  明良 : とりあえずその写真も持ってくか。        さてと。
  GM : はい。
  明良 : それじゃ部屋をざっと探索して、パソコンの中を浚うか。
  GM : では、<探索>と<コンピューター操作>をお願いします。
  明良 : (ころころ……) = 13-[3,1,5] = 4        (ころころ……) = 15-[3,5,4] = 3        探索4、コンピューター3だ。
  GM : ふむ、では探索ですが此れといって異常なものは見当たりませんでした。        日記とか手記のようなものもなし。
  明良 : 手がかりゼロか…いや1か。
  GM : コンピューターですが、特に問題なく確認できましたが、目だって可笑しいところはありません。        一応、気になる点として。
  明良 : おう。
  GM : 『暦市アンダー情報サイト【ヤヌス】』のデータ更新が成されていたようです。
  明良 : なんだそりゃ?        どこかの人妖が作りっぱなしにしてた奴か?(笑)        いや、情報サイトってことは。こいつが管理人だったわけか。
  瑞樹 : 私のオープニングで出てたような気がする。
  GM : これは明良君は知らない情報ですが、噂などを取り扱った個人による情報サイトですね。        見出しの『不審者情報』が 【NEW】 に成っています。
  明良 : 「ふうん……」        レインコートの怪人だったか?
  GM : 貴方のお友達の【漆黒の堕天使】もしっかり不審者情報にランクインしてますよ(笑)
  千里 : 御友達も大変ね。
  明良 : 友達じゃねえ!        そうだな。人が消える怪談ってのはあるか?        神隠しの類か……ここ一週間以内に盛況な奴な。
  瑞樹 : 新着情報みなよ。まず(笑)
  明良 : だから新着は暗黒天使だろ?(笑)
  瑞樹 : オープニング見てなかったのか?        新着はそれじゃなかったよ。
  明良 : どうせ怪人物なんぞ俺には関係ねえよ!(笑)
  GM : 『魔の路地裏』という情報があります。
  明良 : クリック。      『昨夜、ちょうど日付が変わる頃に女子高生が町を徘徊して、       発見した男性が声を掛けても、夢遊病のように反応がなく、       腕を掴もうとしたところ、そのままスッと消えてしまった』   GM : 場所は大通りから入ってすぐの路地裏ですね。
  明良 : 確かに同じだったか。
  千里 : 私の場合と状況が似てるわね。
  GM : なお、この更新情報ですが。
  明良 : そういえば更新日はどうなってるんだ?
  GM : 12月21日の朝に更新がされています。        今日ですね。
  明良 : 俺の記憶では……奴は何時まで学校に来てた?
  GM : おおよそ3日前には既に居なかったと思います。
  明良 : だよな。        それに、両親が数日前に消えてるんだ。それよりは早いだろう。
  GM : ミステリー。
  明良 : このサイトは管理人以外も書き込めるタイプか?
  GM : 管理者パスワードがあれば書きこめるでしょう。        誰がパスワードを持っているかまでは解りませんが。
  明良 : まあそうだな。        てことは他の……こいつの誕生日を知ってる奴が書きこんでもおかしくないわけだ。
  GM : なぜパスワードが誕生日だと(笑)
  明良 : いや、まあ例えばなしだ(笑)
  GM : まぁ、他になにかありますか?
  明良 : ん……確かサーバーを調べれば、どのパソコンから書きこんだか確定できないか?
  GM : そこら辺の知識はどうなんでしょうね、もう一度<コンピューター操作>でお願いします。
  明良 : (ころころ……) = 15-[1,1,6] = 7        成功度は申し分ないぜ。
  GM : 前回の成分分析とは随分な差ですね(笑)
  明良 : あれはリンクス能力の妨害があったからな(笑)
  千里 : そうなのですか。ぇー。(笑)        おっと、口調間違えただわよ。
  GM : 3日よりも以前には学校のパソコンから何度か、        その更新は間違いなく、そのパソコン本体から成されています。
  明良 : 「……ということは、だ。         何者かがこの家に侵入して勝手にパソコンを起動してサイトを更新してる。         ……んなわけあるか」        とりあえずパソコンの臭いをかぐ。        すんすん。
  GM : 残り香で共感は得られるものなんだろうか?
  明良 : いや、体臭が何種類あるかだけでいい。
  GM : ふむ、その場合は二種類ですね。        一種類はこの部屋全体からも感じられます。
  明良 : ああ。        嘉月だな。
  GM : そうでしょうね。        もう一種の方には覚えがありませんでした。
  明良 : わかった。臭いだけ覚えておこう。
  GM : それくらいですね。
  明良 : 時刻は?
  GM : そろそろ夕方から夜に、という頃合です。
  明良 : 6時頃か。
  GM : 遅くて7時くらいですかね。
  明良 : いや12月なら5時で日が暮れてるな(笑)
  GM : まぁそうですね(笑)
  明良 : とりあえずまだ行動は出来る、が……
  GM : 柚穂の家で他にすることがなければシーンを切ろうかと思いますが、どうでしょう?
  明良 : ああ。切ってくれ。
  GM : はい、ではシーンカット。


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