File.00 『マヨヒガ』
GM : 今日は学園は使う予定はありますかね?
明良 : ない。
GM : 無ければここはフォークロアが占領する! 皆さん、準備はよろしいですか?
瑞樹 : よろしいです!
明良 : ん、いいぜ。
千里 : 良いわ。
GM : はい、それでは始めましょう。 ではまず、タイトルコールから。
日常は永遠だと考えていませんか。 平穏は永久だと思っていませんか。 それは数多の夢の後先。 何事もないという幻想。 クリスマスを目前に控えた12月某日。 沸き立つ町の裏側で惑いに囚われた少女。 蝶になった夢を見るのか、夢を見ている蝶なのか。 流れに流されることで、少女は虚ろになっていく。 其は異界。輝く世界。約束の地。 其処に私が居るのなら、此処に私は必要ない。 これは、友達の友達に聞いた話なのですが――。 ガープス・フォークロア File.00 『マヨヒガ』
GM : 皆さん、よろしくお願いします。
明良 : ああ、よろしく。
千里 : よろしく。
瑞樹 : よろしくお願いします!
GM : では手始めに、プロローグ時にし損ねた佐奈川明良君の自己紹介をお願いします。 名前と、特徴、それから言っておきたいことなどですね。
佐奈川 明良(さながわ あきら)
明良 : 佐奈川明良だ。いわゆる強化人間だな。そっちとしての名前は『サイロイド』 強化人間としては、薬物を作り出すタイプの能力『デザインD』を持ってる。 スキル的には、まあ盗賊的なものを色々だ。多少は常人にできないことができるぜ。
GM : 世界危機管理委員会に所属する強化人間、 人工的に能力を付与された、いわゆる改造人間ですね。
明良 : 小さなころに浚われて、記憶を消されてエージェントとして活動してたが。 最近になって記憶を取り戻した。
瑞樹 : へー。 なんで?
明良 : そうだな……一つは、俺が薬物系の能力を持っていたから。
瑞樹 : 自分で薬で刺激を与えて取り戻したんだ。
GM : 消去された部分を異常と判断して、自己治癒してしまったんですね。
明良 : もう一つは、消された記憶に関連する人間に会ったからだな。
瑞樹 : なるほど。 わかった。
明良 : というわけで、瑞樹とは幼馴染だ。
瑞樹 : いぇい!
GM : なるほど、ただの幼馴染と。
明良 : まあ、そうだな。
GM : 性格はいわゆるダウナー系?
明良 : ああ。なんというか、世の中すべて敵だと思ってるな。
GM : それ、ダウナー系で一括りにしていいんでしょうか(笑)
明良 : ていうか、自由になるために組織を打倒しようとしてるからな。 なにも信頼は出来ねえ。 あとはまあ……素だ。
GM : はい、システムの倒して自由になるを「誓い」として所持していますね。
明良 : それが秘密でもあるな。 まあ、こんなところか?
GM : 他の二名から、明良君になにか聞きたい事などありますか? GMへも含めて、なにか今のうちに聞いておきたい事などでもいいですが。
明良 : そうだな… 季節はいつごろだったか?
GM : クリスマスです。
明良 : そういえばそうか。
GM : まぁ、日付に関してはオープニングで宣言しますが、 とりあえず予定として、瑞樹→明良→千里の順番でオープニングの予定です。
明良 : 俺の能力には組織の薬が必要なんだが。それは何日分支給されてる?
GM : ええと、普段生活する分には必要ないんですよね?
明良 : ああ。 単位は1日だ。
GM : 今回のミッション用にオープニング時に一週間分配給されます。 それとは別に、一日分は所持していて構いません。 つまり、今裏切っても8日は戦える計算に(笑)
明良 : たったもいいところだな(笑) それに俺個人の力じゃどうにもならねえからな。
GM : 十秒しか戦えませんしね。 まぁ、能力を使わずに事件を解決し、かつその分を虚偽報告すれば溜まって行きますよ(笑)
明良 : ああ。強力な仲間っつうか武器っつうか……あれが必要だな。 なんつったっけ、あれ?(笑)
GM : あれって言われても(笑)
明良 : MPLS…じゃなくてだな。
千里 : リンクス?
GM : リンクスですか?
明良 : そうそう。それだ。
GM : 強力なリンクスを仲間に引き込むことでシステム打倒を目指すんですね。
明良 : そうだな。まあ、仲間じゃなくてもぶつけられればそれでいい。
明良 : だが、芽の内につぶされてはたまらんからな。そこはまあ、暗躍の余地だ。
GM : 実際どうなるかは解りませんが……で瑞樹さん、明良君に質問などありますか?
瑞樹 : え? ないない。 あ。忘れてた。 どこまで私に話してあるの?
明良 : ん?
瑞樹 : あといなかった期間とかさ。
明良 : 何も。 だってお前関係ねえじゃん。
GM : おおう(笑)
瑞樹 : 言い訳があるじゃん。
明良 : 引っ越してた。 家族が死んだから。
瑞樹 : なるほど。 わかった。
GM : よく解らない会話だ(笑)
瑞樹 : 大変だったね。
明良 : 大変だったんだよ。 多分お前が思う100倍ぐらいは。 言わんけどな。
瑞樹 : 言えよ! 聞かないけど!
GM : まぁ、それでは始めましょうか、そこら辺の会話は本編でお願いします。
明良 : 本編じゃできねえだろ(笑)
GM : まず始めに、最初に決めてあった通り全員に5CP差し上げます。 これらは以下の4パターンに使用可能です。 ・未使用CPの利用(1シナリオ5CPまで) ◎ダイスの振り直し ◎ダイスの振り足し ◎妖術・妖力の限定解除 ◎抵抗判定を成功に変更 GM : 使うタイミングは自由、連続使用も可能ですがご利用は計画的に。
千里 : 50CP余計に貰ってるけれど、私ももらえるの?
GM : 確か、千里さんに50CP追加するのは前提条件なので、そこは大丈夫なはずです。 せっかくですので、千里さんも貰っておいてください。
千里 : わかった。ありがとう。
瑞樹 : cp残ってない。
GM : ですから、差し上げました。
瑞樹 : なん・・・だと・・・? 5cp追加されるのね。0話の段階から。
明良 : 人話を聞いてねえなこの馬鹿。 いやこのデコ
瑞樹 : デコ出てない!
明良 : あれ、たしかイラストでおさげデ子だったような… それより振り足しってのはなんだ?
千里 : 1CPにつきダイス1つ余計に増やせるのよ。1回の判定時に。
明良 : 判定にダイス増やしてどうするんだ……ああ、任意で選べるってことか?
千里 : そう言うことよ。
明良 : ルナル式か。
千里 : (ころころ……) 4D6 = [1,1,5,3] = 10 この場合、1,1,3を選べるわけね。 ルナルだと幸運と併用が可能だったけれど、そこはどうなのかしら?
GM : 併用可能です。 これは、いわゆる魂を振り絞る、という感じの処理なので。 できれば使う時は格好よく演出してください(笑)
明良 : おーう。
千里 : だそうよ。
明良 : どうせおれの演出はドラッグだろ。
GM : せいぜいファンブルしてブドウ糖を注入してください(笑)
千里 : ちなみに瑞樹ちゃん。千里 : こっちからリメイクしたわ。 千里 : 左のどんよりしてるのが明君。
明良 : 確かにデコは出てなかった。
瑞樹 : でしょ。 デコ出てないんだよぉー!
明良 : じゃあなんて呼べばいいんだ?
瑞樹 : 名前呼べよ。普通に。
明良 : けど服装はなんだこれ。
瑞樹 : 普通の服装じゃん。
明良 : このひらひらはなんだ?
瑞樹 : 女の子アピール的な。
GM : まぁ、とりあえず始めますよ(笑)
▽ 序幕 Side Mizuki
GM : 最初のオープニングは、浅賀瑞樹さんです。
瑞樹 : なん・・・だと・・・?
明良 : そうなんだよ。
瑞樹 : まあかもーん!
GM : では、まずはハンドアウト。 ▽ハンドアウト−浅賀 瑞樹− 12月24日、朝。 今日はクリスマス・イヴ、多くの恋人たちにとって大切な日。 そして、霞染高校は2学期の終業式だ。 日常。変わらない日々。 朝起きて、学校に行って、勉強に頭を捻る。 放課後には友達と自由行動、夜になったら家に帰る。 美味しいご飯を食べて、お風呂に入って、暖かい布団でお休みなさい。 そして、また朝が来る。 さぁ、今日も学校に行かなければ。 ……なにか忘れているような気がする。 早く、行かなければ。 瑞樹 : あれ? 何か忘れてる気がする。
明良 : 取り込まれてんじゃねえか(笑)
瑞樹 : なん・・・だと・・・?
GM : さて、早速ですが、状況その他の前に「生命力判定」を修正−2でお願いします。 14−2だから、そこそこの確率で成功するとは思うけど。
瑞樹 : (ころころ……) 14-2-3D6 = 14-2-[2,3,3] = 4 うわ、成功した。 珍しい。
GM : と、意外と高かったですね……ええと、4成功か。 では、瑞樹さん。 爽やかな朝です。 普段目覚めるのと同じ時間、いつものように目が覚めました。 今日の日付は12月24日。 クリスマス・イヴであり、学校は終業式があります。
瑞樹 : 「んんん〜〜〜……」 眠い目をごしごししつつ、起きよう。
GM : 小鳥の鳴き声どころかしわぶき一つ聞こえない静かな朝です。 窓の外を見れば、ちらほらと白い物が空から舞い降りている、ホワイトクリスマスですね。 深々と降り積もる雪は、お昼過ぎにはしっかり積もりそうな雰囲気です。
瑞樹 : 「おお? 雪か!」 がらがらっと窓開けて外を見よう。
GM : 雪やこんこです。
瑞樹 : クリスマスって感じ!
GM : 冬特有の冷たい空気が入り込んできます。 如何にも冬の日、という感じの空模様ですね。
瑞樹 : 雪はいいねー。 東北以北の人にはわからない感覚かも知んないけど。
GM : GMは関東人ですから(笑)
瑞樹 : 寒いのでささっと支度したりしよう。
GM : そういえば明記されていませんが、自宅での家族構成なんぞは?
瑞樹 : すっかり忘れてました! 父母兄私弟かなー。
GM : 意外と大家族だった。
瑞樹 : 日本の核家族はこれが一般的だと思う(笑)
GM : まぁ、なんにせよ、のんびりしている訳にも行きません。 早く朝食を食べて学校に行かないと遅刻してしまいます。
瑞樹 : 「げげっ!? 割と時間がピンチ!」
GM : リビングに行けば、いつもと同じように朝食が用意されています。
瑞樹 : 「おはよー!」
GM : 父「おはよう」 母「おはよう」 兄「おはよう」 弟「おはよう」
瑞樹 : 個性付けしてないからかもしれないけどすんげえこええ(笑) 「お、おお、皆さん早起きですね」 気圧されてしまった。
GM : はい、ここで−4修正で知力判定をお願いします。
瑞樹 : なん・・・だと・・・? (ころころ……) 9-4-3D6 = 9-4-[3,2,4] = -4
GM : うん、マイナス4ね。
瑞樹 : 無理無理(笑)
GM : 別になんの変わりも無い、いつも通りの家族の対応だと思いました。
瑞樹 : 意志の強さが入れば成功なのに!
GM : ここでは入りません(笑)
明良 : 馬鹿だから仕方ねえな。
GM : いつもの食卓、いつもの朝食風景です。
瑞樹 : 気おされたことに首を傾げつつ、朝ごはんをかきこもう。 「いただきまーす!」 ががががががっ。
GM : テレビのニュースではクリスマス特集を繰り返し報道し、暦市の地域ニュースとして、 本日、大型遊園地【シャングリ・ラ】のプレオープンが大々的に取り上げられています。
瑞樹 : 「遊園地かー。クリスマス友達と行こうかなー」
GM : 父「ごちそうさまでした」 母「ごちそうさまでした」 兄「ごちそうさまでした」 弟「ごちそうさまでした」
瑞樹 : ひぃ! まただ!
GM : 皆、いっせいに箸を置き、そろって片づけを始めます。
瑞樹 : 「ご、ごちそうさまでした」
GM : 極、普通の、いつもの朝食の風景です。
千里 : 瑞樹ちゃん、空気読まないと。
瑞樹 : 「(あ、あれ、私空気読めてない感ばりばり?)」 あわてて片付け。
千里 : 食べ終わってないのに、空気を読んで片づけしちゃう瑞樹ちゃんでした。
瑞樹 : はぁー!? くいしんぼなのに!
GM : とやっている間に、テレビの時刻がそろそろ出ないと拙い時間に。
瑞樹 : 「はぁ!? 時間がやばい!」
GM : のんびりしていては遅刻してしまいますね。
瑞樹 : だだだっとかばん引っつかんで、出かけよう。 「いってきまーす!」
GM : 父「いってらっしゃい」 母「いってらっしゃい」 兄「いってらっしゃい」 弟「いってらっしゃい」
瑞樹 : バーンと玄関けりあけて。 ぞくっ。
GM : 冬の寒さが、背筋を凍らせます。 今日も、寒いですね。
瑞樹 : 「寒っ!?」 雪降りしきる中、学校へ急ぐぜ!
GM : いつもの登校風景。 いつもの通学路。
瑞樹 : すごい大事なことを忘れてる感覚が後ろ髪を引っ張りまくってる気がする。
GM : 人っ子一人居ない、静かな道をひた走ります。 冷たい雪景色の中、風の音だけが耳に響く。
瑞樹 : だだだだだー。 一人? 人っ子一人いない?
GM : 車のエンジン音も、鳥の鳴き声も、家々の生活の音も。 なにも聞こえない、静かな朝ですね。
瑞樹 : 「し、静か過ぎる。今日は休みだったっけ」
GM : と――校門が見えたところで、人が立っています。
瑞樹 : 「あ、そんなことなかった」
GM : 桂一「おーい、遅刻するぞー」
瑞樹 : どちらさま?
GM : 副担任の仲春 桂一先生が校門前で声を掛けます。
瑞樹 : 「わわわー! 待って待って今入ります!」
GM : 桂一「今日はどうせ式しかないけど、早く教室行くんだぞ」
瑞樹 : 「はーい!」 だだだーっっとダッシュ。 よかった! 休みじゃなかった! 1日寝過ごしてすでに冬休みに入ってたわけじゃなかったんだね!
GM : ガラガラガラ――――ピシャン。 背後で、校門が、閉められました。
瑞樹 : 一日寝過ごしたから家族の態度が冷たかったわけじゃないんだね! 不安が解消されました。
GM : その自己暗示はむしろ不安を増大させている気もしますが(笑) ともあれ、そんな中教室へ向かう瑞樹さんです。
瑞樹 : お、おかしい。 すんごいおかしい気がするけど、何がおかしいのか分からない。
GM : 「よう、浅賀」 「おはよう、瑞樹ちゃん」 クラスメイトが挨拶をしてきます。
瑞樹 : 「おはよー!」
GM : にこやかな笑顔です。
瑞樹 : ひぃ! なんかすごい悪寒が走った気がする!
GM : 教室内の風景は、見慣れたいつもの情景です。 仲のいいもの同士が集まり、他愛無い話題で談笑しています。
瑞樹 : 柚穂はいるのかしらー。
GM : ゆずほ?
瑞樹 : 柚穂。 嘉月柚穂。
GM : ――はい、ではもう一度、知力判定、今度は意志の強さを足せます。
瑞樹 : わわ。 (ころころ……) 9+6-3D6 = 9+6-[5,3,4] = 3 おお。期待値より低い。私的に。
千里 : 意志がしがしだわ。
GM : 3成功、でさっきのが-4で、生命力が4成功、と。 柚穂は――教室にいません。
瑞樹 : あれ? 柚穂いない?
GM : それどころか、教室に柚穂の席が見当たらない。
瑞樹 : あれ? 柚穂の席がない?
GM : というか、ちょっと待って、さっき挨拶してきたクラスメイトなんだけど、 ――その人が誰だか解らない。 名前が出てこないし、なんだか顔も見覚えがない。
瑞樹 : あ、あれ? クラスを見渡してみる。
GM : 皆、にこやかな笑顔で談笑しています。 彼と彼女が、彼女と彼女が、彼と彼が。 にこやかに。にこやかに。にこやかに。にこやかに。 カバァ……と、その笑顔が三日月の形に。
瑞樹 : ひぃぃ!?
明良 : うお、こええな。
GM : その口内に歯は無く、舌も無く、ただ赤い空間だけが広がっています。
瑞樹 : 教室から出よう! 「いいじゃないか、浅賀」 「そうよ瑞樹ちゃん」 「考えること無いよ」「浅賀さん」 「瑞樹ちゃん」 「一緒に行こうぜ」 「楽しいよ」 「瑞樹さん」 「ほら」 「一緒に」 「こっちへ」 「浅賀」 「一緒」 「こっちへ」 「楽しい」 「考え」 「瑞樹」 「行こう」 「いいじゃ」 「瑞樹さん」 「こっちへ」 「浅賀さん」 「楽しい」 「一緒に」 「行こう」 「行こう」 「行こう」「行こう」 瑞樹 : 「うわわわわわっ!?」 駆け出す!
GM : 声が、追いかけてきます。 「行こう」「行こう」「行こう」「行こう」「行こう」「行こう」「行こう」「行こう」「行こう」 「行こう」「行こう」「行こう」「行こう」「行こう」「行こう」「行こう」「行こう」「行こう」 「行こう」「行こう」「行こう」「行こう」「行こう」「行こう」「行こう」「行こう」「行こう」 「行こ「行こう」う「行こう」「行こ「行こう」う」「行「行こう」こう」「行こ「行こう」う」」 「「行こう」行「行こう」こ「行こ「行こう」う「行こう」う」「行こ「行こう」う」「行こう」」 瑞樹 : 両耳ふさぎつつ走る走る。
GM : 無人の廊下。
瑞樹 : とにかく外へ! 先生! 先生は本物っぽかった!
GM : そのドアというドア、教室という教室から。 こちらを、ジッと見つめている、幾人もの目、口。 ニタニタ。ニタニタ。ニタニタ。ニタニタ。ニタニタ。ニタニタ。ニタニタ。ニタニタ。 瑞樹 : ひぃ!? 「(ど、な、なにが、どゆこと!?)」
GM : 外へ。 つまり、校門まで行くのですね。
瑞樹 : イエス!
GM : 残念ながら、校門にはもう誰も立っていませんでした。
瑞樹 : 「せんせーーーっていない!」 きょろ、きょろ。
GM : そして、校門にはこれでもか、というほど鎖や鍵ががんじがらめに絡まって、まるで茨のよう。
瑞樹 : 「な、なにこれ……」 がしゃがしゃ。
GM : 開きません、動きません。
瑞樹 : がしゃがしゃがしゃ! …………ざっ。 瑞樹 : びくっ!? ざっ……ざっ……ざっ……ざっ…… 瑞樹 : ……後ろを振り返ってみる。
GM : 笑顔。
瑞樹 : 「っ!?」
GM : 窓という窓、校舎口。 その全てに、びっっっっっっしり、張り付いた笑顔の群れ。 その全てが、貴方を見ています。 そして、校舎口からは、笑顔のまま、こっちへ、歩いて、くる。
瑞樹 : こ、校門を飛び越えよう! ざっ……ざっ……ざっざっざっざざざざざざざざあああああっ!!! 瑞樹 : わわわっ!?
GM : 土ぼこりを立て、走ってくる!
瑞樹 : 「わわわっ!?」 急いで校門をよじ登って学校から逃げる!
GM : と、その時、
瑞樹 : っととと?
GM : ?「こっち!」 声が、呼びます。
瑞樹 : 「!?」
GM : 校門をよじ登ったのなら丁度いい、そこから見える位置です。 背の高い、おそらく二十代前半の成人女性が、校門の外で瑞樹を手招きします。 瑞樹の後ろ、そちらを気にして必死な形相ですね。
瑞樹 : そっちへ行く! 校門から飛び降り、ダッシュ!
GM : ?「こっちよ、乗って!」
瑞樹 : 乗る乗る! 何か分からないけど乗る!
明良 : ん、誰だ?
千里 : 誰かしらね。
GM : 女性は、そのまま路上駐車していた車に乗り込むと、瑞樹を乗せて発進します。 ぶろろろろろろ!
瑞樹 : 学校のほう見てみよう。 ちらーり。
GM : 校門のこちら側には、笑顔たちは着ていません。
瑞樹 : ほっと一安心。 してから、はっっと気づいて、女性のほうを見る。
GM : ただ、校門や、外へのフェンスに鈴なりになって、貴方をじっと見送っています。
瑞樹 : こわっ!
GM : ?「ふぅ……危機一髪だったわ……」 女性はホッとため息を吐きます。
瑞樹 : 口元とか見よう。 笑ってない? 口の中赤い空間とかそんなことない?
明良 : こんな顔かーい?
GM : ひぃ!
瑞樹 : やめてぇー!?
GM : というのは冗談で、普通に歯の生えた口です。
瑞樹 : 本格的に安心しよう。
GM : むしろ、恐怖に引きつっているかもしれません。
瑞樹 : 緊張といて。 「びびったぁー……」
GM : ?「ホント、危なかったね……」
瑞樹 : 「あ、助けてくださって、ありがとうございます」 ぺこりとおれい。
GM : 女性は、長い髪を後ろへ流すと、ポケットからメガネを取り出してかけ直します。 ?「いやぁ、なに言ってるの。 友達を助けるのは当たり前じゃない」
瑞樹 : 「おう?」
GM : 丸メガネを光らせると、女性は悪戯っぽい笑顔を浮かべます。 三日月の笑顔ではなく、見覚えのある笑顔。
瑞樹 : 長い髪、丸めがね! 「柚穂!?」
GM : 当たり、という風に目を煌かせると、
瑞樹 : 口パクパク。
GM : 柚穂「……瑞樹もこっちに来ちゃったんだね――ようこそ、マヨヒガへ」 言って、おどけて一礼をしてみせました。 と、言うあたりで、シーンカット。
瑞樹 : はーい。
GM : ホラーテイストにしてみました。
瑞樹 : 超怖かった! びびった! 次はないと思え!(びしぃ!)
GM : くくく、まだまだ此れからよ(笑)